時として面接では、一見すると就活と関係なさそうな質問が投げかけられることもあります。そんなときも、第2回~4回で紹介した「ワンテーマ自己分析」が役立ちます。今回は、面接官からの変化球の質問への回答に、自己分析を活かす方法を就活アドバイザーの才木弓加さんにお聞きしました。
回答の着地点は2つだけ
面接での回答の着地点は「学生時代に打ち込んだこと」と「自己PR」の2つしかありません。これを覚えておいてください。なぜこう言い切れるかご説明していきます。
例えば下記のような質問も、どちらかの着地点に関連づけて答えればいいのです。
【例1】
面接官の質問:自分を色にたとえると何色ですか?
答え:青色です。私は自分の言動に責任を持つことを重要に考えていますが、その誠実さや強さから青色を連想しました。
<ポイント>
その色を選んだ理由が、「自己PR」で述べた「自分の行動に責任を持てる」という部分に結びついていれば、何色を選んでもかまいません。
面接官の質問:あなたが尊敬している人物を教えてください。
答え:○○○○○さんです。なぜなら、いつも言動に責任感を持っていらっしゃると感じるからです。
<ポイント>
その人物を選んだ理由が、「自己PR」で述べた「自分の行動に責任を持てる」という部分に結びついていれば、誰を選んでもかまいません。
2つの着地点は最強の武器
続きになりますが、就活と関係なさそうな質問例のひとつに、
「今、この場であなたに10万円差し上げます。その使い道について教えてください」
などもあります。これに対し、多くの就活生は思いついたことを素直に答えます。例えば「ヨーロッパ旅行に使います」といったように。
しかしすべての回答は、自分がどんな人間であるかを伝えるためにあることを忘れてはいけません。
10万円の使い道の質問にも、やはり「学生時代に打ち込んだこと」と「自己PR」のどちらかに関連づけて答えるのが正解です。
何度も言いますが、面接ではどんな質問であっても、2つの着地点のどちらに結びつけるかを考えるのです。面接官が知りたがっているのも、その着地点からみえる人物像であり、それに合わせて答える学生は「質問の意図を汲み取れる人」という評価もされますよ。
文・磯野佳世子
才木弓加・プロフィール
大学などでの就職対策セミナーの講師を務めるかたわら、自ら就職塾を主宰し、 直接学生への指導にあたる。就職本も多数執筆。就職情報サイト 「マイナビ」(http://job.mynavi.jp/)では、 イマドキの就活のノウハウを熟知した講師として、エントリーシート、面接、自己分析、 就活マナーなど、多方面から「才木流」の内定獲得術を伝授。著書に「自己分析の「正解」がわかる本」( 実務教育出版社) 「サプライズ内定」(角川マガジンズ)「面接担当の質問の意図」(マイナビ)など。