衣食住の衣の部分を司るアパレル業界。最近では、デパートやファッションビルだけではなくファストファッションと呼ばれる比較的安価な価格帯のブランドや、オンラインセレクトショップも人気を集めていますね。アパレル業界は、華やかなイメージがあり、大好きな服に囲まれながらセンスを磨ける仕事。そんなアパレル業界の仕事につきたいと考えている方のために、志望動機の例文と志望動機作成のコツをご紹介していきます。
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目次
1.
志望動機を書く前に! アパレル業界の仕事内容をチェック
2.
アパレル業界にはどんな職種がある?
3.
アパレル業界で働く魅力&向いている人は?
4.
アパレル業界志望動機の書き方
5.
アパレル業界の志望動機例文集
6.
まとめ
そもそも「アパレル(Apparel)」とはどういう意味かというと、(修飾語を伴って)衣服という意味合いや、服装、着せるという意味を持つ言葉として知られています。これに含まれるのは洋服だけでなく、靴やメガネ、帽子、ジュエリー、ユニフォーム、バッグなど、身につけるものが全てです。また、その修繕やクリーニングなども広義でアパレルと捉えられます。
そんなアパレル業界は大きく3つの市場に分けられています。
・ラグジュアリー
・トレンド
・マスボリューム
ラグジュアリーはエルメスやヴィトンなど、トレンドはユナイテッドアローズやビームス、マスボリュームはユニクロ、無印、しまむらなどです。全てのアパレルはこの3分類で分けることができると言われています。
アパレル業界では企画・製造・小売(販売)を全て行っているビジネスモデルを「SPA(エスピーエー)」といいます。これは「specialty store retailer of Private label Apparel」を略した言葉。そのメリットは、企画から小売までを一連で行っているため、消費者の好みに合わせた製品展開が可能になること。また、在庫コントロールが行いやすいことなどがメリットとして挙げられます。先ほどご紹介したH&MやZARAなどファッション性に優れたSPAは、アパレル業界では第2世代のファストファッションSPAと言われているのです。
ファストファッションSPAは従来のSPAに比べ、スピード感のある商品展開をしていることを指します。数週間で製造から販売という流れを繰り返すスピードが一般的です。Instagramなどの画像中心のSNSが流行したり、コーディネートサイトが人気になったりしていることから消費者の好みは細分化し、商品サイクルも非常に速くなってきています。
アパレル業界のなかでも最近急成長しているアースミュージックアンドエコロジーは毎日新商品が店頭に並ぶようにスケジューリングし、店頭に変化を持たせることで顧客を呼び込むという仕組みを作っています。
アパレル業界のビジネスには、企画・製造・小売という3つの大分類があります。それぞれにたくさん職種を展開しているため一部をご紹介していきますね。
<企画>
・マーチャンダイザー(MD)
商品開発・販売計画・予算管理などを総合的に管理する仕事。マーケットを調査し、商品の売れ行きを分析、そのデータから商品の開発計画を立てます。商品が出来上がってからは販売促進をどのように行うかという計画も立て、販売員に通達するなどの仕事も担当します。こちらも販売員バイヤーなどを経て、消費者向を把握する力や、データ分析の能力、トレンドを予測する力などが必要です。
・ファッションデザイナー
ゼロから売れる服やものを作るためにデザインを決める仕事です。その企業がターゲットとする消費者、その消費者の求める商品、トレンド把握、商品コンセプトなどを決めた後にそれに基づいたデザイン画を作成していきます。流行する色や素材、縫製の仕方やシルエットなどをイメージしてパタンナーに伝えることが大切です。そこからパタンナーにバトンタッチし、試作品を作り、チェックや微調整をして量産体制に入ります。
<製造>
・パタンナー
デザイナーが作ったデザインを元にして型紙に起こす仕事です。生地を裁断する方法や縫製方法など、シルエットや着心地についても考慮しながら決めなければなりません。シルエットや着心地は、試着して消費者が買うかどうかを決める重要なポイントにもなります。商品の売れ行きを左右する重要な仕事です。
<小売>
・バイヤー
主に既製品である商品の買い付けを行う仕事。主に販売員を経てからなることが多いです。統計や過去のデータ、トレンドを見て判断し、売れる商品を仕入れる交渉を行います。海外から仕入れるケースや、繊維、皮革などの素材を手に入れるところから、加工・販売というルートを作るバイヤーもいます。
・販売員、ファッションコーディネーター、アドバイザー
店頭に立ちお客様のファッションコーディネートや、フィッティング、ご案内、お会計、陳列、おたたみ、ディスプレイなどの店内の運営。在庫管理、店内の清掃、発注作業、売れ行きの管理などの店舗運営に関わる全てを行います。
・生産、品質管理
自社もしくは提携生産工場とスケジュールや品質の管理についてやりとりを行います。
これらのアパレル業界の職種で主に新卒採用されるのは、最も人数が多い販売員です。企業によりファッションデザイナー、パタンナー、マーチャンダイザー(MD)、企画、バイヤーなども採用しています。しかし、デザイナー・パタンナーは服飾系学校卒限定、他職種も毎年採用するわけではないことも多く、毎年採用していても採用数が少ない傾向にあります。
<アパレル業界の魅力・やりがい>
アパレル業界で働く魅力は大きく分けて以下の2つが挙げられるでしょう。
・一生モノのファッションセンスを磨くことができる
・自分の好きなブランドを人に伝え喜びを感じることができる
衣食住という人間にとって必要な項目のうちの1つである衣料。体温調節などの機能的な意味合い以外にも、その人のアイデンティティーを表現することもできる人間にとって非常に重要なものです。
「人は見た目が9割」と言われるように、その人が何を着ているかということはその人を判断する上で非常に重要なポイント。その重要なポイントを担うファッションを選ぶセンスが磨かれれば自分を表現するツールとして一生役立ちます。
オシャレだと人に一目置かれることや、自分が満足できることは人生において、とても満足感の高いことですし、それを磨くことができれば一生それが続くわけですから価値が高いと言えますね。
また、それが自分の好きなブランドであればあるほど、その満足感は高くなります。アパレル業界の仕事は、仕事を通してそのような満足感を得られる貴重な仕事であるといえます。
<アパレル業界の魅力・やりがい>
・アパレルを一生の仕事にしたい人
まずは一生やり続けたいと思えるほどアパレルが好きということが挙げられます。またアパレル業界はセールなどの繁忙期はもちろん、業務上も見えないところで体力勝負の部分も少なからずありますので、体力があることも重要な素養と言えます。
・お客様の喜びが喜びになる人
ファッションを変えることで自分に自信がついたり、接し方が変わったりとよい方向に変わる様子を目の当たりにできます。その瞬間を喜べる人が向いていると言えます。
・(人見知りでも)初対面の人とコミュニケーションが取れる人
例え人見知りであっても、上記のような喜びが得られるためなら頑張って初対面の人とのコミュニケーションがとれるという人ならアパレル業界で働く素養があります。
アパレル業界の志望動機は、ただアパレルが好きなだけではなく大変なことがあったとしてもどう乗り越えるかというポイントや、他のアパレルとどこが違ってその会社を選んだのかというポイントが非常に重要になります。
<志望動機の書き方 5つのステップ>
アパレル業界での仕事の魅力を頭に入れながら、この5つのステップを順に進めてみてください。
1.業界研究(アパレル業界の種類ごとの違いを把握し、それぞれの適性を判断)
2.アパレル業界での仕事に役立つ経験・能力と、将来のキャリアプランの作成
3.仕事で積むことができる経験と将来のキャリアがマッチしている説明の作成
4.仕事に活かせる経験の理由を説明となるエピソード作成
5.仕事を通して得られる喜びがその仕事で得られる理由を作成
この5ステップを掘り下げて考えたら、文章ではなく、ステップごとに箇条書きで答えを書いておきます。下記のアパレルの志望動機例文を参考に、その箇条書きをどう組み合わせるのが魅力的か、さまざまな方法を試してみてください。
アパレル業界の職種・仕事内容・やりがいをチェックしたら、次は志望動機の例文を見てみましょう。
・業界の中でこの企業である理由
「私が貴社を志望する理由は2つあります。1つは他社にはないスピードで新商品を展開でき、トレンドを逃さないビジネスモデルを確立されていること、そしてもう1つは商品だけではなくどの店舗でも共通して店員さんのコーディネートセンス、接客の丁寧さが素晴らしく、顧客ニーズをつかんだ接客をされていると感じたからです。」
ただブランドが好きな人はたくさん面接に来るはずなので志望動機としては弱い傾向にあります。上記の例文のようにビジネスモデルや商品のラインナップの特徴など他社には無い優れたポイントをピックアップして伝えましょう。
・あなたがこの企業で役に立てる根拠
学生とはいえ販売経験が7年もあり、店舗売上ナンバーワンを経験したのであればその方法論も勉強できているはずです。例えアルバイトの経験年数が短く、売上トップなどのキャッチーな理由がなくても、販売強化商品やセールのときの取り組みなどでどのように努力し、どのような結果が出たのかをアピールするのがポイントです。
アパレル業界の職種や仕事内容、やりがい、そして志望動機の書き方をご紹介しましたがいかがでしたか? 一見華やかに見えるアパレル業界ですが、主役は自分自身ではなく、お客様が輝けるようにする裏方の仕事といえます。単なるイメージだけで応募してくる学生も多くいますのでその学生との違いを見せつけられる志望動機を作成するように心がけてください。
ご紹介したポイントを押さえることで、他の学生とは一味違う志望動機が作れるようになりますよ! アパレル業界を目指す方は、ぜひチャレンジしてみてください。
執筆:高下真美(ナレッジ・リンクス)
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。