福島の“今”と“未来”を知ろう - 『福島、その先の環境へ。』ツアー2023に密着した!

学生の窓口編集部

PR 提供:環境省
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暑さがまだまだおさまらない9月初旬。大学生が考案した、とある2泊3日のツアーが開催されました。その名も、『福島、その先の環境へ。』ツアー2023。福島の復興と環境再生について深く学べるよう、3つのコースが用意されており、学生たちは自分の興味・関心のあるコースに参加しました。(若手社会人が考案した1泊2日の3ツアーも同時実施)

今回は、マイナビ学生の窓口編集部もこのツアーに同行! 全国各地から集まった83名の参加者はどんなことを学んだのか? ツアーの様子や巡ったスポットについて紹介していきます。

『福島、その先の環境へ。』ツアー2023とは

今年6月に開催された「『福島、その先の環境へ。』次世代会議」に参加した学生が、福島の課題や問題を自分ごととして捉え、今年は、「地域・まちづくり」「福島の食」「新産業・新技術」の3つのテーマをもとに訪問先を選定して企画したツアーです。

『福島、その先の環境へ。』ツアー2023についてはこちら

INDEX:

1. 学生が考案! 3つのコースの気になる行先とは?
2.ピックアップ! 福島の現在と未来を理解するために知っておいてほしいスポット
3. 何を知って、何を感じた? 座談会で3日間を振り返り!
4. 現地で知る福島の今と未来

学生が考案!
3つのコースの気になる行先とは?

学生が考案したツアーは福島をテーマに沿って理解できるよう、構成されています。ここでは、コースごとに気になる行先について紹介していきます。

環境再生×地域・まちづくり
「地域の声に寄り添う」

メディアでなかなか報道されることがない、福島で実際に暮らす方々のリアルな声を聞き、福島の過去と未来を知るコース。

環境再生×福島の食
「つくる」から「たべる」まで

震災で被害を受けた農家の方や、震災後に福島に移住して事業に取り組む方の話を聞き、生産・消費がどのように復興していったかについて学ぶコース。

環境再生×新産業・新技術
「一次」×「二次」福島から全国へ

新技術(二次産業)を使った農業(一次産業)の生産現場などを訪問し、産業のかけ算で発展を続ける“新しい福島”に出会うコース

また、このツアー終了後には参加者が全員集まり、2泊3日の間に学んだことを話し合う座談会が実施されるというスケジュール。ツアー中は座談会に向けて、参加者みんながそれぞれの場所で感じたことや福島に住んでいる人や環境省の担当者から聞いた話を一生懸命メモにとる姿が見受けられました。

『福島、その先の環境へ。』ツアー2023についてはこちら

ピックアップ!
福島の現在と未来を理解するために知っておいてほしいスポット

今回のツアーで、学生とともに編集部が訪れたスポットは10カ所。そのどれもが、福島の現状とこれからを理解するには欠かせません。ここからはそのスポットがどのような施設なのかをはじめ、ツアーで巡った学生の様子や筆者が現場で感じた思いを紹介していきます。

福島の“現在”や除去土壌などの課題について理解を深めるスポット

中間貯蔵施設

福島県内の除染で発生した土壌や廃棄物を最終処分するまでの間、安全かつ集中的に貯蔵されている施設。福島第一原子力発電所を取り囲む形で、大熊町、双葉町に整備されていて、全体の面積は約16平方キロメートル。東京ドームの約340倍の広さです。今回のツアーでは、敷地内をバスで巡っていきました。土壌を中間貯蔵するために、これほどの規模の土地と施設が必要なのか、そして、以前はここに多くの人が住んでいたのか……と、目の前の光景に息を呑みました。

中間貯蔵施設内での作業の様子

津波により被害を受けたヒラメ種苗生産施設

敷地内には、特別養護老人ホームや半壊した公民館、ヒラメの養殖場など、被害を受けた建物が震災時のまま残されています。老人ホームは作りが頑丈だったため倒壊していないものの、施設内のベッドや椅子、備品などの乱れた様子から、地震と津波がいかに甚大な被害をもたらしたのかがわかります。参加した学生たちも通りすぎていく風景を、目を凝らして見ていました。

半壊した建物の様子

途中バスを降車し、現地の状況を実際に見る時間も。第一原子力発電所を見渡せる高台に立つと、中間貯蔵施設の広さが一望できました。

高台からの様子

土壌貯蔵施設では、実際に土の空間線量率の度数を測りながら、スタッフの方のお話を聞くことに。一見学生たちが立っている土地も奥に見える林も何も異常がなく見えますが、場所によって空間線量率は変化します。学生たちは興味深そうに度数を測ったり、スタッフの人たちと積極的にコミュニケーションをとっていました。

土壌貯蔵施設では、実際の空間線量率を測りました

施設内の見学中、スタッフから、「中間貯蔵施設は、この土地の地権者の方々の協力があってこそ開設できました。代々受け継いできた大切な土地を提供してもらえなければ、復興の第一歩は踏み出せなかった」というお話を伺いました。地権者の皆さんの、復興にかける決意と覚悟が強く伝わってきました。

東日本大震災・原子力災害伝承館

地震、津波、原子力事故発生当時やその後についての映像や資料、証言、事故調査の記録などが克明に展示されている資料館。

東日本大震災・原子力災害伝承館

展示物は、津波により漂着したランドセル、第一原発の爆発を報道する新聞、ペットの飼い主を探すチラシ、家畜の安楽死を知らせる記事、あらゆる分野への風評を伝える資料など、多岐に渡ります。実際に被災した人のメッセージのコーナーでは、当時小学6年生だった女子高生が「請戸地区が存在していたことを伝えていきたい」と話す映像も。この動画を見た参加者の女子学生さんは、涙をこぼしていました。全員が展示に真剣なまなざしを向け、福島の経験と教訓、そして未来へのメッセージを静かに受け止めていたのです。

震災当時から復興の流れを紹介するパネルやシアターでは約5分にまとめた映像など閲覧することができました
双葉町

2022年8月に帰宅困難区域の一部が解除された双葉町では、新しく整備されたJR双葉駅と、駅の西側に新設された、緑と木のぬくもりが漂う町営住宅「えきにし住宅」を見学しました。

JR双葉駅とえきにし住宅。震災当時駅に設置してあった時計は、地震の時刻で止まっていました

そして、将来的には震災遺構として活用の検討がされている双葉南小学校へ。ふだんは公開されていない、震災時のままの校舎内を見学しました。教室にはランドセルや学用品が散乱し、下足箱には運動靴が残されていて……。地震発生時、生徒たちは何も持たずに避難し、その後、原発事故により町内に避難指示が出た影響もあり、この学校に戻ることは許されなかったのです。

小学校のなかは、ほとんどそのままに。

教室の黒板の日付は、3月11日。6年生の教室には「卒業まであと8日」「今日は卒業式の練習があるので 大きな声で歌おう」という文字があり、子どもたちが、卒業式を迎えることなく町を出たという事実に胸が締めつけられました。

黒板には、当時の日付が。職員室(右)も倒れたコップや乱れた机など当時の様子がリアルに伺えるようでした
飯舘村長泥地区環境再生事業エリア

農業の再生を図るため、除去土壌の再生利用実証事業を行っている飯舘村長泥地区を訪れました。ここでは、まず、除去土壌の放射能濃度を確認したうえで、異物などを取り除き資材化しているという、再生資材化の仕組みを教わりました。

その後、再生資材を盛土として使用することで造成した、農用地を2カ所見学。枝豆を栽培する工区と、生花を育てるビニールハウスです。こちらで育てられた花は、今年5月、広島サミットの会場で飾られたとか。地元住民の方々も栽培作業を行っていると聞き、皆さんのひたむきな思いが伝わってきました。

富岡町

今年4月に避難指示がようやく解除され、居住が可能な「特定復興再生拠点区域」となった富岡町。ツアーバスで進んでいくとメガソーラー太陽光パネルがずらりと並んでいる様子が拝見でき、その景色は圧巻。福島の持続的に発展可能な社会づくりへの取り組みを垣間見ることができました。また、JR夜ノ森駅近くの桜並木通りは浜通り有数の観光スポットで、この春、待望の桜祭りを開催。交通規制がかかるほどたくさんの人が訪れたそう!

毎年4月上旬~中旬に、この景観を楽しめます

『福島、その先の環境へ。』ツアー2023についてはこちら

福島の“新”について理解を深めるスポット

バイオマスレジン福島

福島県浜通り浪江町の耕作放棄地で作付けしたお米を原料に、レジ袋などになるバイオマスプラスチックのライスレジン®を製造しています。この製造を通じて、被災地の産業と雇用の創出に力を入れています。

実際に工場も見学させていただきました
浅野撚糸フタバスーパーゼロミル

特許技術の糸SUPER ZERO®を製造しその糸で織られたタオルを販売する浅野撚糸株式会社が、双葉町の復興と発展の一翼として今年4月にオープンさせた、新工場&新観光スポット。「人が来て、この町で働く人が増えて初めて復興と言える」とおっしゃるのは、福島大学卒の同社社長。館内にはショップやカフェもあり、ショップには通販で話題になったSUPER ZERO®使用のタオルも並んでいました。

施設内には、浅野撚糸株式会社の今までの軌跡がわかる年表も
大熊町

UR都市機構が運営する、復興のお手伝いスポット「KUMA・PRE」を訪問後、大熊町役場と役場周辺の交流施設、新しい公営住宅が並ぶエリアを散策しました。今年開校された大熊町立の学校「学び舎 ゆめの森」の校舎はあまりにもオシャレで、参加者からは「こういう学校に通いたい!」と声があがったほど。また、この日は役場前でお祭りも行われていました。広場中央に設置された櫓を囲みながら、○×大会お囃子体験が行われ、地元の人たちの笑顔で溢れていました。出店では、定番のメニューはもちろん、ガチャガチャや輪投げゲームも遊ぶことができました。

「KUMA・PRE」

整備された住宅や「学び舎 ゆめの森」を見た学生は思わず羨ましいとの声をあげていました

学生たちも短い時間ながら、お祭りを楽しんだようでした
トロピカルフルーツミュージアム

「震災と原発事故後の農業と地域再生」に向けて、栽培が難しいバナナ作りへの挑戦を始めた施設。優しい味わいの、農薬不使用の国産バナナ「綺麗」をいただきました。バナナのジュースやシェイクも美味!

美味しそうにバナナをほおばる学生たち。実際に植えてあるバナナを初めて見た学生も多かったようで目を輝かせていました。
ヨノモリデニム

アメリカから輸入している廃棄寸前のデニムを、リメークデニムやグッズとして蘇らせ販売しているショップ。富岡町夜ノ森地区出身の店長さんは、もとは東京の大手アパレルショップで店長を務めていた経験も。「町の存続のため、若い世代に足を運んでもらいたい。被災地でやれるんだという成功事例を作りたいです」と、熱い思いを語って下さいました。

ショップで制作していたアートに学生がひと手間加えている様子も。

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何を知って、何を感じた?
座談会で3日間を振り返り!

ツアーの締めくくりには、若手社会人が考案した1泊2日コースに参加していた方々も合流し、総勢162名で座談会を実施! 18のグループに分かれ、「全国の若者に伝えるべき福島のこと」をテーマに語り合いました。会場には、福島の復興活動に携わる有識者の方々とともに、タレントのIMALUさんもゲストとして登場。中間貯蔵施設や双葉南小学校、飯舘村長泥地区などを訪問したというIMALUさんは、「現場を見て衝撃を受けました。自分にも何かできないか? と思いました」とスピーチし、学生さんたちの座談会にも参加。

テーブルで繰り広げられる「伝承館は行ったほうがいい。涙が止まらなかった」「復興に向けて行動している人の話は、聞いていて明るい気持ちになった」「また訪れて、5年後はどうなっているのかを見たい」などの熱意あるやりとりに感銘を受けていました。

座談会の最後は、5つのグループが、テーマのまとめを壇上で発表。「福島への偏見の理由はメディアの影響もあるのでは。メディアが正しい情報をどれだけ伝えるかが大事」「新しく立ち上がったハイテク企業に驚かされた」「今後は福島のことをVR教育で伝えてはどう?」「福島に修学旅行に行くのがいい」などの思いが次々と語られ、会場は、閉会の時間ぎりぎりまで熱気に満ちていました。

現地で知る福島の今と未来

2泊3日のツアーで福島への理解を深め、さらに、座談会を通して様々な意見をヒアリングできた皆さんは、福島の問題や課題をあらゆる視点から考えられたようです。「参加しなければ、どれだけ大変なことが起きたのかをわからないまま年齢を重ねたはず」と、ツアーに参加したことの意義深さを語る学生さんもいました。

東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から、12年。福島の復興と環境再生は進み続けていきます。今この記事を読んでいるあなたも、これをきっかけに、福島について調べてみてはいかがでしょうか。

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提供:環境省

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