きっかけは人それぞれ。全国の大学生が語る「私とSDGs」
新型コロナウイルスの影響で、サークルの新歓もままならない現在。さまざまな団体が、オンラインでの説明会や配信活動を行っています。しかし、どの団体に入ろうか悩んだまま6月を迎えてしまった1年生もいるかもしれません。そんな方は一度、SDGsに関する取り組みを行う学生団体に目を向けてみるのはいかがでしょうか? 実は、SDGsは私たちにとても身近なテーマなんです。
今回、立命館大学Sustainable Week実行委員会とマイナビ学生の窓口のコラボ企画を実施。SDGsの活動に取り組む全国各地の学生と、SDGsに興味のある学窓ラボメンバー(※)がオンラインディスカッションを行いました。授業では聞いたことあるけれど、学生にできる活動ってあるの? という人も、私たちにできる取り組みを一緒に考えてみましょう。
(※学生の窓口の運営を支え、一緒にメディア創りをしてくれる学生さんの総称)
立命館大学 Sustainable Week 実行委員会って?
SDGsの啓発・解決に取り組む立命館大学びわこ・くさつキャンパスでの活動を中心とした学生団体。メンバーには、「違う分野の人とのネットワークを広げたい!」「授業ではできない経験がしたい!」という思いから活動に参加しはじめたという人も多い。最近はリアルでのイベントができない代わりに、オンラインによるトークイベント「SWLIVE:サステナライブ」を定期的に実施している。
【公式HP】https://sustainableweek.org/
【トークメンバー7名のご紹介】
司会:中西優奈さん(立命館大学 4年生、Sustainable Week実行委員会所属)
今回はマイナビさんとのコラボで、SDGsについてあまり知らない学生もディスカッションに加わっていただけることになりました。同世代のみんながもっとSDGsに関心を持ってくれればうれしいです!
田中拓磨さん(立命館大学3年生、Sustainable Week実行委員会所属)
僕は、理工学部でアプリのサービス開発などをしていたときに『Sustainable Week実行委員会』を知りました! 自分の開発がSDGsにつながっていると気づいたのが、入会のきっかけです。
関根由夏さん(立命館アジア太平洋大学1年生、Sustainable Week実行委員会所属)
もともとSDGsに興味があって、大学ではSDGsに取り組む団体に入りたいと思っていました。高校で体験した貿易システムを学べるシミュレーションゲームの影響も大きいです!
西上知里さん(芝浦工業大学2年生、SDGs学生団体 -綾いと-所属)
SDGsは、大学に入るまで知りませんでした。入学後のガイダンスで、先輩たちが活動の紹介をしてくれて『私にもできることがあるんだ』と知って団体に入りました!
大野さくらさん(岡山大学3年生、岡大SDGsアンバサダー所属)
私は大学1年生の頃、世界中の学生がSDGsについて議論する『模擬国連』に参加しました。でも、自分の周りは「SDGsって何?」って声も多くて。まずは周知が必要だと思い、活動を始めました!
辻周悟さん(明治学院大学2年生、学窓ラボメンバー)
僕は今、インターン先で『SDGs×キャリア』のイベント企画に取り組んでいます。授業で扱われることもあり、もともと興味があったので、今回のトークイベントへの参加を決めました!
稲荷田佑香さん(津田塾大学3年生、学窓ラボメンバー)
就活の企業説明会などでも『SDGsに取り組む企業を選ぶといい』というのを耳にします。詳しい内容をよく知らないけれど、興味があるので参加してみました!
SDGs団体の活動から得たもの
団体に所属するみなさんは、SDGsの活動をしていて「よかった」と思ったことって何かありましたか?
視野が広がったことは大きいですね。いろんな学部の人と話すきっかけにもなったし、すごく貴重な話をいろんな人から聞けました。その経験はきっと、将来にもいい影響があると思います。
私たち芝浦工業大の学生は、立命館大の学生と一緒に『マイSDGs宣言』という活動をしています。これは、みなさんが普段取り組んでいるSDGsの活動をサイトに宣言してもらうんです。例えば、「子どもにもできる環境活動があると知ってほしい!」という宣言をもとに、実際に廃材やダンボールのゴミでキーホルダーや財布を作る環境教育イベントを実施しました。このときも、たくさんの子どもたちが参加してくれました。
SDGsをみんなに周知する、というのが私の目標ですが、やっぱり私たちも含め、楽しみながら学ぶことが大事だと思いますね。
SDGs、最初の一歩。どうやって踏み出す?
関根さんは新入生目線で見たとき、どんなきっかけがあれば活動に参加しやすいと思いますか?
SDGsが自分ごとにできる機会あったらいいな、と思います。一方的にSDGsについて講義されるだけでは、興味がない人は聞き流しがちですよね。だから、ディスカッションやプレゼン形式で議論すれば、よりSDGsを身近に感じてもらえると思っています。
関根さんがSDGsに興味を持つきっかけになった貿易システムを学べるシミュレーションゲームのように、何かとっかかりやすいものがあればいいですよね。
たしかに自分の好きなことをSDGsに結びつけられるといいかもしれないですね。僕の場合、自分が行っていたアプリのサービス開発とつながっていたことに気がついたので。広い視点でモノを見るきっかけになるし、人とのつながりも増えていきます。例えば理工学部の僕たちは、映像学部の学生とコラボして、共通の目標を持って取り組めるようになりました。
私たち学生ひとりひとりにできるSDGsの活動って、例えばどんなものがありますか? みなさんは企業とも一緒に取り組んだりしているんですか?
そうですね。岡山大は各学部棟の入り口にビニールの傘袋があるのですが、使い捨てにしているのがもったいなくて、解決策を考えました。今は傘のシェアリングサービスをやっている企業の方々に会いに行って、それを岡山大にも導入したいと話している最中です。
岡山大は、他にもいろいろな取り組みをしていますよね。
そうですね。『TFT(テーブルフォーツー)プロジェクト』も実施しています。発展途上国の子が飢餓で苦しんでいる一方で、先進国は肥満などの健康問題を抱えています。この食の不均衡を改善するために立ち上がったプロジェクトです。岡山大学で行っていたのは、食堂で対象のメニューを頼むと1食につき20円が発展途上国に寄付される仕組みです。
SDGsには17のゴールがありますが、学窓ラボのふたりは気になっている分野などはありますか?
僕が興味があるのは、17番の「パートナーシップ」ですね。インターン先でイベントを企画している中でも、SDGsという共通テーマがあることで、企業同士のパートナーシップが結びやすいと感じ、魅力的に思います。
私は話を聞いていて、食に関する項目に興味を持ちました。私の大学も『TFT』に取り組んでいて、私も無意識のうちにSDGsに取り組んでいたんだな、自分でも取り組みやすそうだな、って思いました。
▼トークの全容はYouTubeでチェック!
SDGsを通じた新たな“つながり”
最後に、今回のディスカッションを通して、みなさんが感じたことお伺いしたいと思います。
学窓ラボメンバーの方はSDGsのことを知らないと聞いていたのですが、ふたりとも結構詳しくてビックリしました。やっぱりSDGsに関わろうとする人って、意識が高かったりする人が多いのかなっていう印象を受けました。
他の団体がどんな活動をしているかも聞けたので、今後の活動の参考にしたいですね。今はオンラインでしか話ができないけど、いつか新型コロナウイルスが収束したら、一緒に何か企画したいな。
せっかくできたつながりなので、一緒にもっとおもしろい企画ができたらいいなと思いました。新入生やSDGsを知らない人も含めて、いろんな人の意見も聞けたのですごく有意義でした。
先輩方は、私には思いつかない活動や企画をされていることがわかったので、そういうところを吸収して、もっと自分の成長につなげていきたいなって思いました。
普段は東京の学生と接することが多いのですが、今回は関西や大分、岡山などの学生と交流してみて、SDGsに共感する人は日本中にいるんだなぁと思ったし、今後もこのつながりを大事にしたいです。
このような志の高い同世代の存在を知ることができたのが一番大きな成果でした。これからは自分なりにSDGsを広められたらいいな、と思っています。
SDGsに取り組み始めたきっかけは人ぞれぞれだけど、身近な課題から解決しよう、取り組む仲間を増やそう、という思いは一緒。これからもこういう企画を重ねて、いろんな学生に「自分も参加したいな」と思ってもらえるとうれしいですね。みなさん、今日はありがとうございました!
ありがとうございました!
▼トークの全容はYouTubeでチェック!
最後に、中西さんから読者のみなさんへのメッセージをいただきました。
2020年は、SDGs達成に向けた『行動の10年』のスタートと言われています。特に私たちの世代が何か行動していくことが、強く求められてくると思います。
私たち『立命館大学Sustainable Week 実行委員会』は、新しいことにチャレンジしたいと思った大学生・若者の思いを実現できるプラットフォームを目指しています。ぜひ一緒にSDGs達成に向けて身近なところから頑張りましょう!
このディスカッションを通し、全国各地の学生たちの間に新たなつながりが生まれました。これもSDGsがつないだひとつの縁。このように、さまざまな人との出会いやつながり自体が、SDGsの活動を通して得られるものの大切な一つなのかもしれません。一見高く見えていた参加のハードルも、蓋を開けてみたらとても身近なもの。関心を持ったら、まずはコンタクトを取ってみては? きっと楽しい出会いが待っているはずですよ。
文:猿川佑
写真提供:立命館大学Sustainable Week実行委員会
編集:マイナビ学生の窓口編集部
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