和紙の可能性を探究する ~龍谷大学公認サークル「和処-なごみどころ-」の活動~
和紙の文化を絶やさないために活動する「和処-なごみどころ-」とは
みなさんの普段の生活の中で、和紙を見ることはあるでしょうか。障子や襖などのインテリア、習字で使う半紙、和傘などに和紙は使われていましたが、現代ではなかなか見かけるものではなくなってしまいました。また和紙を生産している職人は高齢化が進み、地域によっては和紙漉きの文化が絶えてしまったところもあります。
私たちは和紙の可能性を広げ、和紙の魅力を発信することで、新たな和紙の活躍の場を創り出し、和紙をみなさんの身近な存在にすることで、和紙と和紙がもたらす文化を守りたいと考えています。
ここからは私たちが行っている活動を紹介します。
原料の『栽培』
和紙の繊維はコウゾなどの植物の繊維です。これらの植物の繊維を粘り気のある水に入れて、繊維をまとめることで和紙を漉くことができるようになります。そして粘り気を出すのに、オクラ科のトロロアオイの根が使われています。
しかし現在、トロロアオイの栽培現場では高齢化が進んでいて生産量は減少しています。また和紙漉きに使うトロロアオイは根を太くするため、花を全て摘むため翌年に蒔く種子を取ることができず、根を栽培する畑と種子を取る畑を分けて栽培する必要があるため、農家さんの負担が大きくなります。
そこで私たちは栽培現場の負担を減らすため、トロロアオイを栽培し種子を収穫し、産地に送ることを目標に栽培プロジェクトを始めました。加えてコウゾの栽培にも挑戦し、サークルで栽培した原料だけで和紙を漉くことを目標にしています。
産地の『訪問・交流』
和紙の産地は全国に広がっており、それぞれの地域に根ざした和紙文化を形成しています。私たちは多くの産地を訪れて各地の職人と関わることで、産地間の実情や製法の違いを学んでいます。また、手漉きの紙の生産地は日本国内に限りません。
2019年は、本学の留学生に通訳をしてもらい、韓国の伝統的な手漉き紙、韓紙(ハンジ)の産地を訪れ、交流活動を行いました。
手漉き和紙の『体験』
私たちは福井県越前市の柳瀬良三製紙所を訪れ、同製紙場が行っている紙漉きインストラクター講座を受講しました。また滞在中には和紙漉き体験だけでなく、現地のさまざまな場所で動画を撮影しました。
今後はこれらの動画を編集して映像を制作し、映像の発信を通して、活動の幅を広げていく予定です。
生の声を『発信』
これらの活動で得た経験や、生産現場で得られた声をSNSを通して発信しています。これはより多くの人に和紙に興味を持ってもらうだけでなく、なかなか世の中に出ることのない現場の様子を発信することで、私たちだけでなく職人達にも新しい発見を見つけてもらうことを目標にしています。
サークル紹介
龍谷大学公認サークル「和処-なごみどころ-」とは
和処-なごみどころ-は2020年度に龍谷大学の公認サークルとして、新たな船出を迎えました。これまでは小規模なグループとしてさまざまな和紙産地と交流してSNSで発信していましたが、これからは学祭などを通して本学生にも発信できるように活動の幅を広げていきます。
メンバー紹介
龍谷大学 農学部 岩井 拓巳
龍谷大学 農学部 森 朱里
HP
Instagram: 和処-なごみどころ-
Twitter: 和処-なごみどころ-
告知
本サークルの活動が2020年度龍谷チャレンジに採択されました。
提携企業様
柳瀬良三製紙所:https://washi.website/
サークルロゴ
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