【格安が魅力!でも、SIMフリーって何…?】はじめての「SIMフリーおどおど」#あつまれ!_おどおど学生。
スマホはもはや一人一台の時代。学生読者の皆さんも使っているでしょう。そのスマホですが、「SIMフリー」という言葉を聞くことはないでしょうか。「SIMフリーで通信費が安くなるよ」などと言われたりしませんか? 中には「SIMフリーって何?」と思う人もいるのではないでしょうか。そこで今回は「SIMフリー」についてご紹介します。
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▼「スマホ決済」おどおど記事一覧
1. はじめての「スマホ決済」おどおど(スマホ決済の魅力と準備編)
2. はじめての「スマホ決済」おどおど(始め方&PayPayの場合編)
3. はじめての「スマホ決済」おどおど(注意点&お得活用編)
「SIMフリー」って何?
一般にいわれる「SIMフリー」は、「どのキャリア※のSIMカードでも使える携帯端末(スマートフォンorデバイス)」あるいは「SIMロックのかかっていない携帯端末」といった意味ですが、そもそも「SIM」が何なのかが分からないと、その仕組みも理解できません。
※キャリアというのは「通信設備を自ら開設ないし運用している通信事業者」のこと。似た言葉に「MNO」があります。「Mobile Network Operator」の略で、日本語では「移動体通信事業者」と訳されます。キャリアとMNOは同義です。
そこで、まずSIMについてご紹介します。
SIMって何?
SIMは「Subscriber Identity Module(サブスクライバー・アイデンティティ・モジュール)」の略で、小指の爪ぐらいの小さな装置です。カード型をしているので一般に「SIMカード」と呼ばれます。
これが携帯端末に組み込まれて初めて通話・データ通信・ショートメッセージが使えるようになります。SIMカードが何をやっているかというと、その端末の使用者の身元確認です。契約者の「識別番号」「電話番号」「メールアドレス」を記録しており、これを回線と紐付けることで、契約者の通話、インターネットの利用を可能にするのです。
ですから、SIMカードは普通、スマホなど携帯端末販売会社独自のものです。キャリアと呼ばれる『NTTドコモ』『au』『ソフトバンク』『楽天モバイル』は、それぞれ「うちと契約した人ですよ」というSIMカードを装着したスマホを販売しているわけです。
このように個人の識別用装置「SIMカード」を別にしておくと、新しいスマホが出た際にも乗り換えが簡単にできます。これまで使っていたSIMカードを抜いて、新機種に差し込めば済むからです。
↑SIMカードにも大きさの違いがあります。左から「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」です。
SIMロックとは?
大変便利なSIMカードですが、これは利用者を縛る仕組みでした。
というのは、それぞれのキャリアのSIMカードは、基本的にそのキャリアが販売している端末(スマホなど)でしか使えないようになっています(正確には「いました。」後述)。スマホなどの端末側に「うちのSIMカードでしか通信しません」という鍵がかかっているからです。
これが「SIMロック」です。キャリアが販売するSIMロックがかかった端末は、そのキャリアのSIMカードでしか通信できません。他キャリアのSIMカードを挿入しても使えないのは、SIMロックがかかっているからです。
例えば新しい魅力的なスマホが出ても、自分の利用しているキャリアで販売されなければ、使うことができません。SIMカードとSIMロックの仕組みというのは、キャリアが顧客を囲い込むことにも使えるわけです。
それはイカンということで登場したのが「SIMフリー」です。
↑上掲のピンのような工具を使うとSIMカードを取り出すことができます。
「SIMフリー」とは?
端末のSIMロックを解除すると、どのキャリアのSIMカードでも基本使えるようになります。これが「SIMフリー」な状態です。ですので、SIMフリーは、上記のとおり「どのキャリアのSIMカードでも使える携帯端末(スマートフォンorデバイス)」あるいは「SIMロックのかかっていない携帯端末」という意味になります。
――というわけで、携帯端末にSIMロックがかかっていなければ、通話料・データ通信料の安い通信事業者に乗り換えることがもっと簡単にできるわけです。
↑SIMカードを自分で取り替えることも可能です。
もともとSIMロックは、契約がなりすましで行われたり、盗難などによって契約者ではない人に使われたりするのを防ぐためのものだったのですが、通信費を下げる障壁になるということで、2021年10月から新しく販売される携帯端末ではSIMロックが原則禁止※になりました。
そのため現在では、例えばNTTドコモで端末を購入したとしても後で他の通信事業者のSIMカードを利用できるようになっています。
※原則であることに注意してください。また以前に販売されていた携帯端末ではSIMロックがかけられており、中古品としてそのまま販売されていることがあり得ます。
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「格安SIM」という選択がある
SIMフリーな端末の場合には、格安SIMと呼ばれる事業者のSIMカードを利用して月々の通信費を安く抑えることが可能です。
格安SIMとは?
移動体通信事業者(MNO)には、3大キャリア『ドコモ』『au』『ソフトバンク』に加え『楽天モバイル』があります(後述するオンライン専用ブランドもMNO)。
これに加えて現在では「MVNO」と呼ばれるジャンルの通信事業者が登場しています。
MVNOは、「Mobile Virtual Network Operator」の略で、日本語では「仮想移動体通信事業者」と訳されます。このMVNOは自社で独自の通信設備を持っておらず、キャリアの通信網を借りてサービスを提供しています。
これらの会社、あるいはこれらの会社が提供する通信サービスは「格安SIM」と呼ばれます。格安というのは、通話料金が3大キャリアより大幅に安いからです。格安SIMと呼ばれる通信事業者は多く、以下が主要なものになります。
『IIJmio』
『BIGLOBEモバイル』
『HISモバイル』
『J:COM MOBILE』
『LIBMO』
『mineo』
『NUROモバイル』
『OCN モバイル ONE』
『UQ mobile』(『au』のサブブランド)
『y.u mobile』
『イオンモバイル』
『エキサイトモバイル』
『QTモバイル』
『ワイモバイル』(『ソフトバンク』のサブブランド)
また、現在では3大キャリアも、ネットを利用して契約を簡便にしたブランドを提供するようになっています(オンライン専用ブランドと呼ばれます:これらはMNO)。
『ahamo』(『ドコモ』のオンライン専用ブランド)
『povo』(『au』のオンライン専用ブランド)
『LINEMO』(『ソフトバンク』のオンライン専用ブランド)
つまり、「格安SIM」と「SIMフリーな携帯端末」の組み合わせを利用者が自由に選択できるようになっている、というわけです。
解決!! 「SIMフリー」おどおど
注意していただきたいのは、「格安SIM + SIMフリーな携帯端末」の組み合わせで、安く通信ができるかもしれませんが、通信環境や通信量、サポートという面も考えて選択すべきという点です。安くてもつながらないなどということがあれば、元も子もありませんので。
文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部