大学生になると、旅行や留学で海外に行く機会があるでしょう。海外に行くにはパスポートが必須ですが、もし外国にいる間にパスポートを紛失してしまったら、どうすればいいかご存じでしょうか？ 今回は、「海外でのパスポート紛失」という万が一の事態が起こってもおどおどせずに済むよう、対応方法をまとめます。

すみやかに失効手続きをするべし

パスポートは世界で通用する身分証明書です。国外に滞在する際は証明書として携帯する必要（国によってはコピーでも可）があり、所持していない場合は処罰を受けることもあります。また、第三者の手に渡った場合、悪用される可能性があります。大前提として、紛失してしまわないよう、海外に滞在中は厳重に管理することが求められます。

それでも、不注意など何らかの理由でなくしてしまう可能性はゼロではありません。その際は、悪用されないよう「失効手続き」をする必要があります。失効手続きは、現地の在外公館（日本大使館・総領事館）で行えます。手続きに必要な書類をそろえ、在外公館に行きましょう。

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失効手続きで必要な書類は？

失効手続きを行う際に必要な書類は以下のとおりです。

●紛失一般旅券等届出書
届出書はダウンロードするか、在外公館に備え付けのものに記入します。

●紛失を立証する書類
現地の警察に紛失した旨を申告し、紛失したことを立証する書類を発行してもらいます。焼失した場合は、消防署の発行した罹災証明書が必要です。現地機関で発行してもらえない場合は、在外公館に相談しましょう。

●顔写真
6カ月以内に撮影された顔写真（縦45ミリメートル×横35ミリメートル）

●本人確認書類（必要に応じ）
本人確認や国籍確認ができるものが必要です。

これらの書類を在外公館に提出することで「紛失（焼失）届出」が行え、パスポートの失効ができます。同手続きは、代理は認められず、必ず本人が在外公館に行き、手続きをしないといけません。

海外でパスポートを再発行するには？

パスポートの失効手続きをすると、出入国ができなくなります。つまり日本に帰国できなくなるため、パスポートを申請するか、「帰国のための渡航書」を申請する必要があります。

新たなパスポートを申請する場合に必要な書類

・一般旅券発給申請書（10年用または5年用）
・6カ月以内に発行された戸籍謄本（原本）
・6カ月以内に撮影された顔写真（縦45ミリメートル×横35ミリメートル）
・発行手数料（10年(18歳以上)1万6,000円相当、5年(12歳以上)1万1,000円相当、5年(12歳未満)6,000円相当）

「帰国のための渡航書」を申請する場合に必要な書類

・渡航書発給申請書 1通
・6カ月以内に発行された戸籍謄本（原本）または日本国籍があることを確認できる書類
・6カ月以内に撮影された顔写真（縦45ミリメートル×横35ミリメートル）
・その他、帰国日程などが確認できる書類
・発行手数料（2,500円相当）

パスポートは発給までに1週間ほど必要ですが、在外公館にIC旅券作成機が設置されていない場合は、発行までに1カ月ほど要します。一方、「帰国のための渡航書」はパスポートよりは短い期間で発行されます。早く帰国したい場合は「帰国のための渡航書」の申請を行いましょう。

発行・申請で注意したいのが「戸籍謄本（原本）」が必要なことです。所持していない場合は、日本から取り寄せることになります。自治体に請求して郵送してもらう、家族などに代理で取得してもらい送ってもらう、などの方法があります。しかし、いずれにしても手元に届くまで時間がかかります。海外に行く際は、万が一に備えて最新の戸籍謄本を携行することも一案です。

解決!!「海外でのパスポート紛失」おどおど

海外でパスポートを紛失してしまった場合の対応方法をご紹介しました。申請の流れや必要な書類はもちろん、再発行などの手続きで「戸籍謄本」が必要になることも覚えておきましょう。万が一の事態が起こっても、スムーズに対応できるはずです。外務省のホームページでは、今回紹介したパスポート紛失をはじめ、海外渡航時のトラブルへの対処法を紹介しています。旅行や留学で海外に行く際は目を通しておくといいですね。

文：大西トタン＠ｄｃｐ
編集：マイナビ学生の窓口編集部
協力：外務省

参考：『外務省 海外安全ホームページ』「パスポートについて」
https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/passport.html

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