高校生が考える「AIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」とは? 小池知事と議論

2025年12月、東京都庁第1庁舎・大会議場(東京都新宿区)にて、AIなどのデジタル技術を活用した施策や東京の未来について、高校生と東京都の小池知事が意見を交わすイベントが開催されました。プレゼンターを務めたのは、都内の高等学校4校に通う12名の生徒たち。それぞれの思いから生まれた「未来の東京」のビジョンとは、一体、どのようなものなのでしょうか?
高校生がデジタル技術を活用したアイデアを小池知事にプレゼンテーション!
今回のイベントは、都民の提言を知事が直接聞いて意見を交わす『知事と議論する会』の第4回として開催されたもの。テーマは「AIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」で、応募のあった11校の中から4校が選ばれ、小池知事にプレゼンテーションを行いました。
イベント冒頭では、若い世代を対象に実施したアンケート「あなたの思い描くAIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」の結果を発表。中学生から30歳未満の方々から寄せられた1,000件以上の回答の一部を紹介しました。
「車が空を飛び、渋滞がない街」「いつでもどこでも自分に合った学習サポート」など、ワクワクする意見も多数。「皆さんの思いを大切にしながら政策を磨き上げていきたい」と、小池知事からご発言がありました。

そしていよいよ、プレゼンテーションのスタートです。最初に登場したのは、「23区ではなく、市町村や島しょ部に目を向けた」という都⽴新宿山吹高等学校。メンバーのひとりが持っていたというARグラスにヒントを得て、新しい観光スタイルを提案。小池知事は「すごく発想が豊か。東京の楽しみ方が広がる可能性を感じさせてくれました」と感想を述べていました。
東京都では都心部はもちろん、多摩地域や島しょ地域の魅力を国内外に向けて発信しており、「DESTINATION TOKYO TAMA」や「DESTINATION TOKYO ISLAND」といった観光情報サイトも開設しています。

続いては、メンバー2人ともが家族の海外駐在に帯同した経験をもつ渋谷教育学園渋谷高等学校。現地で生活の基盤を整えるために奔走していた親御さんの姿を見ていたからこそ生まれた、外国人駐在員の方々の生活をサポートするアイデアです。
行政サービスへアプリひとつでつながる「東京アプリ」からインスピレーションを得たという内容に、「多言語対応はAIとの親和性が高いですね」と、小池知事。「東京が世界でのプレゼンスを高めるということは、日本全体の発展にもつながると思います。国際性に優れた、素晴らしい提案ですね」と続けていました。

三番手の東京電機大学高等学校は、大雨などで排水路や下水道が処理しきれずに浸水する「内水氾濫」が題材。「自分が好きなまちづくりにAIをどう活かせるか」という発想から浸水が発生する確率を予測する仕組みを考え、実際に使う水検知器を手に語りました。
小池知事からは、「治水は江戸時代から都市づくりの柱。100年先も安心な東京づくりに向けた素晴らしい提案、参考にさせていただきます」との感想が。あわせて、増水した水を貯める地下調節池の存在や、水位変動を予測して水門操作をサポートするAIといった、東京都のさまざまな浸水対策についても話題が及びました。

最後となるのは、東京学芸大学附属国際中等教育学校。高齢の家族を亡くした経験をもつメンバーが、高齢者の孤立を課題と考え、ナマケモノをモチーフにしたAIロボット「もの助」の提案に至ったそうです。ChatGPTで生成したというもの助のイメージ画像の愛らしさに、会場は和やかなムードに包まれました。
小池知事も高い関心を寄せ、「イチ押しの機能は?」と尋ねる一幕も。メンバーから「AIのアルゴリズムを利用して、それぞれの人に合ったコミュニケーションが取れる点」との回答があると「高齢者の方の心理をきちんと読み取り、対応してくれるのは素晴らしいですね」と称賛しました。
この提案は、都が掲げる「心豊かに暮らし、いつまでも輝けるアクティブなChōju社会」の実現とも深く重なるかもしれません。
各校のプレゼンテーション内容は下記にまとめていますが、イベントの動画を視聴すると、より詳しく知ることができます。動画視聴後には素敵なプレゼントがもらえるアンケートもあるので、ぜひご覧ください。
都⽴新宿山吹高等学校「東京お助け隊」
【テーマ】
WeAR TOKYO
【内容】
「WeAR TOKYO(ウィーアー トーキョー)」は、行き先提案型スマートグラスシェアリングサービス。利用者にとって最適な行き先をAIが提案し、ルートや観光ガイドをARがメガネ型のウェアラブル端末「スマートグラス」に表示します。このサービスを活用し、東京都の市町村や島しょ部の観光PRを行うことで23区の人口過密を緩和。最終的には市町村も含めた都全体の活性化を目指します。
渋谷教育学園渋谷高等学校「未来Makers」
【テーマ】
外国人駐在員が住みやすい東京へ!
Federated App + Service Passport
FASPO構想
【内容】
行政、教育、医療などのサービスの一括利用や、子育て支援などの制度の把握、そのほかにも住民票などの公的な書類をデジタル上に保管して家族単位での管理を可能とするAI 多言語プラットフォーム「FASPO構想」を提案。東京都に住む駐在員とその家族の生活をワンストップで支えることで、「東京で駐在したい」と思わせる環境を整え、より多くの優秀な国際的人材を受け入れて国際競争力を高めます。
東京電機大学高等学校「SUIGAI buster.」
【テーマ】
AIでつくる未来の東京
― 内水氾濫から命を守る街に ―
【内容】
内水氾濫から人々を守る第一歩として提案したのが、東京電機大学の高精度降雨情報システム「AREA RAIN」を活用し、AIで内水氾濫の発生を予測する仕組みです。雨が降って浸水したときとしなかったときのデータから、内水氾濫発生の確率を予測できる学習モデルを作成。予測される降雨データと組み合わせることで、AIが浸水場所や発生時刻を予測し、迅速な避難や対策を促します。
東京学芸大学附属国際中等教育学校「Crossroad Tokyo」
【テーマ】
高齢者介護における課題に向けたAIロボットの提案
【内容】
高齢者の孤立問題の解決を目指して提案されたのは、AIロボット「もの助」。目に内蔵したカメラで危険を察知して119番通報を行ったり、利用者一人ひとりの認知症の度合いや個人的な思い出などに合わせて会話したりと、従来の介護ロボットの「いいとこ取り」をしたロボットです。高齢者だけでなく、若い世代が背負う介護の責任や負担も軽減できるのもポイント。
小池知事からは「次の時代を動かすのは皆さん」とのエールも

4校のプレゼンテーションを終えて、小池知事は「未来の東京を背負う人たちから素晴らしい提案をしていただいたことを、とても心強く思いました」と語ります。
「地域の魅力の発信、国際都市としての環境づくり、防災の高度化、高齢者の安心な暮らしと、4校の皆さんはどのテーマもしっかりカバーしてくれました。
東京には、都民1,400万人に加え、300万人の方々が通勤・通学していますが、そのすべての人が輝いて安心して、そして一人ひとりが幸せを実感できる、そんな東京を目指しております。先日、発表された『世界の都市総合力ランキング 2025』で、東京はニューヨークを抜いて初の2位を獲得しました。この先、世界1位を目指すという目標が明確になったところで、皆さんの発表は未来の東京を切り拓く大きなヒントをいただいたと思っています」

そして、「次の時代を動かすのは皆さんです」と続ける小池知事。生徒たちも希望に満ちた目を向けながら、真剣な表情で話に聞き入ります。
「これからも大胆な発想で、無限の可能性を磨いていってほしいと思います。令和8年の8って、数字で書いて横にすると無限大ですよね。皆さんのそんな無限の力を楽しみにしております。ありがとうございました」
会場を後にした小池知事に、生徒たちも笑顔と拍手を贈りました。今回のイベントの模様は、下記の動画でも視聴できます。未来の東京を背負う高校生たちの姿を、ぜひご覧ください。視聴後のアンケートに答えると素敵なプレゼントも!皆さんのご応募をお待ちしています。
また、今後の広報活動の参考にするため、本記事に関するアンケートも実施中です。皆様からの率直なご感想をお待ちしています。
おわりに

「知事と議論する会」は、知事が都政の重要課題について次世代を担う若者から直接意見を聞き、対話することを目的とするイベントとして開催されています。デジタルネイティブである高校生にとって、今回のテーマはぴったりだったようです。自由な発想をもとにしっかりと考えられており、どの提案も「早く実現してほしい」と感じられるものでした。
イベントの模様を見た人なら、きっと同じように思えることでしょう。未来の東京が垣間見えるので、ぜひ動画を視聴してみてください。






















