食、ファッション、住まい、旅行……影響は身近な生活にも! 大学生が気候変動に向き合うイベントに行ってみた

学生の窓口編集部

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毎年のように過去最高気温を更新する夏の猛暑、災害級のゲリラ豪雨など、気候変動は私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。こうした事態に対処しようと、国は2018年に「気候変動適応法」を施行。企業や自治体と協力し、さまざまな取組を実施しています。

その一環として2025219日(水)に東京都・渋谷で開催されたのが、大学生を対象にしたイベント1.5℃上昇の世界と私たち~気候危機時代にどう適応し、生きるのか~」。有識者が気候変動に関する最新情報や企業の取り組みをレクチャーするほか、大学生たちが若い世代に向けた適応策とそれを伝えるコミュニケーション方法を考えました。専門家も刺激を受けたという、大学生のアイデアとは? 本記事では、そんなイベント当日の様子を紹介します。

若い世代に期待することとは?

22名の大学生が参加した本イベント。春休み中の開催だったこともあり、首都圏外から参加した学生もいました。

イベントは二部構成で、第一部では気候変動に関する正しい知識や最新の情報をインプットします。そして第二部ではワークショップを実施。主体的に議論に参加し、疑問やアイデアをアウトプットすることで気候変動を「じぶんごと」として捉えます。 

第一部の冒頭では環境省 気候変動科学・適応室の菅原久吾さんと、環境省 デコ活応援隊(脱炭素ライフスタイル推進室)の竹満廉さんが講演を行いました。

気候変動への取組について、若い世代からの認知度が低いことに課題感を持っていると述べた菅原さん。

環境省 気候変動科学・適応室 菅原さん

政府では気候変動対策を「緩和」と「適応」の観点から推進しているものの、とくに適応に対する認知度が低いといいます。緩和とは温室効果ガス排出量を削減するための取組、そして適応は、避けられない変化に備えることで悪影響を軽減するための取組です。なぜ若い層の適応への認知度がアップしないのかを知るためにも力を貸してほしいと、大学生たちに訴えました。

竹満さんは「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」通称「デコ活」を解説。

環境省 デコ活応援隊(脱炭素ライフスタイル推進室) 竹満さん

大学生にとっても身近なファッションを例に、すぐに実践できる持続可能な消費の仕方を紹介しました。生産地に注目する、服を手放すときは燃えるゴミ以外の方法を探る……といった、サステナブルファッションの観点をレクチャー。また、こうした取組を支援するための補助金などを出していると伝えました。

就活やデートにも影響? 身近な生活と気候変動

続いては有識者の講演に耳を傾けます。

国立環境研究所の石崎紀子さんは、気候変動による影響があらゆる分野に及んでいることを、科学的な資料や図解を交えて紹介しました。

 ChatGPTで作成した恋愛ストーリーを、気候変動の観点から添削する珍しい試みも。たとえば「夏は青空の下、スイカ割りをする」という描写に、「真夏は外で遊べないほどの炎天下になっている可能性も」「スイカの収穫時期が年々早まっているので、夏の食べ物ではなくなるかも」などの指摘をしました。身近に感じる話を聞いて、気候変動はひとりひとりの生活にも無関係ではないのだと、大学生たちも危機感を募らせます。

国立環境研究所 石崎さん

JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)の三宅香さんは、企業における気候変動対策の重要性をレクチャーしました。大学生の関心が高い「就活における企業選び」にも、気候変動は関係していると語ります。「気候変動に関係のない企業はない。だからこそ、どのような姿勢でこの問題に取り組んでいるのか注目して企業選びをしてほしい」とメッセージを送りました。

JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)三宅さん

阪神園芸株式会社代表取締役社長の久保田晃司さんは、自社が取り組んできた「みどり」と「スポーツ」を通した豊かな社会作りについて講演。夏の猛暑は人工芝の素材を溶かしてしまうほど過酷になっていると、驚きの事実を口にしました。これに適応するため、貯めた雨水を利用して芝を冷やす「パーマヴォイドシステム」を紹介。スポーツだけでなく、街路樹などまちの景観作りにも役立つ可能性があると述べました。

阪神園芸株式会社代表取締役社長 久保田さん

大学生たちがディスカッション! 4つのテーマで適応策を考える

イベント第二部では大学生が5~6名のグループに分かれてディスカッションを実施。第一部で知った情報をもとに、食、ファッション、住まい、旅行の4つの観点で、若者向けの適応策とそれを伝えるためのコミュニケーション方法をセットで考えます。

ときには思いついたことをふせんに書き、ボードに貼り付けて共有しあう場面も。そもそもなぜ伝わっていないのか? 現状の課題や、若者への効果的なコミュニケーション手法などを掘り下げていました。

有識者も各グループを回り、学生からの質問に答えます。社会人顔負けの鋭い質問も飛び交っており、専門家にとっても発見のあるディスカッションになっていました。

「今すぐ実践してほしいものばかり」専門家をうならせた大学生のアイデア

イベントの締めくくりは、各グループからの発表です。

食をテーマにしたAチームは、気候変動によって食べ物の旬が変化していることに注目。旬の食材カレンダーを配布し、自炊をする大学生や子育て中の親に興味を持ってもらおうと提案しました。旬の食材は価格が安くなることや、味がおいしくなることも伝えつつ、気候変動による食材の旬の変化を知ってもらい、新たな「旬」の食品の購買を促進するとともに、実際に食材を消費することで気候と食の関係性への理解を深めてもらうことを目指すとのことでした。

Bチームはファッションをテーマにした適応策として、複数の大学で服のフリーマーケットを行うUNISWAPを提案。学生同士で服を交換したり、SNSで共通のハッシュタグを付けて盛り上げたりと、楽しみながら持続可能なライフスタイルを実践でき、なおかつ環境配慮型のファッションが自然と日常に根付くことが期待される実践的な案を発表していました。

Cチームのテーマは住まい。ディスカッション中に緩和策は思いつくものの、適応策のアイデアが出なかったことに課題を感じていました。そこで大学と行政が連携し、「暮らしの中で実践できる適応策」に関するオンライン授業を実施することを提案。これが単位や資格として認められれば就活にも役立つため、大学生のモチベーションが上がるのでは、と紹介しました。

旅行をテーマにしたDチームのアイデアは、春のサークル合宿で「クリーン旅行」を体験すること。CO2排出量の少ない移動手段を選んだり、自然に親しんだりするクリーン旅行を大学生に広め、気候変動に適応するきっかけにしようと提案します。また、大学生が参加しやすいよう、協賛金などを活用して旅行のコストを下げるといった現実的な側面も考慮していました。

発表を聞いた国立環境研究所の石崎さんは「どのキャンペーンも今すぐに実施してほしいほどだった」とコメント。学生たちのアイデアに刺激を受けたと、感想を語りました。 

最後に閉会のあいさつとして、環境省 気候変動科学・適応室の安陪達哉さんが本イベントを振り返ります。熱心に取り組んだ大学生たちへの感謝を述べ、「このイベントをきっかけに気候変動や環境に関心を持ち、ぜひ周りの人にも伝えていってほしい」とメッセージを送りました。

環境省 気候変動科学・適応室 安陪さん

気候変動を正しく知り、行動に移そう

「気候変動に適応しないと今までの楽しみがなくなってしまうと危機感を抱いた」「緩和策については考えたことがあったものの、適応に注目すると新たな視点に気づけた」など、感想を語っていた大学生たち。新たな知見や観点など、得るものの多い1日となったようです。

 誰にとっても他人事ではないほど、生活のあらゆる場面に影響を与える気候変動。もっと知りたい、できることから取り組みたい、と思った方は、ぜひ環境省のサイトをチェックしてみてください!

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