大学生・企業・行政の連携によるSDGsの新規事業 提案+卒業研究 中部大学ESDエコマネーチーム

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「将来企業でSDGsの仕事がしたい」
「卒業研究でSDGsのこと取り上げたい」
 
 企業のニーズや卒業研究を知りたいという大学生はたくさんいます。今回は、かがやけ☆あいちサスティナ研究所で愛知県の研究員として企業支援を行い、卒業論文を作成した中部大学ESDエコマネーチームの細川泰誠さん、永田悠真さん、石上智裕さん、川口賢吾さん、本田翼さんにお話をうかがいました。

文:中部大学ESDエコマネーチーム
  編集:学生の窓口編集部

中部大学ESDエコマネーチーム

細川泰誠さん

永田悠真さん

石上智裕さん

川口賢吾さん

本田翼さん

企業のSDGs新規事業提案

――かがやけ☆あいちサスティナ研究所とは何ですか?

細川さん:愛知県で未来の担い手となる大学生がグローバルな視点を持ち、継続的にエコアクションを実施することを目的に2015年から大学生向きの人づくりプロジェクトとして推進している活動です。この活動を通して愛知県は、サスティナ研究所の研究員として毎年公募で選ばれた大学生が企業に対して事業提案することで産学連携を推進しています。 中部大学ESDエコマネーチームは研究員として毎年参画するとともに、卒業論文につなげて研究をしています。

かがやけ☆あいちサスティナ研究所

トヨタ車体株式会社

細川さん:トヨタ車体から与えられた課題は「多様な主体と連携した環境活動の普及策を検討せよ」です。実施内容としては、現状把握のためのデータの照らし合わせや、企業が環境活動する上での障壁を知るためのヒアリング調査、実際の環境活動やイベントへのスタッフでの参加、外来種の駆除等のフィールドワークを行いました。

■ふれ愛パーク見学

■外来種カメの駆除体験

細川さん:成果として、「人材」と「時間」の障壁を解決するための仕組みを提案しました。新たな学生団体が環境活動のシェアサイトの運営、企業に代わって行うイベントの運営、映像を用いて広報活動を支援することです。SDGsの学びとしては、産官学民の連携を考えることで17番、環境活動やフィールドワークに参加することで13番14番15番を学びました。この活動を通して行動に移すことが重要だと教わりました。

東レ株式会社

永田さん:東レから与えられた課題は「東レのSDGsの取組みを子ども達に楽しく伝える授業を検討せよ」です。授業内容を提案するに当たり、東レの事業内容やCSR活動について説明を受け知識を蓄えました。加えて、東レが地域の小中学校を対象に行っている理科実験教室を体験しました。これらのことを活かしつつ、東レが行っているリサイクル活動に焦点を当て、授業のテーマを「ペットボトルの正しいリサイクル方法」に決定し、授業構成を学生4名で作成しました。授業は、東レの説明、環境問題、実験、まとめの4部構成です。実験を体験してもらうことで、楽しく学んでもらおうと考えました。授業内容を考えるに当たって、SDGsの4番、東レのリサイクル活動やペットボトルに関する環境問題を学ぶことで12番、14番を特に学びました。

■理科実験体験

■授業計画会議

株式会社サーラコーポレーション

石上さん:SALAから与えられた課題は「サーラの環境にやさしいエネルギーをPRする体験型プログラムを検討せよ」です。我々は暮らしと共にあるSALAのコンセプトを活かし、住宅と関連させてエネルギーをPRするプログラムを提案しました。プログラムではタブレット端末を持ってサーラプラザ(ショールーム)内をまわり、環境に関するクイズに答えてゆきます。そしてクイズへの解答で手に入るゲーム内のアイテムから自分が想像する環境に優しい家を作り、その後、出来た家を参加者同士で評価し合う流れとなっています。これらの提案をつくる中では、学習に関わるSDGsの4番、エネルギーに関わる7番を中心に学び、SDGsの全般を学びました。また、それにより自分自身のエネルギーの使い方を見直すことが出来たと感じます。

成果発表 チーム・サーラ

■企画討論会

■サーラプラザ見学

吉本興業株式会社

川口さん:吉本興業から与えられた課題は「2030年を笑顔であふれる世界に!サスティナブルな地元の魅力を発信せよ」です。サスティナブルな魅力とは何かを考えるに当たり、吉本興業の事業内容やSDGsに対する取り組みについて説明を受け知識を蓄えました。また、東海地区で活動する芸人さんにインタビューをしたり、テレビ番組制作の裏側を見学したり、他にも貴重な体験をしました。これらの学びを活かし、吉本興業が行っている様々な普及啓発活動に焦点を当て、より多くの人に知ってもらうため、「SDGsハッシンカー」を提案しました。芸人さんが車で移動しながら地域で取り組んでいるSDGsを発信することによって、普及啓発しつつ、地域に笑顔を届けます。 

成果発表 チーム・よしもと東海

■名古屋よしもと芸人へのインタビュー

■SDGsハッシンカーのイメージ図

株式会社メニコン

本田さん:メニコンから与えられた課題は「人にも動物にも環境にも優しい施策を検討せよ」です。私たちは「災害時にも五感で「みえる喜び」を提供 “メル助セット”で被災者支援」といった提案を行いました。提案を行う過程で、災害時だからこそメニコンの使命としている「見える喜び」を視力だけでなく、五感で感じることのできる喜びを提供するという結論になりました。企業研究の過程で、メニコンは人・動物・環境に優しい様々な取り組みを行っている事がわかりました。メニコンから与えられた課題を解決していく中で、環境問題、貧困問題などの社会問題について学び、持続可能な社会を作くるために必要なSDGsについて学ぶことができました。また、チーム一丸となって課題に真摯に取り組む中で様々な価値観を知ることができ成長することができました。

成果発表・メニコン(※本田さんの参加は2019年度)

■成果発表会風景

卒業論文

トヨタ車体+卒論

細川さん:サスティナ研究所ではリーダーであったことから、卒業論文では、企業への調査依頼やアポ取りをスムーズに行うことができました。また、生物多様性の保全が主な活動であったことから、企業の森を研究しました。

東レ+卒論

永田さん:サスティナ研究所の活動を活かし、卒業論文のテーマを繊維業界とマイクロプラスチック問題・海洋プラスチック問題としました。問題解決のために企業の立場、消費者の立場からそれぞれ何ができるのか考察しました。

SALA+卒論

石上さん:今回の経験を活かしてエネルギーについて卒業論文を作成しました。環境に優しいエネルギーの分析をし、今後どのようなエネルギーが期待されるか、どのように環境に優しい社会を形成してゆくべきか検討しました。

吉本興業+卒論

川口さん:サスティナ研究所での経験を活かすために、卒業論文のテーマを「吉本興業から見るSDGs普及啓発」としました。普及啓発活動の現状を分析し、問題解決の方法を考え、まとめました。

メニコン+卒論

本田さん:私はサスティナ研究所での経験を活かして、メニコンを事例にして卒論を書きました。消費者でもある私の視点からメニコンを社会面、環境面、経済面の3側面からCSV(共通価値の創造)の観点からメニコンの分析を行いました。コンタクトレンズ業界が抱える社会問題を解決するのと同時に企業価値を創出するためにはどうすればよいのか提案を行うことで自分のまとめとしました。

大学生で学んだことをどう活かすか

2つのチームのリーダー経験から

細川さん:行動に移すことの大切さや難しさを特に学びました。行動に移すことの難しさを知ったことは、今後の人生の中で役立つと考えています。さらに、1年間2つのチームのリーダーとして活動したことから、これらを活かし、新卒の身でありながらも委縮せず、集団の中で発言すること、率先してやることで信頼や実績につなげていきたいです。

標準化・SDGsの知識と行動する力

永田さん:チーム活動を通して、「標準化・SDGs」に関する知識や自分で考え、行動する力が身につきました。私の就職する企業も2020年からSDGsに関する取組みを本格的に行っています。就職後は、SDGsに関する知識をより深め、何ができるのかを考え、行動に移していきたいと考えています。近年SDGsはニュースやCMで取り上げられており認知度が高くなっていると考えています。しかしながら、実際に目標達成のために行動を起こしている人は少ないと思います。より多くの人が行動に移せるようにサポートする取組みに活かしていきたいと考えています。

わたしとSDGs

石上さん:SDGsや環境について学びを深めてきたことから、就職活動の際にも企業の社会貢献の取り組みには注目していました。就職後もSDGsへの取り組みは積極的に行いたいと考えています。今後は今までと異なる環境に身を置くため、取り組む内容は今までとは違った事が増えてくると思います。これまでの経験を活かし、持続可能な社会の形成に向けて社会貢献を続けていきたいと考えています。

「やり遂げることの大切さ」から

川口さん:この活動を通して「やり遂げることの大切さ」を学びました。同じ目標に向かってチームで協力をし、最後まで諦めずにやり遂げることによって、忍耐力やチームワークの大切さを知りました。また、地域のイベント出展などの課外活動では、事前準備の大切さを学び、非常時の対応力を身につけました。これらの活動からは、SDGsへの取り組み、それ以外の分野でも将来へと役立てる知識・経験を得ることが出来ました。持続可能な社会を育むことについて学生のうちに学び、発信する側に立てたことは素晴らしい経験でした。今後はチーム活動で得た知識や経験を地域社会で発信していくことによって、SDGsを達成できるような未来に向けた活動をしていきたいと考えております。

出来ることを考えて行動する

本田さん:私たちひとりひとりができることを考え行動していくことが大切だと思います。将来の地球や環境のために身近なところからやれることはたくさんあります。私自身これからもやっていきたいです。

チームプロフィール

中部大学ESDエコマネーチーム

環境・社会・経済のサステナビリティの重要性を認識しながら、ESD(持続可能な開発目標のための教育)活動を行う学生団体。2009年に設立し、SDGsの分野の国際標準化に焦点をあてた教材開発や産学官民連携など、SDGs達成を目指して多岐に渡る活動を実施している。

ホームページ

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『中部大学ESDエコマネーチーム 問い合わせ先』
chubu_esd_team@yahoo.co.jp


『連絡先』
〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200番地
中部大学 経営情報学部 伊藤佳世研究室

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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