エントリーシートで自己PRまでは書けるものの、志望動機になると「なにから書いていいのか分からない」と悩む人も多いでしょう。それもそのはず、志望動機は自己PRと業界研究、企業研究ができていなければ、しっかりまとめることが難しいのです。短い文章の中で業界・企業の特徴と自己PRを結びつけ、いかに魅力的な志望動機を作れるか。それが重要なポイントとなります。
今回は人気業種の金融・メーカー・商社・運輸で内定を獲得した先輩の志望動機を例文で挙げながら、志望動機の書き方について解説していきます。コツを掴んで、就活に役立ててください。
目次
1.
志望動機に必要な書き方のポイント3つ
2.
業界別! 例文で見る志望動機の書き方
3.
志望動機の書き方まとめ
志望動機は「その業界や企業で自分の長所がどう活かせるか」「志望の本気度」の2つを説明するもの。しかし熱意を込めて書くだけでは、十分に伝わらない可能性があります。そこで、以下のポイントについて注意しながら志望動機を書いていきましょう。
・その業界の中のその企業でなければならない理由を盛り込む
・あなたの本気度がわかるエピソードを伝える
・「◯◯したい」という言葉の中に裏付けを入れる
それぞれ詳しくご説明します。
志望動機に必要な書き方のポイント1<業界内においてその企業でなければならない理由を盛り込む>
志望動機はその企業を志望する動機を書くもの。そのため、同じ業界内にいくつも企業がある中で、なぜその企業にあなたが「入社したい」と思ったのかを伝えることが必要です。短い文章の中で伝えるには、その企業の他社とは違う特徴を探して盛り込み、文章を展開することをおすすめします。
業界に共通する特徴を書いてしまうと、「他社でも同じ志望動機を使い回しているのではないか」と思われたり、面接で同業他社との違いを突っ込んで聞かれたりする可能性があります。
志望動機に必要な書き方のポイント2<あなたの本気度がわかるエピソードを伝える>
次に、あなたの本気度がわかるエピソードを伝えていきましょう。志望動機は、つい就活本のコピーのような内容になりがちです。しかし、あなたが強く志望するようになった背景を入れると、「これはコピーではなく、本当にこの学生のエピソードだ」と感じてもらえます。
本気度を表すには、最低でも以下3つのうち2つは当てはまっていることが不可欠。自分の書いた志望動機がこれを満たしているか、提出する前に確認してください。
1.自分が過去に実行したことと、志望企業の仕事との関連性を書く
2.将来やりたいことと、志望企業の仕事との関連性を書く
3.その仕事に必要なポイントを分析し、自分なりの解釈を書く
組み合わせはどれでも構いませんが、1つの要素だと物足りません。2つの要素を入れることで、グッと説得力のアップした志望動機になります。
志望動機に必要な書き方のポイント3<「◯◯したい」という言葉の中に裏付けを入れる>
最後に、「◯◯したい」という言葉の中に裏付けを入れていきましょう。なぜ、あなたがそうしたいと思ったのか。その理由について詳しい背景を書くことが大切です。よくある志望動機のNG例が、「◯◯したい」「◯◯が好きだ」「こんな特徴がある」など、ただの感想になっているもの。「こんな考え方ができる学生なら活躍してくれそうだ」と思わせられる文章にすることが必要です。
あなたがそう考えた理由や外部要因、過去の取り組みなどを裏付けとして使い、説得力ある文章にしてください。そうすれば、独自性のある志望動機を作ることができます。
それでは、実際に内定を獲得した先輩たちの志望動機を例文としてご紹介します。その志望動機が、どうしてよい結果を得られたのか。先ほど解説した3つのポイントに分けて該当箇所を抜き出していきますので、参考にしてください。尚、例文はすべて200〜400文字以内となっています。
1.その業界の中のその企業でなければならない理由
→他社とは全く違った学びやすい雰囲気の貴行で、スキルや知識を習得したい。
2.あなたの本気度がわかるエピソード
→伸びる市場に関連する「決済ビジネス業務」をしている貴行で働きたい。
3.「◯◯したい」という言葉の中に裏付け
→消費者にとっての利便性が向上するため、クレジットカードの普及率が上昇する可能性が高い。
1.その業界の中のその企業でなければならない理由
→事務的な作業の中でも会社や社会を変えていくことができる仕事。
2.あなたの本気度がわかるエピソード
→事務や経理でも分析検討をして改善できることがあるという奥深い点に気がついたこと。
3.「◯◯したい」という言葉の中に裏付け
→人と人とを間接的に結び付けられる仕事である事務の立場で、できることを見つけた。
1.その業界の中のその企業でなければならない理由
→わたしのやってきたことを活かせる仕事ができる。(解決策の追求)
2.あなたの本気度がわかるエピソード
→抱いた疑問をそのままにせず、解決策を模索することが好き。しかし、「狭く、深く」よりは「広く、深く」ありたい、それが営業の仕事に繋がる。
3.「◯◯したい」という言葉の中に裏付け
→御社の営業ではお客様のニーズと自社間の需要と供給のバランスを慮ることが大切。抱いた疑問をそのままにせず、解決策を模索・追求することが御社の仕事で活きる。
1.その業界の中のその企業でなければならない理由
→食と観光を組み合わせた切符が実現されていること。
2.あなたの本気度がわかるエピソード
→過去、ラクロスの集客での企画・実施・成果というサイクルで成功体験を得ている。実施にも工夫があり、一体感を生むこと、ファンをつくることができた。
3.「◯◯したい」という言葉の中に裏付け
→過去の経験を御社のお客様に再訪に繋がるような企画立案に活かしたい。
これらの例文を見ると、すべてが3つのポイントを盛り込んだ志望動機であることがわかります。
志望動機の書き方は、下記3つのステップにまとめられます。これに沿って志望動機を作れば、簡単に説得力ある志望動機を作成できるようになるでしょう。
1.3つの「志望動機に必要な書き方のポイント」に当てはまるエピソード・アピール文章を箇条書きで書く
2.3つのうち1つのエピソードを考えるのが難しい場合は、当てはまる2つを箇条書きにして作成
3.結論から始まり、理由、まとめの順番で文章を構成
短い文章でいくつもの要素を盛り込まなければいけないため、書き方を迷いがちな志望動機。しかしここでご紹介した書き方を把握してから作れば、非常に説得力の高い志望動機を完成させることができます。必要要素や書き方のステップ、内定例文などをヒントに、自分自身が納得できる就活を実現してください。
執筆:高下真美(ナレッジ・リンクス)
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。