グローバル・ビジネス研究でSDGs!~岐阜聖徳学園大学 経済情報学部 河野公洋ゼミの研究と卒論の取り組み~
わたしたちのゼミでの研究はSDGsそのもの!
岐阜聖徳学園大学 経済情報学部3年 野村天真
岐阜聖徳学園大学の河野公洋ゼミの研究は、入ゼミが決まって2年生の11月以降、貿易・グローバルマネジメント全般を学びます。 中核は、指導教授の専門の貿易実務やマーケティング、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)です。
3年生の半ばからは、個々人の関心や興味、就職したい業界に併せて個々の研究テーマで掘り下げます。 私も、差別的でない公平な多角的貿易体制の実現促進、開発途上国による輸出の大幅増加、市場アクセスの円滑化などの重要性を学びました。「17.パートナーシップで目標を達成しよう」そのものです。
歴代のゼミの先輩方は、商社、メーカー、物流企業など貿易の最前線で国内外を問わず世界で活躍しています。 これから、研究を貿易実務に絞って行こうかと考えていますが、その前に3人の4年の先輩に、個々にどのような卒論を制作中か取材してみました。
トピックス(1) 人的資源枯渇時代のロジスティクスの問題と変革-IOT活用を題材として
私はゼミで、貿易実務について学んだので、卒業研究は国際ロジスティクスについて研究しています。島国の日本にとって貿易は必要不可欠な存在であり、国際物流のうち約99%(重量ベース)が船舶によって行われています。国内でもトラック輸送から内航海運で船舶輸送に移行するモーダルシフトが推奨されています。トラック輸送から海上輸送をすることで二酸化炭素排出量を約1/3削減することが出来ます。
また、IOTの活用により自動運転や無人コンテナターミナルを推進することで労働力・時間の削減などもすることが出来ると考えます。 私は、陸上輸送から海上輸送に移行することでSDGsの「気候変動に具体的な対策を」、IOTの活用により「産業と技術革新の基盤をつくろう」という開発目標他に繋がるのではないかと思います。これからは私も海運業で働くので、海や環境を守っていけるよう努めます。
河野教授談:経済効率とCO2排出量削減という難しい判断の中で、トラック輸送によるドアtoドアの物流から、鉄道貨物や内航海運が増えています。グリーン・ロジスティクスです。卒論の完成が楽しみです。
海運業界に就職の決まった岡田先輩です。 岡田雄希(4年)
トピックス(2)「製造業におけるリショアリングの可能性について」
私は「製造業の国内回帰の可能性」について研究しています。国内回帰(リショアリング)とは、海外に移した生産拠点を再び自国に移転する動きのことです。これまでの製造業は人件費の安い海外に製造拠点を移す(オフショアリング)という働きがあり、中国やベトナムなどに積極的に展開していました。
しかし、新興国の人件費や生産コストの上昇、コロナウイルスのような疫病や地震などの自然災害、その他のカントリーリスクなどを考慮し、国内に回帰することでそれらのリスクをカバーすることができると考える企業が増え、リショアリングが検討されるようになりました。リショアリングが進むと海外から製品を輸送する際に排出されるCO2を削減することができます。
また、メーカーの工場が国内に回帰することで新たな雇用が生まれ、持続可能な社会へのきっかけを作ることができるとされています。食糧自給率38%、アパレル自給率2%のわが国が持続可能とは思えません。 これから製造業に関わる一人として持続可能な社会を作っていきたいです。
河野教授談:日本の製造業が海外生産(offshore)に積極的だった時代から、コロナ禍やメイドインジャパン志向などから、生産拠点を再び自国へ移転リショアリング(Reshoring)が顕著な企業も出てきました。人的資源の不足するわが国ですが、面白い研究課題です。
メーカーへの就職が決まった村瀬先輩です。 村瀬玄弥(4年)
トピックス(3) 「わが国港湾の問題と将来像―『PORT2030』を題材に―」
私は卒業研究として、『PORT2030』について研究をしています。PORT2030とはわが国港湾整備に係る中長期政策で2030年頃の日本の経済や産業、人々の暮らしを支えるために港湾が果たすべき役割やそのための主要施策を掲げたものになります。
私はゼミでこの政策を学んだ際に足りてない事もあるのではないかと思い、これからの日本の産業や、人々の暮らしの支えになるにはどういった面が不足しているのか研究をしています。島国である日本にとって貿易は無くてはならないものです。
また、海上輸送や貿易の玄関口である港湾が必要不可欠です。港湾は力仕事も多く、とても大変なことも多いです。これらの仕事を少しでも軽減することが出来れば、より働きやすい職場になるのではないかと思います。
また、PORT2030では施策のうちに港湾のグリーン化やカーボンニュートラル、新たな価値の構築などが含まれており、こういったことがSDGsのである「産業と技術革新の基盤をつくろう」、「気候変動に具体的な対策を」などにつながってくるのではないかと思います。
河野教授談:日本の港湾は、全国に巨大な港を作るという政策から、「選択と集中」で京浜港、阪神港へのスーパー中枢港湾政策、現在は港のDX(デジタルトランスフォーメーション)化、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化などへシフトしています。何より、かつての港のイメージからウォーターフロント(Waterfront)・親水地域化への変化は顕著です。どのような論文が出来上がるか楽しみにしています。
ロジスティクス業界へ就職の決まった渡邉先輩です。 渡邉真由(4年)
メンバー紹介
岐阜聖徳学園大学 経済情報学部 野村天真(3年生)
岐阜聖徳学園大学 経済情報学部 村瀬玄弥(4年生)
岐阜聖徳学園大学 経済情報学部 岡田雄希(4年生)
岐阜聖徳学園大学 経済情報学部 渡邉真由(4年生)
他のSDGs特集記事もチェック!