アジア各国の行政官とジェンダー平等を考える
わたしたちのSDGsに対する考え方
私たちは、SDGsの目標の一つであるジェンダー平等について学んでいます。
日本はジェンダーギャップ指数の順位がとても低く、ジェンダー平等が進んでいるとは言えません。そこで、ジェンダーギャップがある要因やこれからどうなっていくべきなのか等様々な角度から議論しています。
また、毎年JICA研修員(自国でジェンダー問題を担当している行政官)と意見交換を行うことによって海外の現状についても学んできました。昨年に行ったJICA研修員(カンボジア、マラウィ、ブータンの3か国6名)との交流会では、日本の現状についてプレゼンし、意見交換を行いました。
トピックス(1) 政治
私たちは、政界におけるジェンダー平等の実現が社会全体の意識を高めることにつながると考え、「日本の国会議員のジェンダー格差」を取り上げました。
国会議員に占める女性議員の割合の低さ、政治家による女性蔑視発言、女性立候補者へのハラスメントについて言及し、国会はジェンダー平等のために法的拘束力のあるクオーター制を定め男女の人数均衡を実現するなど抜本的な改革をすべきだと提言しました。
JICA研修員からは、日本の政治家の女性蔑視発言を学生としてどう感じたのかという質問が出るなど、情勢だけでなく学生目線からの視点についても議論が及びました。議論を通じて男女関係なくこの問題について議論できる空気の醸成が日本だけでなく各国の課題であることを理解し、まずは学生としてこの問題をより深く知るべきだと感じました。
トピックス(2) 経済
私たちは、就職活動の役員面接にて女性がほとんどいなかったことを疑問に思い、「日本企業における女性の社会的地位」について調べ、発表しました。まず他国と比較しながら管理者に占める女性の割合や女性の年齢別就業率を紹介し、日本で働く女性の基本的なデータを示しました。
それらを通して、日本が他の先進諸国に比べて女性の社会進出が不十分であるということをJICA研修員の皆さんに説明しました。
次に、女性の地位向上に対する日本企業の取り組み事例を紹介しました。出産・育児後に復帰しやすい制度を独自に作っている企業などいくつかの事例を紹介しました。
発表後には、JICA研修員の方々から質問を多数いただき、活発に議論することができました。特に、出産や育児に対する各国の価値観や制度の違いなどは興味深く、私たちも多くの学びを得ることができました。
トピックス(3)家族
私たちは、日本におけるジェンダー意識が家庭や家族関係に強く反映されていると考え「家族におけるジェンダーの役割」について発表しました。
まず、性別役割分担による男女の賃金格差や日本の出産、育児の状況について言及しました。
次に、家庭内における男女の役割分担の押し付けについて言及しました。
最後に、日本の名字の制度を説明しました。日本は結婚後、9割の家庭で男性の姓が選択されており、その結果、女性が仕事への影響を受けることが多くなるなど女性の負担が大きくなっています。
発表後は各国の育児休暇制度について議論し、参加国であるカンボジアでも男性の育児休暇取得は難しい状況であると分かりました。
交流を終えて、ジェンダー平等の実現の必要性を改めて痛感しました。
サークル紹介
法学部政策科学科 田村ゼミとは
私たち、法学部政策科学科 田村ゼミでは、ジェンダーギャップについて議論を行うことに加えて、性的少数者についても学んでいます。いずれもさまざまな制限があることや理解が進んでいないことなど共通点が多くあります。
そこで、誰もが生きやすい社会を作るためにはどうすべきか現状を踏まえて議論しています。
メンバー紹介
北九州市立大学 法学部
青野 大輔 高嶋 可奈 平田 悠真
深見 太一 前田 実咲希 山岡 禅
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