過去の経験を活かし、“ゴールを見越した就活”で見つけた理想のキャリア
学生時代は「演劇」と「勉強」の二軸に全力を注ぎ、大学では薬学、大学院では社会基盤分野を専攻。そして現在は、情報産業課にて先端半導体の生産基盤整備に関わる政策立案・企画の最前線で活躍している大岡さん。
一見、異なるように見えるキャリアの点が、どのようにつながっていったのか。学生時代の話から現在の仕事観まで、うかがいました。

真面目で一直線。演劇と勉強を両立した学生時代
——大学時代はどのように過ごされていましたか?
大岡さん:基本的にはすごく真面目な学生だったと思います。自分は賢くないと自覚しているからこそ、授業ではいつも最前列に近い席に座って、先生の話を熱心に聞いているタイプでした(笑)。
一方で演劇活動にも全力で取り組み、公演のある一週間だけは全ての授業を欠席し、友達に驚かれるという極端なところもありました。学業と両立しながら自分のやりたいことに真っすぐ取り組んでいましたね。
——演劇を始めたきっかけは?
大岡さん:幼少期に親の影響でミュージカルを観る機会があり、アメリカで暮らしていた頃にはブロードウェイも観劇しました。その頃からなんとなく舞台への憧れが芽生えていたんです。さらに通っていた高校では文化祭のミュージカルにとても力を入れていて、全クラスが優勝を目指すような熱気のある学校でした。高校3年生のとき、受験勉強そっちのけで取り組み(そして怒られ)、最後に一般公開日の演目として選ばれたことがとても印象に残っています。そのアツい想いが忘れられず、大学でも演劇を続けることに決めました。
「演劇」と「勉強」どちらも妥協しないと決めた4年間
——大学生活はどのような感じでしたか。
大岡さん:大学生活では本当に「演劇」と「勉強」しかしていなかったです。サークルの旅行とかBBQとか普通の大学生みたいなことにも憧れたりもしましたが、そういったことも少なく、このふたつに振り切っていた時期でしたね。
——大学の専攻は薬学とのことですが、どんなことを学ばれていたのでしょうか。
大岡さん:大学入学後、専門課程を選ぶ際、当時、身近に生化学を専門にしている人がいなかったので、その未知な領域を学んでみたいと思って薬学部を選びました。3年生のときは毎日月~金まで午前は講義、午後は実験という特殊な環境で、薬や体の仕組みについて学べたのはとても楽しかったです。他方、自分が実験室の中でゴリゴリの理系研究者をやっているイメージも想像つかないなとそのとき感じました。

薬学から社会基盤へ。異分野への挑戦が“つながる力”を育てた
——大学院ではまったく違う分野を選ばれたとか。
大岡さん:大学の専門を選ぶ時からも、ぼんやりと専門を変えようと思っていましたが、ある時、ただの道路でさえも人類の知見の集積であり、とても大切なものであると気づきました。そこから、大学院ではインフラについて学びたいと思い、社会基盤学、いわゆる土木分野に進みました。特に途上国開発のインフラ整備をテーマに、現地政府と協働して課題を調べたり、インタビューを通じて定性的な現地の状況把握をしたりと、薬学部の実験室での経験とはまさに異なる“未知の世界”に飛び込む経験でした。
物事の見方を一つとっても、薬学部では生化学の反応であるからこそ実験結果や原理原則に重きを置きましたが、、土木ではインフラは人のためにあるからこそ、力学やデータ分析のみならず、インフラがどう人と関わるかの経済・社会的側面から見る重要性についても学びました。
——今の仕事にも直結している部分がありますか?
大岡さん:薬学部と土木の異なる分野だからこそ得られた異なる視点は今の仕事でも大切にしています。
現在半導体の政策立案に関わる中で、技術的な理解やデータ分析の素養が非常に役立っています。他方、国内・国外の様々な企業と交渉をすることも多く、理系のバックグラウンドでの根拠の詰めのみならず、交渉だからこそ、大学院で学んだ人との関わり方を大切にする姿勢は今でも生きていると思います。
国際機関のインターンで気づいた「日本のために働きたい」という想い

——進路を決めるうえで、官僚を志したきっかけは何だったのでしょうか?
大岡さん:大学院時代、国際機関で半年間インターンをした経験が大きいです。
当時は「いつか国際機関で働きたい」と漠然と思っていました。ところが、実際に現地で働いている職員とも話し、ふと「おぼれている日本人と外国人がいたらどちらを助けたいか?」と不思議な質問を自分に問いかけたときに、自然と自分の中の答えは決まっていると気づきました。「自分は世界のためにではなく、日本のために働きたいんだ」とその想いから日本という国を支える立場で貢献できる仕事を探し、官僚という道にたどり着きました。
——学生時代からリーダータイプだったのですね。
大岡さん:決してカリスマ性はないと思いますが、自分の想いを大切にしながら、人を巻き込んで動かすタイプではあったと思います。演劇の団体でも代表を務め、チームをまとめる中で「どうすれば人が納得して動いてくれるか」を考えることが多かったです。政策立案の現場でも、最終的には人と人とのつながりが大事。ロジカルに政策を構築するだけでなく、相手の立場を理解し、想いを持って人を動かす力は、これまで培われた経験そのものだと思います。
ゴールを持ち続けることで、社会人になっても成長できる

——最後に、就活生に向けてメッセージをお願いします。
大岡さん:仕事を選ぶというのは大きな決断ですが、専攻や学部にとらわれすぎず、“自分がどんな人生をつくりたいか”という視点を持つことが大切だと思います。
学生でも社会人でも、つい日々に流されて“なんとなく過ごす”瞬間もあるかと思います。だから、仕事、家族、趣味等色々な要素で構成される自分の“幸せ”が何かを知り、それを問い続け、他律的な要素になるべく惑わされず、自分の幸せを最大化するように取り組むことが大切だと思います。もちろん、考えても答えなんてわからないことが多いです。就活生の皆様は、まわりにとらわれず心に問いかけて自分が一番楽しくイキイキできそうな仕事は何かを是非見つけていただければ幸いです。
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薬学から社会基盤、そして政策の世界へ。異なる分野を越えて挑戦してきた大岡さんの言葉には、一貫した「人と社会を支える」という想いが流れています。
過去の経験が一本の線でつながるように、これからも大岡さんは、日本の未来を支える舞台の中心で活躍し続けます。















