徹底解説! エントリーシートの自己PRと志望動機の書き方

徹底解説! エントリーシートの自己PRと志望動機の書き方

2017/01/10

自己分析

自己PR

志望動機

就職活動が始まった瞬間にスタートするのが、エントリーシートでの選考です。自己分析を重ねて志望の業界・職種を決め、入りたい企業を決めます。そして、あなたが魅力的な人材で採用すべきであることを、文章だけでアピールしなければなりません。
「ぜひ会って話を聞いてみたい!」
と思われるようなエントリーシートを作るためには、どうすればいいのか。そのために必要な志望動機と自己PRの書き方のコツをご紹介していきましょう。誰にも教えたくなくなるようなコツをぜひ活用して、自分の志望企業に入れるよう努力してみてくださいね。

自己PRと志望動機の書き方

▼自分に合った自己PRが見つかる! 自己PR作成シート入り

目次


1. 多くの学生がエントリーシートで失敗するポイント
2. 設問と回答がずれているエントリーシートの対処法
3. ロジカルでないエントリーシートの対処法
4. 起こした行動の『理由』が書かれていないエントリーシートの対処法
5. エントリーシートの見直し方

エントリーシートの自己PRと志望動機の書き方とよくある失敗ポイント


まず、多くの学生がエントリーシートで失敗しているポイントをご紹介します。逆にこのポイントがクリアできていれば、選考を通過することができるようになりますので読み込んで丁寧に行ってみてください。

<失敗しがちなポイント3つ>
・設問と回答がずれている
・ロジカルでない
・起こした行動の『理由』が書かれていない

エントリーシートの失敗は、この3つの理由が大多数ではないでしょうか。普段の生活ではこのようなことを意識する場面がありませんし、今の教育ではこのような訓練が行われていないでしょう。
海外ではディベートの授業があり、議論を交わす勉強ができています。しかし日本には、あまりディベートの授業が存在しません。基本的には教師が話して、学生は板書するという一方的なものがほとんどです。すると、ビジネスの場に身をおいてから初めて学ぶため、就職活動中には知らない、もしくはできない人が多いのです。

エントリーシートに慣れてくるまでは、何が言いたいのかわからない非論理的な文章のまま提出されていることが多いため、不採用になる可能性が高くなります。いくら訓練していないとは言え、採用担当者も主張が理解できないエントリーシートであれば、採用する気にはなりませんよね。このような失敗ポイントを、どう克服していくのかご説明していきましょう。

設問と回答がずれているエントリーシートの対処法


しっかり回答しているつもりでも、実際いはずれていることが多いのがこの失敗ポイント。あなたが書いた文章は、本当にその設問の答えになっていますか?下記回答例を良く見て考えてみて下さい。

例)
Q:学生時代頑張ってきたことをどのように当社で活かしますか?

A:私は企業説明会で貴社に出会い、◯◯の素晴らしさに触れました。~~さんのお話に 感銘を受け、☓☓という仕事に打ち込んでみたいと思うようになりました。☓☓は 他社にはない貴社独自の事業です。このように業界に先駆けて取り組まれている姿勢 が素晴らしいと感じました。
☓☓という仕事は、△△が重要となります。私は大学◯年の頃から◯年かけて学んで きた◯◯を活かして貴社の役に立ちたいと思っております。

これは、どのポイントがよくない回答例なのか指摘できますか?
この設問では「どのように当社で活かせるのか」を聞いています。しかしこの学生さんは、文章の大半を使ってその会社の事業内容や素晴らしさについて話してしまっているのです。これでは、学んできたことが『どのように』活かせるのかがわかりませんよね。具体的に会社でどう活躍してくれるのか、エントリーシートを読んでも伝わってこないでしょう。

では、どのように答えればよいのか。こういった場合は、設問を分解してみることが大切です。

1.学生時代に頑張ってきたこと
2.どのように
3.その会社で活かすか

設問では、上記の3つのことを聞いています。まずは1つ1つに対して答え、繋ぎ合わせていきましょう。

1.学生時代に頑張ってきたこと
頑張ってきたことを質問された場合は、基本この3つを押さえて回答するのが望ましいでしょう。

1つ目は頑張ったことでどのような成果が生まれたのか、
2つ目はそこから何が学べたのか、
そして、3つ目は頑張った理由とその方法です。

<頑張ったことでどのような成果が生まれたのか>

成果については全国で◯位、◯◯人を集客したイベント、得られたもしくはそれで動いた金額など、誰が見ても分かる数値で表現してください。頑張ったのが成果ではなく、どのような効果(もの)が得られたのかが質問の答えとなります。

<そこから何が学べたのか>

学べたことについては、成果を上げたことで初めて気づいたこと、進めていく中でどのような工夫をしたのかというポイントを自己PRとして書きましょう。

<頑張った理由とその方法>

頑張った理由とその方法については、まず何がモチベーションとなってあなたが動くに至ったのか、そしてどのような計画を立ててそのことに取り組んだのかを書きましょう。

2.どのように
頑張ったことで成果を得られたわけですから、その成果を上げるまでに学んだ方法論や重視すべきと気づいたポイントがあるはずです。
新卒は実務経験がないので、会社でそのまま役立てるわけではありません。しかし、方法論や重視すべきポイントに共通点を見いだせれば、役に立てるというイメージが湧きますよね。学んだ方法論が◯◯という事業のどういった部分に役立てるかを書けば、納得できる文章になるはずです。

3.その会社で活かすか

他社ではなく、『その会社で』という理由を織り交ぜて書きましょう。その会社が他社に比べて優れているポイントや、他社がやっていない領域などについて触れること。それが、その会社であなたが頑張ったことを活かせる理由として成り立ちます。以下は、その模範的な回答例です。

例)
Q:学生時代頑張ってきたことをどのように当社で活かしますか?

A:私は学生時代、◯◯部の部長を務め、最後の大会で全国1位という結果を残しました。成功の鍵は△△という練習方法を作ったことです。これにより成績が全国14位から1位に上がりました。
まずトップチームと自分たちの練習メニューを比べ、練習メニューの問題点を発見しました。そこからは全員練習と個々人が伸ばすべきポイントを絞った練習に時間を分け、団結力をキープしながら個々人の能力を伸ばすという練習に変更しました。 貴社が行われている◯◯事業の☓☓分野の成長にも△△練習のときのような問題点を発見し、解決する能力を活かせると考えております。

成果を上げた経験がある考え方や、方法論の編み出し方には共通点があるものです。仕事で必要なポイントをその経験で得ていれば、仕事経験がなくても活かすことができます。仕事で必要なポイントを押さえられる人材であることを伝えましょう。

ロジカルでないエントリーシートの対処法


文章を書く上でも、面接で会話をするときにもロジカルであることはとても重要です。「なぜ?」と聞かれたときに、誰もが納得できる理由がなければ誰も動いてくれません。つまりロジカルに説明できない人は、ビジネスの世界で生き残っていけないということです。

あなたが人事担当者で学生が『その会社に入って役に立てる理由』が曖昧であったり、『頑張ってきたことで得られた成果』が主観によるものであったりすれば、「この人、本当に役に立てるのかな?」と思いませんか?このことを自己PRでロジカルに説明するには、どのようにすればよいのでしょうか。
基本的に「結論はこうです。(なぜなら~)」の話し方で伝えるようにすれば、ロジカルな説明ができるようになります。日本語の説明では、結論が最後にくる話し方が一般的かもしれません。しかしビジネスや就職活動においてはその話し方を逆転させ、最初に結論を持ってくるようにしましょう。

例)
Q:あなたの強みはなんですか?

A:私の強みは責任感が強いことです。友人からサークル活動を運営しているときに~、

上記のように「強みが何か?」と聞かれているので、まず結論の強みを一文目に伝えます。そしてその後、そう思うようになったきっかけとなるエピソード、他社から言われた言葉などを入れていくと、非常に信頼性の高い情報として見てもらえるようになります。例えば、「友人から私の強みは◯◯だとよく言われています。」という言葉からスタートしてもよいでしょう。

例)
Q:アルバイト先ではどのような役割を担っていましたか?

A:アルバイト先では新人教育係を担っていました。中高の部活でも後輩への指導係を担当していた経験があったこと、つまずきやすいポイントを予測して注意点を伝えるのでミスが圧倒的に少なくなったことを評価したと店長から言われ、入店半年から教育を任せられるようになりました。

役割を伝える場合などは、どの点が評価されてその役割を担うようになったのか。また、「相手企業でも、その役割は◯◯という場面で必要なのではないか」ということを頭に描きながら書きましょう。

起こした行動の『理由』が書かれていないエントリーシートの対処法

アルバイト先や部活、サークル、学業などであげた成果や学んだ内容を書いている人は多いでしょう。しかし「なぜ、その行動を起こすに至ったのか」「どのように考えたのか」ということまでを書いている人は多くありません。

新卒で実務経験がない人でも、「この人は仕事ができそうだ」と判断できるポイントがあります。それは、その人がどこに着眼してその行動を起こしたのかというポイントです。素晴らしい成果があっても、それがたまたまなのか、重要なポイントを見つけ出して自分で改善できる人なのかは仕事を行う上でとても重要です。書き忘れないように注意しましょう。先ほど例としてご紹介した「学生時代頑張ってきたことをどのように当社で活かしますか?」の質問では、どの部分が起こした行動の理由となっているのでしょうか?

・起こした行動=練習メニューの見直し
・理由=全国1位を獲るため

以前は14位の状態から全国1位という目標に向かって、その差を埋めるための問題点を探り当てにいったわけですね。仕事でも目標が設定され、その目標に向かっていくときに何が問題になるのか、どの方法なら目標達成が可能なのかをあらゆる角度から検討します。
学生の内に全国1位という成果と目標達成のための道筋を知っていることは、とても評価できるポイントです。自分で考えて動ける人材であることが、行動した理由を語ることでアピールできます。

エントリーシートの見直し方


まずは、今までご紹介した失敗しがちなポイントを良く読んでから書き始めましょう。そして、1つの設問が終わったら下記項目をチェックし、最後に改めて下記のポイントがクリアできているかもう一度チェックしてみてください。

<志望動機・自己PRで注意すべきポイント>
・設問に対する答えになっているか
・最初の一文で結論が出ているか
・行動の『理由』が書かれているか

<志望動機・自己PRで忘れがちなポイント>
・その業界を選んだ理由
・その業界の中でなぜその企業を選んだのか
・(採用する人が)あなたでなければならない理由
・入社してから何をしたいのか、具体的であること
・自己PR・志望動機のエピソードが具体的であること

志望動機・自己PRを書く上で忘れがちなポイントとして、上記項目が挙げられます。見逃しがあるともったいないので、こちらもしっかりチェックしておきましょう。

・その業界を選んだ、その業界の中でなぜその企業を選んだのかの理由
どの業界や企業でも通用しそうな内容になっていないかどうかは、慣れてくると見逃してしまいがちです。自分が採用担当者だと思って目を通してみることをおすすめします。「これは、まぎれもなく自分の会社のことを言っている」と思えるような文章になっているかどうか、チェックするようにしましょう。

・(採用する人が)あなたでなければならない理由
他の採用候補者に比べて、あなたを採用した方がいい理由になるほどアピールできているかどうかも見直してください。友人、もしくは社会人の先輩に見てもらって、手直しを加えてもらうとよいでしょう。志望動機や長所の他に、よく聞かれる質問として「入社してから何をしたいか」という質問があります。これには漠然と「◯◯の役に立ちたい」などではなく、できれば「◯◯部門の△△という仕事で私の□□能力を活かし、◯◯を実現したい」などと具体的な内容を書きましょう。

・入社してから何をしたいのか、具体的であること

企業側は内定がゴールだと思っている人ではなく、入ってから活躍してくれる人が欲しいと考えています。志望動機では、入社後の活躍シーンまで、しっかりイメージできている人材であることをアピールしましょう。

・エピソードが具体的であること
エピソードは、あなたのやってきたことの確かな裏付けです。自己PRでは、1テーマにいくつかのエピソードを用意し、1番魅力的に見えるエピソードを選ぶようにしましょう。

上記項目をチェックし終わったら、エントリーシートの雛形として作成しておきましょう。
多くの学生は、20社以上にエントリーシートを送付していると言われています。業界や職種が絞り込めておらず、多岐に渡る時期もあるでしょう。そのときのために、雛形を基準として業界・職種毎のエントリーシート雛形を用意しておくと安心です。普遍的な部分と会社毎に変えるべきポイントを決めておくと、どの企業に対してもスムーズにエントリーシートの作成ができるはず。そうすれば、大きな時間短縮になります。

まとめ


志望動機と自己PRの書き方のコツさえ覚えてしまえば、エントリーシートは通過しやすい選考です。あなたがやってきたことを魅力的に読みやすく変えるだけで、その後の面接にも役立つツールになりますよ。最初だけ手はかかりますが、1度作ってしまえば要領が掴めるようになってくるでしょう。魅力的なエントリーシートを作って、思い通りの就活を進めていってください。

執筆:高下真美(ナレッジ・リンクス)
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。

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