新卒の採用選考で多くの企業がグループワークとグループディスカッションを導入しています。この2つの具体的な違いと人事担当者がチェックする要点について、知らないという就活生も多いと思います。 そこでここでは、グループワークとグループディスカッションの違いや押さえておきたい注意点について解説します。
グループワークでは、3~5名程度の就活生がグループを組みます。その中で与えられたテーマに沿って話し合いを行い、方向性を決めてから共同で作業を行います。その結果、生み出された1つの成果(物)について発表します。グループワークでは、お互いに協力し合いながら成果を出すということが目的となります。プレゼン、作業、ゲームなど、さまざまなタイプがあります。就活でグループワークが用いられるのは、各人の仕事ぶりを事前に模擬的に見ることができるからです。
グループワークで採用担当者が見ているポイント
学生が社会人となる際に、企業の側から最も求められるのは成果と時間・コストに関する考え方です。社会人になると、何のために行動するのか、企業目標や割り当てられた業務の中で、常に考え続けることが求められます。仕事に取りかかる際には、「どのくらいの時間とコストをかけて、どのくらいの成果を出さなければならないのか」と行動を起こす前に計画を立てるなど、準備を進める必要が生じます。
グループワークでは、そうした時間(コスト)と成果に対する意識をしっかりと携えて行動しているかどうかがわかりやすく表れます。採用担当者はグループワークにおける学生の行動を細かく観察することで、そうした点を注視します。仕事に臨む姿勢の中から、その人物の考え方や知識や技能までも推し量ることができるのです。
グループの中で、たまたまリーダー的な役割を務めることになるかもしれません。しかし、大切なのは役割ではありません。どんな立場にあろうと仕事に対する積極性、協調性などを十分に示すことが大切です。さらに仕事を進めながら、自分の持っている柔軟性、理解力、実行力、論理的な思考などをアピールすることに努めましょう。
グループディスカッションでは、3~5名程度の就活生がグループを組み、その中で与えられたテーマに関して議論を行います。最終的に結論を導き出し、それを発表するところまで行います。
対立する意見を主張し合うディベート形式で行われる場合もあります。
その場合には、対立意見をどのように受け止めるか、あるいはどのように反論するかなど、試されることになります。事前に練習をしておけば、どちらの立場になったとしても、上手なディベートができることと思います。
議論のテーマは、政治や経済に関する社会的なものから、志望企業の事業内容に関連するものまで幅広いジャンルから選ばれます。
グループディスカッションで採用担当者が見ているポイント
就活でグループディスカッションを行うのは、一般教養、コミュニケーション力、発想力、機転などが備わっているかを見るのが目的です。特に一般教養に関しては、事前にある程度勉強しながら、培っておくことが必要でしょう。
また、企業の事業内容がテーマとされる場合には、「どれだけ志望する企業について理解が行き届いているか?」という観点も含まれていると考えられます。これも事前に会社資料など、読み込んでおくことが必要でしょう。アイデア力やビジネス的な発想が試されるテーマが選ばれる場合もあります。テーマによって、企業がどんな能力を試そうとしているのかがある程度判断できます。どのような能力が求められているのか意識しながらディスカッションに臨むことも有用です。
グループワークとグループディスカッションともに司会、書記、タイムキーパーなどの役割分担があります。そのため、双方ともリーダーシップ、コミュニケーション能力、問題解決のための力、効率化への意識といった能力をアピールすることができます。
グループワークでは特に作業の手際、仕事の段取りなどをまとめる能力を活かすことができるでしょう。またグループディスカッションでは、一般教養、情報の分析力、発想力など、十分にアピールすることができます。
アピール力を高めるための選考対策
本番のグループワークやグループディスカッションで、アピール力を十分に発揮するためには、友人や就活仲間と場面を想定して練習しておくことをおすすめします。相手ありきのものですから、どんな対応が必要になるかを、まずは経験してみることです。そうすれば、次に生かせる対策も立てることができるでしょう。
グループワークやグループディスカッションでは、これまでに接したことのないようなタイプの人と話しをすることにもなります。そんな際にうまく対応ができるように、さまざまな場面を想定しながら、いろいろなテーマで練習を重ねてみてください。
まとめ
就活の選考におけるグループワークとグループディスカッションの違いについて解説していきました。2つの選考方法はグループ選考ということで、あまり違いのないようにも思われがちです。しかし、注目されるポイントに関しても、異なる部分の多いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。ぜひ参考にしてください。
グループワークの対策では面接対策と同様に、想定されるシチュエーションを事前に頭にとどめておくことが非常に重要です。また、選考前に自らが求める理想の人物像を、何度も頭に思い起こすようにしておくと、割と順調にグループワークを乗り切ることができるでしょう。
・高下 真美(たかした・まみ)
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て退職。現在は企業の採用HPインタビュー・執筆、就職・転職ノウハウ記事を執筆するフリーライターとして活動中。
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