財布を紛失したらどうすればいいのかを解説する本シリーズ。では、反対に財布を拾った場合は、交番や警察に届けた際にどんな手続きが必要になるのでしょうか？ また、そのまま届けずにいた場合はどうなるのかも気になるところですね。落とし物を拾ったときの対応についてまとめました。

落とし物を拾ったら7日以内に届け出よう

もし財布など落とし物を拾った場合、拾得者は7日以内に警察に届け出ないといけません。また、駅やお店など施設内で拾った場合は24時間以内と定められています。規定の期間内に届けることで、拾得者にはお礼の請求など以下の3つの権利が生じます。

●報労金を請求する権利
●落とし物の提出などに要した費用を請求する権利
●所有権を取得する権

これらの権利は「7日（24時間）以内に警察署に届けないと得ることはできません。例えば、拾った財布の所有者が3カ月経過しても名乗り出なかった場合、拾得者が定められた期間内に届けていたら、その財布（個人情報が含まれているもの以外）は拾得者のものになります。しかし、定められ期間を越えての届け出であれば、所有権を取得できないのです。

落とした人も早く見つかってほしいと思っているはずですから、できるだけ速やかに交番や警察署に届け出ましょう。

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落とし物を交番や警察署に届けた際の手続きは？

落とし物を交番や警察署に届けた場合、「拾得物件預り書」が作成されます。場所や時間帯と、自分の名前、住所、連絡先も伝えましょう。出来上がった「拾得物件預り書」を受け取れば、届け出は完了です。その際、落とし物の所有者が見つかった場合、相手に名前、住所、連絡先を伝えてもいいかの確認があります。連絡をもらっても問題ない場合はその旨を伝え、特にお礼など必要ないのなら、連絡は必要ないと伝えましょう。

もし、「落とし物の所有者に連絡先を伝えてもいい」としていた場合、拾ったお礼の電話がかかってくる可能性があります。その際、相手から謝礼の申し出があるので、必要ない場合は辞退する旨を伝えます。言いにくいかもしれませんが、謝礼を求める場合は、「拾得物の価値の5％～20％」の範囲での謝礼額を相手と相談しましょう。金額の他、謝礼を渡す方法についても確認するようにしてください。

ちなみに、謝礼（報労金）の受け渡しに関して、双方の間に警察は介入することはありません。警察を通して連絡・相談はできないので、必ず当事者同士で行うようにしましょう。

もし届けずに自分のものにしてしまったら……

拾った財布を警察に届けずに、そのまま自分のものにしてしまったら、当然ながら犯罪です。例えば、遺失物横領罪や窃盗（シチュエーションによってどの罪に問われるのか変わります）に問われることがあります。

もし「遺失物横領罪」に問われた場合、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処せられます（刑法254条）。自分が財布を落としたら、無事に戻ってきてほしいと思うはず。落とした人も同じように思っているはずです。もし財布など落とし物を拾ったら、最寄りの交番や警察に必ず届けるようにしてください。

解決!!「財布紛失」おどおど（拾った場合編）

前回までとは反対に「自分が拾った場合」の対応についてご紹介しました。筆者は落とした側と拾った側の両方を経験したことがありますが、実際に経験してみないと分からないことばかりで困惑したのを覚えています。自分がその立場になったときにおどおどしないよう、ぜひ覚えておいてください。万が一の際に助かるはずです。

文：大西トタン＠ｄｃｐ
編集：マイナビ学生の窓口編集部
参考：警視庁「落とし物をした方」

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