理科教育を通してSDGsを! 〜岐阜聖徳学園大学 教育学部 理科専修 理科教育学ゼミ(寺田ゼミ)の卒論の取り組み〜
テーマ設定から学会発表までの卒業研究
わたしたちの卒業研究はSDGsそのもの!
岐阜聖徳学園大学の理科教育学ゼミの卒業研究は、個人個人1年以上かけてテーマを決めていきます。
卒業研究で「探究」し、理科教育を通して教育課題を中心としながらも社会的な問題とつながりを持ちながら解決しようとしています。わたしたちの先輩達も、同じように理科教育を通してジェンダー、環境、健康やインクルーシブ教育などに取り組み研究してきました。
わたしたちはSDGsを意識して研究を始めるのではなく、研究を通して明らかにしたいこととSDGsとのつながりを捉えその達成に向けて研究を発展させたいと考えています。
ここからはSDGsとつながるわたしたち4年生の卒業研究の一部をご紹介します。
卒論とSDGs
卒論テーマ: 理科教育とジェンダー
私は「理科教育とジェンダー」について研究しています。これらのテーマは本ゼミの先輩方も既に研究しています。高校の文理コース選択において、女子が理系を選択する割合は、男子に対して低いです。女子が理系を選択しないのは、理科が苦手という理由が多く、このような消極的な理由で、文系に進む女子生徒を減らしたいという願いのもと研究をしています。
研究を進めていくと、女子生徒の理科離れは中学校第2学年の「電気の働き」の単元で顕著に表れ、また女子生徒は美的に観賞可能な実験に対して高い関心があることが分かりました。このタイミングで、美的に観賞可能な実験を行い、女子生徒の理科離れを止めるための教材研究を現在は行っています。この研究により、文理コース選択を積極的に行えるようになれば、職業選択の幅も広がり、性差によらずすべての人が活躍できる社会に少しでも貢献できるのではないかと考えています。
卒論テーマ:身近な洗剤で海の豊を守ろう!
私は一人暮らしをする中で洗い物をする時、洗剤や水を大量に使ってしまうという生活をしていました。地球にも財布にもエコな方法はないかと調べた際、重曹やクエン酸などを使う方法があると知りました。これはSDGsの17のゴールの一つである「海の豊かさを守ろう」につながるのではないかと思いテーマを設定しました。
本研究では、重曹やクエン酸などで、汚れが落ちる仕組みを科学的な表現と日常的に使われる表現との往来をしながら考えること、説明を行う対象によって説明内容を変えることを行います。現象を多角的に考えることで日常的な考えと科学的概念がつながり、理解が進むことを明らかにしていきます。一般的な合成洗剤以外の方法を知ることで、水資源を持続可能なものにしていくための行動を考えるきっかけになればと思っています。
卒論テーマ:メタ認知能力を育成し、生涯にわたって学び続ける力を子どもたちに
私は卒業研究として、理科におけるメタ認知能力の育成を目指した振り返り活動について研究しています。メタ認知能力とは、自分自身の行動や思考を客観的に認知する能力のことを指します。学んだことや疑問を、小集団で対話しながら振り返る活動や、それを自分の言葉でまとめる活動を通して、子どもたちの自己評価力の向上や科学概念の構築、学習意欲の向上に繋げていきたいと考えています。
一人一人が学んだことを自分の知識や経験と繋げ、新たな疑問を持つことで、より一人一人に合った質の高い学びができるよう環境を整えることや義務教育が終了した後でも、一生に渡って学び続ける習慣を子どもたちに身に付けさせることは、SDGsの「質の高い教育をみんなに」という開発目標に繋がるのではないかと思います。これから子どもたちの教育に関わる一人として、子どもたちが質の高い教育を受けられるよう、指導方法の研究に努めていきたいです。
ゼミ紹介
「岐阜聖徳学園大学教育学部理科専修理科教育学ゼミGSSE」とは
わたしたち「岐阜聖徳学園大学教育学部理科専修理科教育学ゼミGSSE」は,探究の過程を大切にして,卒論テーマを個人個人が関心のあることを学び1年以上かけて決めていきます。そして,それをゼミ生と協働し研究し解決して日本理科教育学会で発表しています。先輩の中には査読付き論文に採択された方も多々いらっしゃいます。本ゼミの卒業生のほとんどが教員になり,各地で活躍しています。
メンバー紹介
岐阜聖徳学園大学 教育学部 池戸 あや
岐阜聖徳学園大学 教育学部 曽我 皐介
岐阜聖徳学園大学 教育学部 関 朱音
岐阜聖徳学園大学 教育学部 辻村 雅也
岐阜聖徳学園大学 教育学部 辻村 雅也
HP
岐阜聖徳学園大学教育学部 理科専修 理科教育 寺田光宏 研究室
告知
是非一緒に学び研究しましょう。
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