Social Innovation by ICT and Yourself 〜地域と協働した先に、実践的な取り組みを 矢野研究室の取り組み〜

神戸情報大学院大学 矢野研究室

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自ら課題を見つけ、行政とも連携

神戸情報大学院大学(KIC)は、

1.社会の課題をICTと人間力によって解決できる人材を育成する

2.人とテクノロジーが調和することで持続発展可能な未来社会を創造する

3.国際社会が目指すSDGsと日本が目指すSociety5.0の実現に全学をあげて取り組む

という3つのSDGsビジョンの下、学生たちはSDGsの実現に貢献し得る研究活動を行っています。

その中で私たち「矢野研究室」は、兵庫県の神河町をフィールドとして地域創生に取り組んでいます。神河町は兵庫県下で最小人口の自治体で、皆さんが思い描く全国の地方の実情が当てはまる地域です。神戸情報大学院大学とは双方の資源を有効に活用するため、包括連携協定を結んでいます。

矢野研究室のメンバーは、神河町でそれぞれ異なる課題を設定し、この1年間で「神河版MaaS」「インフォメーション・シェア・スタンド」「最適な地方移住のための情報支援ツール」という3つのプロジェクトを進めてきました。

これまでの取り組みの中で、神河町役場や神河町観光協会との協働も実現しており、地元広報誌を利用したアンケート調査やフィールド検証、また神河町の小中学生との国際交流プログラムの共催などで助力いただいています。

トピックス(1) 神河版MaaS

MaaSとは「Mobility as a Service」の略で、個別の移動ニーズに対して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービス(レンタサイクル・カーシェア等)を最適に組み合わせて、検索・予約・決済等を一括で行うサービスとされています。

フィールド調査の結果、公共交通の利用者が減少していることにより、町の公共交通に対する委託費用負担が増えているということと、観光客が利用しやすい交通手段が少なく、観光推進の一つの足かせになっていることが分かりました。

神河版MaaSとして、既存の地図ナビゲーションのように、出発地と経由地・目的地を最短・最安・最楽等の条件で移動するものではなく、神河町の主要な交通要所から観光客の属性を鑑みて、「このような移動をしながら観光すると、楽しく神河町のいいところを感じながら移動できる」という価値創造をしていきたいと取り組んでいます。

  すでにプロトタイプは実装し、インターネットで公開しています(https://maas.kamikawa-kic.com/)。また、神河町役場や観光協会の協力の下、神河町の主要な観光地において、観光客の方々に実装した機能に対する評価をアンケートで収集しました。その結果、利用できる移動手段が選べ、その移動を楽しみながら神河町の他の観光スポットや飲食店が周れる機能が評価され、45%の方が「大いに有用」50%の方が「有用」とご回答を頂きました。

トピックス(2) インフォメーション・シェア・スタンド

本研究実行メンバーの出身地は中国で、毎年深刻な洪水被害を受けており、ICTを使用した洪水問題の解決を所望しています。

研究活動の中で、神河町は被災経験が少ないものの、万が一の対策を取ることと、平常時には観光を促進するシステムの必要性を確認しました。

そこで、万一の災害対策にも活用ができ、平常時には観光客への神河町の観光に関する情報提供をし、さらに観光客から収集したデータを利用して、観光政策の改善に役立てるICTシステムを、「インフォメーション・シェア・スタンド」と名付けて開発しています。

町内各所に設置するインフォメーション・シェア・スタンドからは、矢野研究室のメンバーが制作したウェブアプリケーションなどと連携し、観光客に観光情報を提供し、また観光客からは履歴情報を取得して将来的な観光施策の提案材料とする方針です。

研究期間と資源の制約から、現在はソフトウェアに限定して実装を行っていますが、考案中のシステムでは、独立したハードウェアによって、太陽光パネルから電力を蓄積することと災害時には蓄積された電力を用いた避難情報の提供も行うことを視野に入れています。

本研究も、神河町の観光客に対して、プロトタイプを使った検証を行い、利用満足度や更なる改善点の確認をしました。

トピックス(3)最適な地方移住のための情報収集支援ツール

都市部の人口集中によるリスクが叫ばれる中、地域創生にとって重要な若年層の多くが都市部に出ている現状があります。神河町でも転出者の77%が若年層だという統計があります。

しかし、地方に移住したとしても、挫折して移住に失敗する人がおり、挫折の原因の1位が仕事や給料、2位が交通の便、3位が人付き合いだということが分かりました。

そこで、実行メンバーにとって経験のある地方での人付き合いに焦点を絞り、若年層が移住後に挫折せずに、それぞれにとって最適な地方移住を実現するための情報支援ツールの実装・検証をすることにしました。

まず行ったことは、情報発信内容の選定のため、神河町役場と連携し、在住移住者に対してアンケートで移住前後の変化などを尋ねることです。

そして、プロトタイプを制作し、インターネットで公開(https://kamikawa-kic.com/migration)、移住にあたって参考になるかどうかの確認のため、対象者からのアンケートを集めました。

  その結果、プロトタイプで掲載した情報は、80%近くの人が「参考になる」と回答してくださいました。

研究室紹介

矢野研究室とは

私たち矢野研究室は、神河町をモデルに、ICTを活用したPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)として、所属メンバーそれぞれが発見した社会課題に対し、皆がフィールド調査→仮説→解決策の提案→実践→検証という、神戸情報大学院大学発の「探究実践」のプロセスを行っています。

神河町をフィールドとして学生が一丸となって取り組むため、同町に関わる学生が意見を出し合って2030年の独自のビジョンを描きました。取り組む課題はメンバーごとに違っていても、目指すビジョンを共有、ビジョン実現のために、メンバーそれぞれが探究実践を繰り返しています。

メンバー紹介

神戸情報大学院大学 情報技術研究科 情報システム専攻 井上泰佑

神戸情報大学院大学 情報技術研究科 情報システム専攻 任雄威

神戸情報大学院大学 情報技術研究科 情報システム専攻 金田真幸

URL

1.神河町と神戸情報大学院大学の地域包括連携のポータルサイト

2.KIC 公式 HP

3.トモ先生のデジタルエコノミー・チャンネル

4.KIC公式Youtubeチャンネル

5.KIC公式FaceBook

6.KIC公式Twitter

告知

3月にサテライトラボのオープンイベントなどを予定していますので、詳しくは上記のURLにて発信します!また、現在、2022年4月・10月入学の学生を募集しています。詳しくはオープンキャンパス個別相談にご参加ください。

神戸情報大学院大学の矢野研究室で一緒にICTによる社会課題解決に挑戦しませんか?

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