【外食チェーン「うな丼」ランキング2024】専門家に聞いた! 今年食べるべき外食チェーンの「うな丼」は? 3位は『すき家』、2位は『オリジン』、1位は…? #あつまれ!_おどおど学生。

この季節になると、なぜか無性に「うなぎ」が食べたくなってきますよね?
今年は、夏の土用期間に2度(7月24日(水)と8月5日(月))丑の日がやってくるということで、夏の暑さも相まって8月5日の2回目の土用の丑の日(二の丑)に「うなぎ」を食べようと、例年以上の盛り上がりを見せているようです。
最近では学生でも手が届く「外食チェーンのうな丼」が話題になっています。
そこで今回、「外食チェーンのうな丼チェック2024」実行委員長の中西さんに今年の「うな丼」事情について聞いてきました!
―今年の「外食チェーンのうな丼チェック2024」の結果は?
2024年夏の評価対象としたのは、回転寿司チェーンでは『くら寿司』、牛丼チェーンである『すき家』と『松屋』に『吉野家』、ファミリーレストランからは『ガスト』、持ち帰り弁当チェーンでは『キッチンオリジン』の6ブランドです。
選んでいる基準としては、全国展開している飲食ブランドで、毎年7月の土用の丑の日期間に「うな丼(うな重)」を1,000円前後の価格でメニューとして提供している外食(中食)チェーンから、実行委員会が6月に事前審査で食べた中から、美味しいと判断した店です。
今年の総合第1位は『ガスト』

「うな丼チェック」では採点項目を分けているんですが、「蒲焼き」の項目で「炭火焼き」を導入した『ガスト』が最も高い点数を獲得して、結果的に今年の総合第1位になりました!
今年から「炭火焼き」をはじめた『くら寿司』も、これまでよりも「蒲焼き」の項目で点数が20点以上アップして、総合点では第3位とわずか1点差で4位に。評価員の総評でも昨年よりも明らかに味が美味しくなったという意見が出たくらい。一方で、昨年1位の『松屋』が5位となり、各社のこの1年の企業努力が凄まじくて、非常にレベルの高い戦いになりました。
毎回、「うな丼チェック」の評価員には、外食チェーンのうな丼の特徴や製法などは全く伝えず、どこの会社(ブランド)であるかは分からないようにしてブラインドテストで食べ比べてもらうのです。うなぎのプロたちが「炭火焼き」による味の違いを感じ取ったという点で、改めて鰻専門店の店主や料理長の味覚の鋭さに驚きました。同時に、うなぎのプロを評価員にすることで、評価の客観性が保たれているのだと再確認しました。
―今年の「外食チェーンのうな丼」のトレンドは?
昨年は「4度焼き」、今年は更に「炭火焼き」が加わりパワーアップ!
昨年のトレンドは、通常よりも1回以上多く焼く「4度焼き」でした。この「4度焼き」をはじめた『松屋』が昨年の「外食チェーンのうな丼チェック2023(以下「うな丼チェック」に省略)」では1位になりました。
今年は「4度焼き」のチェーン店が一気に増えました。通常は電気やガスで4回焼くのですが、4回の中に「炭火焼き」が入ったのが2024年のトレンドと言えますね。
今大会の評価員たち。左から渡部さん、長谷川さん、そして評価委員長の山崎さん
―ノミネートされてない外食チェーンについても教えてください
よくYouTubeのうな丼食べ比べで紹介されているチェーン店として『なか卯』がありますが、我々の方針で運営会社が同じ場合は、どれか一つのブランドに絞ると決めているため、『なか卯』は『すき家』と同じゼンショーホールディングスが運営していることから、比較対象から外しています。
また、全国展開していて1,000円前後でうな丼を提供しているチェーン店はほかにもあるのですが、現状では東京都心に店舗がないお店は、うな丼チェックでは審査対象になっていません。
この他、提供時期の関係で7月初旬に開催する評価会で食べ比べできないというケースも残念ながらあります。
―その他、注目している「外食チェーンのうな丼」の動向は?
最近では、立ち食いソバチェーンなどでもうな丼を取り扱う会社が増えてきています。近年急増している『丼丸』や『魚丼』などの丼専門チェーンでもうな丼をメニューに入れているのは実行委員会でも認識しています。
また、近年うなぎの専門チェーンの躍進が凄まじい勢いになっています。
2022年9月に一号店が神奈川県横浜市にオープンした『鰻の成瀬』は、一気に全国に広がり、2年弱で店舗数を190店近くまで増やしています。また、関東だけで店舗展開していたうなぎの専門チェーンの『名代宇奈とと』もコロナ禍の時期に、テイクアウトメニューとしてうな丼の提供をはじめて、焼き鳥居酒屋チェーンのオオギヤと提携してからは両ブランドの名前を併記するダブルネーム店舗を開店させたことで、一気に『名代宇奈とと』のうな丼が全国での販売に広がりました。
今後もうな丼チェックの対象に入る可能性のあるチェーン店を常に見落とさないように注目していきたいと思います。
―「外食チェーンのうな丼チェック2024」の反響はどうでしたか?
昨年までの実績がありましたので、今年も評価結果を発表した後は、Facebookの鰻愛好会グループにも投稿されて沢山コメントが入ったり、Xでもリポストされたり、例年以上に盛り上がったと思います。
うな丼チェックを始めた趣旨は、まさに学生などの若者世代にうなぎを食べて貰いたいということで、気軽な値段で深夜でも、夏場以外でも食べられる外食チェーンを対象にして、色々な嗜好にあうようにと考えて評価を始めました。
開催当初から蒲焼きの重さを量ったり、大きさが分かるように曲尺(さしがね:字型の定規)を置いて撮影したり、ボリューム感があるうなぎの蒲焼きならどのチェーンで食べれば良いかを具体的に数字で示し、価格も記入することで、若者でも気軽に食べられることを提示していました。味に関しては、評価員をうなぎのプロに限定したこと、更にブラインドテストにしていることで、評価結果の客観性や公平性が信頼され、多くの方々から反響を得ているのだと考えています。
もともとランキングをすることが目的では無かったにも関わらず、結果を発表すると土用の丑の日には、第1位に輝いたチェーン店のうな丼を食べたというコメントも多く見られました。またSNSの投稿によると、今年の土用の丑の日には『ガスト』の一部の店舗ではうな丼が売り切れになっていたそうで、昨年も1位だった『松屋』の一部店舗でうな丼が売り切れていたという投稿もあり、外食チェーンの売上にも影響を及ぼしているという点では、反響は年々大きくなっているように感じています。
―学生読者に向けて、チェーン店のうな丼の”推し“ポイントは?
『すき家』と『松屋』では「牛丼」と一緒に盛った「うな牛」がメニュー化されていますので、ぜひ試してもらいたいですね。両社ともうなぎが分厚くて大きいサイズを使っていますから食べ応えがありますよ。
でも、実は別の意味でも注目してほしいことがあるんです。それは、牛丼で使っているタレとうな丼で使うタレは、両社ともそれぞれ別の味なのですが、丼でタレを合わせても違和感なく食べられるということに気がついて欲しいのです。
つまり、『すき家』と『松屋』ではうな丼のタレを、牛丼のタレに合わせても違和感がないようにベースの味を揃えているのです。
通常、うな丼のタレにはうなぎ特有の川魚を焼いた香り成分が入っているため、うなぎ専門店でもうな丼に牛肉を盛り付けたりはしていません。そういった意味で『すき家』と『松屋』では「うな牛」を食べて、牛丼と合わせても美味しく開発されているタレを感じ取ってもらえると良いかと思います。食に関心がある学生さんなら、『吉野家』ではうな重と別皿の牛丼のアタマを一緒に食べて、タレの違和感という意味をご自身の味覚で感じて貰えると嬉しいです。
―最後に、気が早いですが2025年のトレンドはどうなりそうですか?
一昨年は蒲焼きの大型化がトレンドで、昨年は4度焼きがトレンドでした。今年のトレンドは「炭焼き」でしたが、これらの傾向を分析すると、チェーン店の目指しているうな丼の方向性としてはうなぎ専門店の味に近づけていくことだと私は捉えています。外食チェーンでもうなぎの加工工場での工程で、うなぎ専門店で行っている調理方法を導入して、年々うな丼の味が進化しています。
オートメーション化された加工工程にもかかわらず、今年は「炭火焼き」まで導入しているわけですから、それを超えるような味わいを出していくのなら、うなぎ専門店でも使っている本みりんや高級醤油を使うようにして、タレの味に深みを増すような工夫をしてくるような予感がしています。
もう一方の方向性としては、他社との競争の中でうな丼価格を安くしていく、或いは更に大きな蒲焼きを提供して多くの来店を狙うというのもあると思います。ちょっと専門的になりますが、現在蒲焼きで使われているのはニホンウナギ(ジャポニカ種)という種類ですが、取引価格が安いアメリカウナギ(ロストラータ種)に切り替えるという方向性です。
どちらにしても、一般消費者からすると、嬉しい選択になります。土用の丑の日にうな丼が売れれば売れる程、多くの外食チェーンでうな丼のメニュー化が進み、既にメニューとして提供している外食チェーンは、味やボリュームをより高めて他社との競争に負けないようにしないといけないわけです。
今年はうなぎ専門チェーンの台頭もありましたから、外食チェーンの商品開発部門では2025年の土用の丑の日に向けて、既に動き出しているのは間違いないです。
―中西さんありがとうございました!
8月5日の土用の丑の日に外食チェーンのうな丼を食べてみたいと思います。
教えてくれたのはこの人!
Profile
中西純一(なかにしじゅんいち)
食クリエイター/ジャーナリスト/編集者
中西純一
兵庫県姫路市出身。鰻と丼の情報発信サイト『うなぎ_STYLE』を編集長として立ち上げ、鰻丼から始まった日本の伝統食文化である「丼(Donburi)」を取材し、『日本流行丼(りゅうこうどん)大賞』(共催:東京新聞、後援:農林水産省)選考委員会の選考委員長として2023年まで活動。
2024年からは恒健社の書籍編集部編集長として、健康と食に関する書籍発刊を予定している。一般社団法人未来社会共創センター ライフスタイル事業部門「食と環境の未来戦略研究班」統括研究員。研究テーマは「食の規準と評価方法」。東京農業大学農学部卒。
恒健社 https://gokensha.com/archives/1752
編集・文:マイナビ学生の窓口編集部
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