ぼうけんしゃの宿「こやぶ」へようこそ!
あ、新入りのぼうけんしゃさん、お帰りなさい。えらいがんばってるらしいですね~。ねぇ、ホンマは知らんけど。
そうそう、手紙がきてましたよ。大切そうなもんやったから、そこの窓から紙飛行機にして放っておきました。けっこうな勢いでピューっと飛んで......って、ちょ、苦しい苦しい。首しめんといて。冗談やないですか。これですわ、これ。
へー、有名なおせんべいの会社のエントリーシートですか? へー。「どんな商品をつくってみたいか」とか「弊社の10年後、20年後はどうなっているか」とか聞かれても、ねぇ(笑)。就活生からしたら、その答えを考えるのは社員のあんたらでっせ、って思いますよねぇ。
なんて答えるつもりですか? ふむふむ。あー、そらあきませんなぁ。じゃあ今回はボクがちょっとヒントを言いましょうか。
「それ考えるのはあんたらでっせ」という類の質問、つまり「企業や仕事に関する質問」に答えるには、次の3つのステップを踏めばいいんですよ。
①世の中の売れ筋商品を調べる
②それがなぜ売れたか、その理由を調べる(考える)
③それと同じようなものを考える
かつて、東京キー局から内定をもらった学生が面接で「どんな番組をつくってみたい?」と聞かれて次のように答えてます。
「親子三世代で楽しめるドラマを作りたい」
理由はこうね。
「日本で一番視聴率がいいアニメは「サザエさん」、歌番組は「紅白歌合戦」ですよね(①世の中の売れ筋商品を調べる)。その人気には、共通の理由があるんです。それは『多くの世代が観られること』だと思うんですよ(②それがなぜ売れたか、その理由を調べる(考える))」
①と②がちゃんとあるね。たしかに、おじいちゃんがプリキュア観てたらちょっと......て思うけど、サザエさんなら観るわな。紅白も、若手だけやなく昭和の歌手が登場するのは、年配の方も含め、家族みんなで観てほしいからや。裏番組の「ガキの使い」に年配の芸能人が出てくるのも「家族みんなで」を意識してるからや。
「だから、たとえばおじいちゃんおばあちゃん世代の恋愛に中年夫婦世代がハラハラさせられつつ、その子供たち世代の高校生がおじいちゃんおばあちゃんから貴重な何かを学んでいく、というようなドラマをつくってみたい(③それと同じようなものを考える)」
ね。「自分がサッカー部やからサッカー番組をつくりたい」とは比べもんにならんやろ? ただ「好きだから」という理由は、めんせつかんにはまったく響かない。