ゼミとは? 大学生のためのゼミの選び方と入り方を徹底解説!
「大学のゼミとは何……?ゼミ選びのコツは?」
大学生活において重要となるゼミ選び。2年間同じゼミで同じ仲間と学ぶことになるため、後悔しないよう慎重に選びたいところですが、実際ゼミで何をするのか、どうやってゼミを選ぶべきか、まだ分からない点も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、大学のゼミについて徹底解説。ゼミに入るメリットやゼミの選び方、そして選考基準まで、覚えておけば必ず役立つゼミのポイントを「トリセツ」としてまとめました!
▼目次
1.ゼミとは何?
2.大学のゼミの特徴とは
3.大学でゼミに入るメリットは?
4.ゼミ選びで後悔?失敗談から学ぶ選び方のコツ
5.大学のゼミへの入り方と選考基準
6.大学のゼミって何するの?発表のコツも紹介
7.まとめ
ゼミとは何?
これを読んでいる人の中には、「そもそもゼミって何をするところ?」と、ゼミについて知らない人もいるでしょう。『広辞苑 第六版』によるとゼミとは、
大学の教育方法の一つ。教員の指導の下に少数の学生が集まって特定の分野・テーマについて文献購読や発表・討論などを行うもの
(P.1582より引用)
とあります。つまり「少人数で同じテーマを研究しましょう」という集まりのことです。専門分野における研究テーマを設け、それについて文献を探ったり、資料をまとめて発表したり、討論したり。また理系の場合は実験が大きなウェイトを占めてきます。
そもそもゼミという言葉は「Seminar」の略称。これは英語では「セミナー」、ドイツ語では「ゼミナール」と読みます。ゼミはドイツ語読みの略、ということですね。ちなみに理系の場合はゼミの代わりに「研究室」と呼ぶのが一般的です。
ゼミと講義の違い
ゼミと一般的な講義の違いは、
演習形式で学生が主体的に研究に参加する
【講義】
大学教員がいわば一方的に教える
という点が挙げられます。
講義はどちらかというと「教えてもらう」という要素が強いのに対して、ゼミは「自ら主体的に研究活動を行う」場です。
自分たちで研究テーマを決めるところから始めることも多く、また演習形式なので、自分で手を動かしたり発言したりといった機会が断然多くなります。
大学のゼミの特徴とは
もう少し、大学でのゼミの特徴について見てみましょう。
特徴1:少人数制である
講義は教員1人に対して学生が大人数となることも多いですが、ゼミは基本的に少人数のグループワークのような形式となります。
特徴2:学生参加型である
ゼミは受け身の授業とは異なり、学生参加型です。自ら調査や研究を行い、その成果をレポートにまとめたり発表したりと自らが主役となるのがゼミです。他のメンバーと討論する機会があるのも大きな特徴でしょう。
教員は学生たちの主体性を尊重しつつ、あくまでも助言する立場で指導にあたっています。
特徴3:より専門的である
大学の講義ももちろん専門的な学びではありますが、ゼミはさらに専門的です。ある分野について幅広くというよりも、研究テーマを絞り込んで深く踏み込んでいきます。
特徴4:大学によっては必修ではないことも
ゼミの履修システムは大学によって異なります。ゼミが必修であるところもあれば、そうでないところもあります。つまり他の科目で単位を満たせば卒業できる大学もあるということです。
自分の通っている大学、または進学を考えている大学がどうなのか、事前に調べておくといいでしょう。
大学でゼミに入るメリットは?
大学でゼミに入るメリットをご紹介します。ゼミに入るべきかどうか、迷っている方は是非参考にしていただき、改めてゼミへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
大学での絆が強くなる
ゼミでは同級生はもちろん、先輩や教授とのやりとりも増えるため大学での強い絆が生まれます。大学で学ぶ中で、良き友、良き相談相手が増えるのは心強いですよね。将来にわたっても人脈ができるという意味で大きな財産となるはずです。
専門的な研究を通して成長できる
そもそも大学とは研究機関ですので、単に知識を習得するだけでなく「専門的な研究」ができるのが大きな特徴です。この「専門的な研究」を行うのが、まさにゼミというわけです。
演習形式で1つのテーマを深く追求するという経験は、講義を受けるだけでは得られません。また討論や発表の機会も多いので、コミュニケーション力やプレゼン力もUP。社会人になってからゼミでの経験は大いに役に立つでしょう。
大学生活が充実する
上記2つの結果として、大学生活が充実すること間違いなしです。せっかく大学に入ったものの、コロナの影響もあって「知り合いは増えないし、このまま何となく卒業になりそう……」なんてことになっていませんか。
ゼミでは人との繋がりが密になりますし、学びの深さという点で考えてもより充実した大学生活となるはずです。
「……でも、ゼミにデメリットはないの?」
ゼミに入ることで考えられるデメリットは、忙しくなりやすいということ。ゼミは通常の講義とは異なり、ゼミ時間以外にもやるべきことが増えます。文献を調べたり、レポートをまとめたり、あるいは独自の調査を行うことも。
そのため、サークル活動やアルバイトとの両立で悩むことがあるかもしれません。自身の生活のバランスを考えて、負担が大きすぎないゼミを事前リサーチするのも大切なことです。
ゼミ選びで後悔?失敗談から学ぶ選び方のコツ
ここからは「ゼミの選び方」にまいります。大学によっては1つの学部で50や60ものゼミがあったりするため面食らってしまうこともあるでしょう。ゼミ選びに失敗して後悔……なんてことは避けたいもの。
そこで、ここからは先輩の体験談も参考にしながら、ゼミ選びのコツについて解説していきます。
ゼミ選びに失敗…?先輩の体験談
マイナビ学生の窓口では、実際にゼミに所属する現役大学生に「ゼミを選ぶときに気をつけるべきポイント」というテーマで独自調査を行なっています。そこから一部コメントを抜粋してご紹介します。
“ゼミ合宿や卒業研究などみんなでやることが多いため仲がいい友人がいないとつらい。”
(引用:マイナビ学生の窓口「後悔しないゼミの選び方は? 現役大学生が教えるゼミ選びのポイント5つ」)
このように、人間関係で困ってしまうケースは多いようです。人間関係はゼミ要項では見えない部分ですし、その年によっても変わってきますから難しいところ。この点をうまく情報収集することがポイントとなってきそうです。
また、同調査によれば「ゼミ選びで気をつけるべきポイント」は『ゼミの研究テーマに興味が持てるか』がダントツの1位。この点もふまえてゼミを選んでいくことが大切です。
まずは基本データを確認
ゼミは以下のような基本データが公開されています。
・研究テーマ
・研究方針
・所属人数 など
・ゼミの様子が分かる画像が掲載されていることも
まずはこれらを確認して、自分が興味のある研究テーマを扱うゼミはどこか、自分に合いそうなゼミはどこかをある程度絞ってみましょう。
「やっぱり人気のゼミがいいのでは?」
最初から「人気ゼミ」「有名ゼミ」というだけで選ぶのはおすすめではありません。あくまでも自分が将来進みたい道や自分自身の希望を考えた上で、「自分に合っていると思えるゼミ」を選ぶことが失敗しないコツです。
とはいえ公開データだけでは実態が見えにくいのもまた事実。この時点で絞り切ってしまうのではなく「ここはやめておこう」といった消去法に留めておくと良いでしょう。
人脈をフル活用して情報収集
次に、あらゆる人脈をフル活用して情報収集です。サークルや部の先輩はもちろんのこと、同級生でもしっかり下調べを進めている人は既に多くの情報を持っています。
できれば、お目当てのゼミに実際に所属している先輩の声を聞くことができればベストですね。具体的には次に挙げるような、ゼミ要項では見えづらい部分を聞いてみるといいでしょう。
・教授の印象:熱心、厳しい、優しいetc.
・人気度:人気ゼミは試験の倍率が高い
・忙しさ:就職活動やサークル活動と両立可能か
特に人間関係には注意したいので、教授の印象やゼミの雰囲気をチェック。同時に、「誰が自分と同じゼミを希望しているか」をリサーチするのがコツ。ゼミ仲間が誰になるのかというのは、今後のゼミ活動に大きく影響するためです。
もう1点、「どの位忙しくなるか」も押さえておきたいポイントです。外部の大学院への進学を検討する場合は、「院試」対策の時間が必要ですし、就職する場合は就職活動にしっかり時間を確保したいもの。ゼミが忙しすぎるとこれらに影響してしまいますので注意しましょう。
もう1点補足として、ゼミによっては卒論必須のところとそうでないところがあります。卒論といえば自身の研究成果となる大変意義のあるものですが、負担に感じるようであれば、あらかじめチェックしておきましょう。
いずれにしてもゼミは一度選ぶと基本的には変更できないことがほとんど。「こんなはずじゃなかった……!」なんてことにならないようにしたいものですね。
研究室を訪問してみよう!
「ここがいい!」というゼミを見つけたら、事前に研究室を訪問するのもおすすめです。研究室を訪問するには、
・メールで事前予約をする
この二つの方法があります。オフィスアワーは、教授が学生の相談などを受ける時間のことで、対応できる曜日や時間が事前に告知されています。
また、オフィスアワーの時間帯が難しい場合は、教授に直接メールでコンタクトを取り、都合のいい時間を聞いて訪問します。その際に送るメールはわかりやすく、かつ丁寧な文章にしましょう。
研究室を訪問する際は、必ずノックをし、相手の返事が聞こえたらドアを開けます。ドアを開けたらまず自分の学部・学年・名前を述べます。そしてオフィスアワーやアポを取った時間であっても、「今よろしいでしょうか」など、必ず教授の都合を聞くようにしましょう。
研究室訪問は、ゼミを担当する教授に直接質問ができる貴重な時間です。事前に質問をまとめておき、わからないことは積極的に聞きましょう。もちろん退室時には「ありがとうございました」「失礼します」を忘れずに。研究室訪問の印象が、後の評価にもつながります。
大学のゼミへの入り方と選考基準
研究室訪問などを経て、希望のゼミが決まったらいよいよ申請です。ただし、申請すれば必ず入れるものではありません。ゼミによっては面接などの選考が行われ、その内容によっては申請を却下されることもあります。
ゼミの選考方法はさまざまですが、代表的なのは「面接」「成績」「エントリー書面」です。
⇒志望動機や自己アピール、特技や趣味などさまざまなことを聞かれます。特に志望動機についてはしっかりとした回答ができるとベター。
●成績
⇒大学でのこれまでの成績を審査します。
●エントリー書面
⇒氏名などの基本情報のほか、志望理由などを記載するケースが多いです。
そして、選考基準については一定の決まりがあるわけではなくゼミ(教授)によって異なります。おおむね、次のような基準で選考を行う傾向があるようです。
・これまでの成績に大きな問題がないか
・ゼミの内容をよく理解しているか
・ゼミ活動への意欲が感じられるか
普段から真面目に学業に取り組んでいるか、希望するゼミについてしっかり調べたか、そして熱意を持って取り組んでくれそうか。このあたりが選考基準になっているようですね。
大学のゼミって何するの?発表のコツも紹介
選考を無事にパスして、晴れて希望のゼミに入ることができました。ゼミでは具体的にどんなことをするのかご紹介します。
1.文献研究
書籍や論文などの文献をベースとして、研究を進めます。調べものをしてまとめたり、データを分析したり、読み解いて内容を話し合ったりします。
2.フィールドワーク
文献だけでなく実際に調査研究に出かけることもあります。調査で得られたデータはグラフ化するなどして、研究に活かしていきます。
3.討論
ゼミでの話し合いです。自分の主張だけを押し通すのではなく、他人の主張にも耳を傾け、意見の違いからも学んでいきます。
4.発表
研究成果を発表する場も設けられます。資料を分かりやすくまとめ、論理的に自分の主張を展開していくことが求められます。
最初は人前で発表するのを不安に感じる人も多いでしょう。ここでは初心者向けにプレゼンテーションのコツを何点かご紹介します。
・最初から盛らない
・コンパクトに勢いよく行く
・大勢ではなく一人に向かって話すイメージを持つ
・手元のメモは箇条書きにする
プレゼン力はちょっとした意識の変化で意外なほど大きく変わります。ゼミを通してプレゼン力や討論する力を磨いておくと、社会人になってからも大いに役立つこと間違いなしです。
まとめ
ゼミとはゼミナールの略で、少人数の演習形式で研究を行う大学の教育スタイルのことを指します。ゼミでの学びは、大学の醍醐味とも言えるものです。1つのテーマをより深く追求したり、討論したり発表したりという貴重な経験は、ゼミでなければなかなかできません。
ゼミ選びは難しいかもしれませんが、人気かどうかよりも「自分に合っているかどうか」を重視して選ぶのがおすすめ。ゼミに参加して大学生活を充実したものにしていきましょう!
○ 学生生活のトリセツ 一覧