落ち葉を活用した畑が地域と大学を繋ぐ!? 〜立命館大学の農業・園芸サークル 「きぬがさ農園 Kreis」の取り組み〜

立命館大学の農業・園芸サークル 「きぬがさ農園 Kreis」

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「落ち葉を捨てるなんてもったいない!」学生の一声から始まった農園サークル

「きぬがさ農園 Kreis(以下、Kreis)」は、京都にある立命館大学衣笠キャンパスを拠点とする、農業・園芸サークルです。

Kreisでは、腐葉土作りや農園運営を通じた、学内の資源循環システムの確立やSDGsの達成、さらに地域交流の促進を目指して活動をしています。

2019年の秋、当時1回生だった代表が大量の落ち葉を集める清掃員の姿を目にし、「自然界ではゴミでない落ち葉が廃棄されているなんて、もったいない!」と大学側に訴えたことを契機とし、2020年の春、大学職員と共に「きぬがさ農園」及びその運営を担うKreisが設立されました。以下では、Kreisが実践している3つの活動についてご紹介します。

トピックス(1) 腐葉土づくり

Kreisでは、落ち葉を焼却するのではなくCO₂排出と廃棄コストを削減する為、腐葉土として活用しています。

衣笠キャンパスでは、簡易堆肥器タヒロン(以下、タヒロン)を使用した腐葉土づくりを実践しています。まず、学内で集められたケヤキやクヌギ、コナラ、サクラなどの落ち葉をタヒロンの中に入れ、粉砕・攪拌します。その後、米糠や水を投入してかき混ぜ、タヒロンの上下をひっくり返す作業を月に1~4回ほど行い、半年から1年の間繰り返します。

はじめ、落ち葉は茶色で乾燥をしていますが、ミミズや糸状菌・放射菌の力を借りて分解や発酵が進むと、湿り気がでて黒っぽくなります。さらに腐敗が進むと、手で触るだけで崩れるほど葉が柔らかくなり、カブトムシを飼育する土のような匂いがしてきたら、腐葉土の完成です。

現在、衣笠キャンパス(きぬがさ農園を含む)には約100個のタヒロンが設置されています。開始から2年目の2021年度は、45Lのごみ袋に詰めると370袋分に相当する16,168Lの落ち葉を堆肥化することができました。

腐葉土化に成功した落ち葉は累計で29,168Lにのぼり、完成した腐葉土はきぬがさ農園の畑やキャンパスの植栽に使用しています。

トピックス(2) 農作物の栽培

きぬがさ農園では、畑に腐葉土を混ぜる土づくりの作業から作物の収穫まで、地域住民や学生・職員が協力して活動しています。

今年度は、ほうれん草や万願寺唐辛子、ミニトマト、さつまいも、九条ネギ、ミニ大根などを栽培し、総収穫量は約290kgを超え、豊作でした。

「安心して食べられる野菜を育てたい」という参加者の想いから、学生が毎日農園を訪れ、作物の観察をしたり、農業経験のある地域の方からアドバイスを受けたりしながら、可能な限り化学肥料や農薬に頼らない農業を実践しています。
収穫物は参加者に還元するだけでなく、日頃の感謝を込めて、近隣住民のお宅へも配りに行っています。

また、大学内での地産地消を目的とし、収穫した野菜の一部を大学食堂へ納品することで、期間限定メニューとして“きぬがさ農園産”の野菜を提供して頂いています。例えば、今年度では4種68.3kgの野菜を納品し、万願寺唐辛子は「万願寺唐辛子とじゃこの炒め煮」として、さつまいもは根だけでなく茎も「さつま芋のつるの甘辛煮」として提供されました。

“きぬがさ農園産”の野菜を使用したメニューは、累計3,181食販売され、全て完売しています。

トピックス(3) 書きそんじハガキ・キャンペーン

Kreisでは、農業以外の分野においてもSDGsの達成を目指す為、冬季に「書きそんじハガキ・キャンペーン」を行っています。

同キャンペーンはKreisが、「世界寺子屋運動」に賛同し、立命館大学の職員や地域住民から書き損じハガキ・未使用の切手などを収集して、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟に寄付をする活動です。毎年、年賀状シーズンに多くの書き損じハガキが出ることを見越して、冬休み前にキャンパスの各部署へ周知し、年明けに回収・集計を行っています。

昨年度は、試験的に衣笠キャンパスのみで行いましたが、今年度は立命館大学の4キャンパスで実施し、累計184,034円分=カンボジアで24人分の1年間の学費に相当する寄付を集めることができました。

サークル紹介

Kreisとは

Kreisは、きぬがさ農園を運営する立命館大学の農業・園芸サークルです。

主に、活動内容の考案や準備、農作物の水やり・観察、農園内外の美化などに取り組んでいます。
私たちはきぬがさ農園を地域交流の基盤とし、腐葉土づくりや農業を通じたSDGsの達成を目指しています!

メンバー紹介

立命館大学国際関係学部 阿部桃子

立命館大学国際関係学部 曽野部えみ

立命館大学国際関係学部 清野史織

立命館大学経営学部 大澤祐作

HP

きぬがさ農園Kreis公式ゲームアプリ「わたしのはたけ」

左から、Instagram、Twitter、Facebook

ロゴ

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立命館大学の農業・園芸サークル 「きぬがさ農園 Kreis」

立命館大学の農業・園芸サークル 「きぬがさ農園 Kreis」


主に、活動内容の考案や準備、農作物の水やり・観察、農園内外の美化などに取り組んでいます。
私たちはきぬがさ農園を地域交流の基盤とし、腐葉土づくりや農業を通じたSDGsの達成を目指しています!

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