エッセイコンテスト「#Z世代の目線から」8月期の結果発表!キーワードは“夏のある日”
→7月のコンテスト、キーワード"うみ"の結果はこちら。
8月期「エッセイコンテスト」の選考が終了しました!
今回は夏休み特別号として2ヶ月間にわたり実施。8月分は“夏のある日”がキーワードでした。
学生の皆さんが教えてくれる“夏のある日”は、どれも眩しくて、ユニークで、個性溢れるものばかり。じっくりと楽しませていただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました!選ばれた優秀作品1作品と、入選作品5作品をご紹介します。
企画協力:田中青紗(たなか あさ)
テレビ番組制作会社勤務からフリーライターへ転身。現在は、取材・コラム・短編小説を中心に執筆中。過去にマイナビ学生の窓口にて短編小説を掲載。
2021年には、LivingAnywhere Commons×新しい働き方LAB 創作コンテストの企画・運営・審査員を務める。
note:https://note.com/tanakaasa_life
優秀作品:『光の1日』/著者:えりりん さん
高校最後の夏休み、普通ならどう過ごすのだろうか。大学受験に向けた天王山を迎えたところ?制服を着て青春を謳歌しているところ?世間にとって、「高校三年生」の夏休みのイメージはこんなところだろう。...... |
著者:えりりん さん |
学校・学年:慶應義塾湘南藤沢高等部 3年 |
著者コメント:「人生一不毛な夏休み」を壊してくれた、運命のターニングポイントとなった1日です。この出会いを胸に刻んで生きていきます! |
【あらすじ】
高校三年生の夏。最後の夏休みなのに毎日だらけて、なんとなく一日が過ぎていく。そんな自分を変えたいと思うものの、変えられない自分にやりきれない気持ちが募る。しかし8月のある日、夏休みが一気に輝き出すようなターニングポイントが訪れる。
【田中青紗からのコメント】
日々のモチベーションを変え、将来に大きな影響を与えた“あの場所”でのひとときは、筆者にとって非常に大切な一日だったのだと、文章から感じ取れました。学生生活のほとんどをコロナ禍で過ごされたかと思います。制限が続く中、自分の夢や目標に向かって進む姿に勇気をいただきました!「学生生活を頑張る希望は、未来の自分を見ることなのかもしれない。」という表現は、多くの学生さんが励まされるのではないでしょうか。
入選作品(応募順に掲載)
入選作品1:『バスタ新宿24時10分』/著者:おもち さん
帰省する日の午前中はそわそわする。帰省する日の午後はもっとそわそわする。午前も午後もそわそわするって、一体いつ帰るというのだ、と思われたあなたはその通りだ。私はだいたいいつも「24時」を過ぎてから帰省するのだ。だから正確には午前も午後も過ぎてしまっている。...... |
著者:おもち さん |
学校・学年:法政大学 2年 |
著者コメント:ちょうど今年の夏に、実家に帰省したときのことをエッセイにしました。夜行バスにロマンを感じているのは私だけではないと思うので、これを読んで共感してくれる方がいたら嬉しいです! |
【あらすじ】
帰省するときにはいつも夜行バスを利用している筆者。夜行バスならではの不思議な魅力を常々感じているという。高速バス乗り場である「バスタ新宿」から仙台へ向かう旅路は、電車でも新幹線でも飛行機でも感じられない、ロマンが詰まっている。
【田中青紗からのコメント】
「分かるなあ」と共感しながら読みました。夜に各地へ散っていき、狭い車内を一人で過ごし、サービスエリアで降り立って見た夜の景色など、夜行バスはなぜかどの交通機関よりもエモーショナルな気持ちになりやすいと感じます。シーンがイメージしやすい作品でした。
入選作品2:『花火』/著者: ゆうしょう さん
夏のある日、高校一年生。川沿いの花火大会。同じクラスの彼女を駅で待つ僕。生まれて初めて出来た彼女。緊張。周りは浴衣に身を包んだ男女でいっぱいだった。僕は持っていなかったので、洋服を着ていた。...... |
著者:ゆうしょう さん |
学校・学年:中央大学 4年 |
note:sskyh_aaiuo |
著者コメント:夏になると色々思い出しちゃいますね。 |
【あらすじ】
初めてできた彼女と花火大会デート。浴衣姿で現れた彼女が非常に「かわいかった」という筆者。しかし緊張のせいか本人に「かわいい」と伝えられないままで……。ラストシーンを誰かと一緒に話したくなる作品。
【田中青紗からのコメント】
学生らしい甘酸っぱさを感じました。実はこちらの作品、編集部でラストシーンについて二つの考察が出て盛り上がりました(笑)。長らく「“かわいい”」が言えなかった筆者が最後に「“可愛い”」と伝えたのは、<1>最初の恋を乗り越えられたから(“かわいい”と言えなかったことを諦められた)、<2>最初の彼女をまだ引きずっているから(最初の彼女を超えられる人がいない)のどちらでしょうか。さまざまな角度から楽しませていただきました!
入選作品3:『断捨離』/著者:豆桜 さん
夏のある日、ふと部屋の様子が気になった。今後使うことのない大学入試関連の参考書、いつか使うかもしれないと思い何年もの間、収納スペースの奥にある小物、思い出として残してある写真やコレクションなどがたくさんあった。部屋が過去のまま止まっていたのだ。...... |
著者:豆桜 さん |
学校・学年:東邦大学 2年 |
著者コメント:断捨離をしたら、部屋だけでなく自分の心もすっきりしました。断捨離をして感じたことを文字に書き留めて自分の思考も整理したいと思い、今回応募しました。 |
【あらすじ】
ふとしたときに「断捨離をしよう」と部屋を片付け始めた。もう使わない参考書、写真、コレクションしていた小物類を思い切って捨てていく。テキパキと手放していく中で、モノや情報、人間関係など“持つ”ことについて考える。
【田中青紗からのコメント】
夏休みに片付けや大掃除をしたという学生さんも多いと思います。何気ない一コマですが、「リアルな“夏のある日”だな」と感じました。部屋を片付けたことでの、新しい発見や心境の変化に、読んでいる私もスッキリとした気持ちになりました。
入選作品4:『爽や夏ーさわやかー』/著者:木島幸太郎 さん
2日降った雨が止み、雲の隙間から陽がさしこんできた。遮光でない白いカーテンがボヤッとひかりを放つ。その光のせいか、日頃からの早起きの習慣か、何の予定もない土曜日なのに、私は朝6時に目が覚めた。...... |
著者:木島幸太郎 さん |
学校・学年:熊本大学 4年 |
著者コメント:夏の昼間は暑くて苦手な人は多いと思いますが、爽やかな夏の朝は、嫌いな人は少ないと思います。私も夏の朝が好きで、至福の時間を丁寧に表現してみました。 |
【あらすじ】
6時台に目が覚めた。2日間雨が降ったあとの休日は青空で、洗濯機をたくさん回そうと決意する筆者。朝のひとときを丁寧に綴った作品と思いきや……?オチに思わず笑ってしまった作品。
【田中青紗からのコメント】
ラストの一行に笑ってしまいました!夏は洗濯物がよく乾き、何回も洗濯機を回したくなることに強く共感します。暑くて爽やかな夏の朝の様子がイメージできて「次の週末の朝はどんなふうに過ごそうかな」と、考えながら読ませていただきました。
入選作品5:『夏の残香』/著者:久保獎太朗 さん
数年ぶりに友人に会うた。遠く離れた地で彼女は暮らす。私の下宿先であり、彼女の帰省先でもある大阪で落ち合うこととなった。その日は彼女が帰省している最終日でもあったから、私との待ち合わせ場所に現れた彼女は、白地に朱色でロゴが刻まれたブランドの紙袋を携えていた。...... |
著者:久保獎太朗 さん |
学校・学年:大阪医科薬科大学 3年 |
著者コメント:夏は楽しむべきものだと思い、実際に楽しんでいる友人を見て羨みますが、どうにも不器用で友人のようには楽しめそうにない。それでも、変わりたいと願い成長する心理過程を感じ取っていただきたいです。 |
【あらすじ】
世の大学生は夏休みを謳歌しているというのに、不器用な性格のせいか、夏を楽しめていない筆者。投げやりに過ごしていたある日、数年ぶりに友人と会う。久しぶりに会った彼女は夏の思い出をたくさん持っていて……。
【田中青紗からのコメント】
友人との再会をきっかけに、不器用な主人公に少しだけ変化が訪れる。読み終わったあとに、“私”のこれからを自然と想像してしまいました。素敵な表現と共にじっくりと楽しみたい作品です。
総評
今回もたくさんのご応募ありがとうございました!
どの作品もキーワードからの連想性やメッセージ性が強かったです。一口に“夏のある日”といっても、さまざまな切り口からの作品が集まり、今回も非常に楽しませていただきました。
回を重ねるごとに、どんどん選考が難しくなっているなあ……と感じています(嬉しい悲鳴!)
エッセイコンテストでは連想性や文章の表現力だけではなく、何よりも学生の皆さんが感じた気持ち、出来事にも注目しています。ぜひこれからも、今の皆さんだからこそ感じた空気感を発信していただけたら嬉しいです。
「#Z世代の目線から」は引き続き毎月継続中です!現在は冬が近づいてきた今“ほっとするもの”をキーワードにエッセイを募集しています。(11/30締め切り)こちらも挑戦してみてくださいね。?
あなたもエッセイを書いてみませんか?11月のキーワードは“ほっとするもの”
紹介作品
惜しくも選考に漏れた作品たちも一部紹介。入選作以外もぜひ楽しんで見てくださいね。