運転者を限定すると保険料が節約できる!?自動車保険の「運転者限定特約」について解説
「運転者限定特約」は、運転する人の範囲を限定することにより、割引が受けられる制度です。「本人型」「夫婦型」「家族型」の特徴を理解しておくことで、保険料を無駄なく支払うことができます。こちらでは、自動車保険の「運転者限定特約」の3種類について解説します。
「運転者限定特約」の3種類について
自動車保険は、運転する人を「本人のみ」「夫婦のみ」「家族のみ」と絞ることにより、保険料が変わってきます。
この「運転者限定特約」は、任意保険にのみ適用が可能です。補償を受ける運転者の範囲を限定することで、保険料の割引を受けることができます。
「運転者限定特約」で「本人型」を選択した場合は、記入被保険者のみが補償を受けられます。本人のみに限定される特約のため、割引額は最も大きいです。自分以外に自動車を運転する人がいないのであれば、この特約を付けると良いでしょう。
次に「夫婦型」ですが、こちらは記入被保険者と配偶者に限定する特約です。配偶者は、法律上で婚姻関係にある相手のことを言いますが、事実婚いわゆる内縁関係でも補償対象になる場合があります。
「家族型」の範囲には、記入被保険者やその配偶者、夫婦のどちらかと同居する親族・子どもを含みます。また、夫婦が別居していて未婚である場合でも、その子どもは対象となります。
それから、「本人型」や「夫婦型」、「家族型」の他に、「運転者限定なし特約」というものもあります。こちらを選択すると、記入被保険者や配偶者、同居親族、別居親族、友人など、誰でも補償を受けることが可能です。
ただし、「運転者限定なし特約」の場合は、補償対象者が多いため、その分保険料も高くなります。
このように、自動車保険の「運転者限定特約」は、運転者を限定すればするほど、保険料が安くなる仕組みになっています。
実際の保険料の金額は?
こちらは、各特約を付けた場合の年間保険料の一例です。運転者を限定した場合としない場合では、表のように年間保険料の金額が変わってきます。
※保険料は、保険会社や補償内容によって変わってきます。こちらの表に記載されている金額は一例です。
運転者を限定した場合としない場合では、保険料に3,500円ほどの差があるのが分かりますね。
「運転者年齢条件」で保険料がもっと安くなる!
運転者年齢条件は、運転する人の年齢を制限することにより、保険料が安くなる仕組みです。
一般的には、年齢制限を行わない「条件なし」と、21歳、26歳、30歳、35歳以上と一定の年齢以上の方を対象にして補償をするものがあります。
保険料の金額は、「条件なし」が一番高く、年齢制限が高くなるにつれて安くなります。保険料をできるだけ安くしたい方は、運転者の年齢を制限し、見積もりをとってみましょう。
「家族限定特約」に加入している方は注意!
2019年1月1日に、自動車保険の改定が実施されました。この改定により、大手保険会社を中心に、「家族限定特約」の廃止が進められています。
約50年間提供されてきた「家族限定特約」ですが、単身世帯が増えたり、核家族化が進行でいることから、需要が減ってきています。既に、東京海上日動や三井ダイレクト損保などの大手保険会社では、廃止が決定しています。
現状で「家族限定特約」に加入している方は、契約内容の確認をしておく必要があります。一般的に契約の更新日が近付くと、保険会社から書類が届き、自動的に保険が更新されます。
しかし、「家族限定特約」の廃止が決まった場合は、「運転者限定なし特約」の保険料で試算され、保険料が高くなることがあります。
更新時には、「本人型」や「夫婦型」に変更手続きが可能なので、日頃から保険内容をチェックしておきたいものです。
まとめ
「運転者限定特約」には、主に「本人型」「夫婦型」「家族型」の3つの種類があります。自動車保険の改定に伴い、大手保険会社では「家族型」の廃止が決定しています。自動車保険の見直しをこまめに行い、「運転者限定特約」を賢く活用しながら、保険料を節約していきましょう。
(学生の窓口編集部)
監修協力:冨士野喜子(ふじの よしこ)
ファイナンシャルプランナー。お金に関する相談実績1000件以上。 大学卒業後、教育出版会社、保険会社勤務を経て独立。個人のマネー相談以外にも、講演、ラジオなどで「楽しく、分かりやすく」情報発信中。 プライベートでは3児の母。
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