【人気グルメ発祥の名店5選】トンカツ、ソース焼きそば、オムライス…みんな大好き! 定番メニュー発祥のお店 #あつまれ!_おどおど学生。

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現在では日本を代表する食べ物となっているメニューにも、オリジナルがあるはずです。この食べ物はどこのお店で初めて作られたのだろう? と考えることはないでしょうか。今回は、すっかりどこでも食べられるようになった5つのメニューについて、どこが発祥のお店なのかをご紹介します。

●「トンカツ」発祥のお店

最近では日本の「トンカツ」も世界的に有名になっています。もとになったのは、言うまでもなくフランス料理の「côtelettes(コートレット)」(英語ではcutlet)です。「豚」の音読みである「トン」と「カットレット」で「トンカツ」です。そもそも「côtelettes」は仔牛肉のスライスにパン粉をつけて炒め焼きした料理ですが、トンカツがカットレットと決定的に違うのはディープ・フライを行う点です。西洋料理が基ですが、この点でトンカツは日本オリジナルな揚げ物料理といってもいいのです。

で、このトンカツ発祥のお店はどこかというと……結論からいえば曖昧です。例えば、洋食店『ポンチ軒』のシェフ・島田信二郎さんが1929年(昭和4年)に初めて現在のトンカツを考案したといわれるのですが、それより前、1899年(明治32年)に洋食店『煉瓦亭(れんがてい)』が、「ポークカツレツ」をメニューに載せているのです。

この『煉瓦亭』のポークカツレツは、それまでの日本の洋食と異なり、カツレツなのに牛でなく豚。かつ、揚げ炒めではなく、大量の油で揚げるというディープ・フライの技法を用いたものでした。つまり、これは限りなくトンカツです。

そのため、トンカツの日本発祥のお店は『煉瓦亭』とする説が非常に有力です。名前が違うじゃないかという異論があるのですが、ではトンカツという名前で初めて現在のトンカツに通ずる料理を供した店が、前記の『ポンチ軒』なのかというとそうもいえないのです。

なぜなら、1929年(昭和4年)以前、明治・大正期に屋台で「トンカツ」という名称が使われていたことが分かっています。ですから『ポンチ軒』の前に、トンカツという名前でお客さんに料理が供されていたことは確実ですが、残念ながら「最初のお店」はどこだったのか? は特定することができていません。

●「たこ焼き」発祥のお店

大阪は「粉もの文化」といわれますが、それを代表するメニューの一つが「たこ焼き」です。「たこ焼き」発祥のお店は『会津屋』です。現本店は大阪市西成にあります。大阪なのに『会津屋』というのは不思議かもしれませんが、初代の遠藤留吉さんが福島県河沼郡会津坂下町出身だったためです。自分の故郷の屋号を付けたわけです。

1933年(昭和8年)に子供向けのおやつとして売り出されたときは、形は現在と同じ球状でしたが、名称は「ラヂオ焼」(またはラジューム焼)で、具はスジ肉 ・コンニャクなどでした。1935年(昭和10年)に、大人向きのものをと考えられたのが、明石のタコを使った「たこ焼き」で、翌1936年(昭和11年)に赤字に白抜きの「たこ焼き」ののれんが完成します。

ただし、この『会津屋』のたこ焼きは、衣に味があらかじめ付けられており、現在のソースやマヨネースをかけて食べるスタイルとは異なります。遠藤さんは、冷めてもおいしく食べられるように工夫を凝らしてたこ焼きを作り出したのです。

現在の『会津屋』でも、初代の思いを継いだ、ソースなしの元祖たこ焼きを提供しています。もちろん現在のソースをかけたたこ焼きもメニューにあるのですが、もしオリジナルのたこ焼きを味わいたいなら、ぜひ元祖の何もかけないバージョンを試してみてください。

⇒参照・引用元:『会津屋』公式サイト
https://www.aiduya.com/

●「オムライス」発祥のお店

2023年3月16日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が訪日した際、日本の岸田首相と二次会で訪問したお店が、東京都中央区銀座にある『煉瓦亭(れんがてい)』です。尹大統領は昔日本に来た際に食べたおいしいオムライスが忘れられず、日本政府が同店をアレンジしたと報じられました。

オムライスの元祖はこの『煉瓦亭』といわれていますが、実は同店のオムライスは「ケチャップライスを薄焼き卵で包んで、上にケチャップをかける」という、一般に想像されるオムライスではないのです。

そもそもケチャップライスではなく、ご飯とタマゴ・具材を炒めて、タマゴに火が通り過ぎて固くならないうちにフライパンから上げ、皿に盛り付け、上にケチャップを載せたものです。表現が難しいのですが、卵かけご飯に火を通した感じのもので、ケチャップと一緒に口に入れると確かにオムライスの味になります。

『煉瓦亭』によれば、このオムライスはそもそも「まかない」料理だったものがメニュー化したものとのこと。日本の洋食の黎明期に誕生した料理なので、優しい味なのが特徴です。

実は、オムライス発祥のお店というのは、もう1店あります。

大阪市中央区にある『北極星』で、こちらは上記の一般に想像するオムライスと同じ形態をしています。誕生したのは、1925年とされており、胃を痛めた常連のお客さん向けにオムレツとケチャップライスを組み合わせて作り出されたそうです。オムレツとライスなのでオムライスというわけです。卵焼きの上からかかっているのは特製のトマトソースで、こちらも優しい味がします。

⇒参照・引用元:『煉瓦亭』公式SNS
https://www.facebook.com/ginza.rengatei/
https://www.instagram.com/ginzarengatei_official/?hl=ja

⇒参照・引用元:『北極亭 心斎橋本店』公式サイト
https://www.hokkyokusei.online/

●「カレーパン」発祥のお店

カレーは日本を代表する洋食となり、近年では日本生まれの「カツカレー」が世界で高く評価されています。では、カレーパンはどのお店で誕生したのでしょうか。

有力な説が2つあります。

一つは、当時の東京市深川区常盤町にあった『名花堂』の店主・中田豊治さんが初めて作ったという説。「名花堂」は、1877年(明治10年)創業の老舗パン屋さんでしたが、1923年(大正12年)に関東大震災が起こります。商売を復興させるために考えられたのが、現在でいうカレーパン。当時は「洋食パン」と呼ばれ、実用新案としての登録が1927年(昭和2年)7月に承認されたとのこと。

『名花堂』は『カトレア』と名前を変え、東京都江東区森下に移転。現在も当時のレシピを守ってカレーパンを製造・販売しています。

もう一つは、東京都練馬区練馬『デンマークブロート』の井戸錠市さんが1932年(昭和7年)に考案したという説です。井戸錠市さんは、岐阜県美濃加茂市の出身ですが、関東大震災を期に、一旗揚げようと上京したとのこと。最初は、成子坂で惣菜屋を営んでいた兄の店の一角でパンを売り始めたのだそうです。カレーパンを考案したものの、最初はうまくいかず、惣菜屋で販売していたトンカツ、『中村屋』のピロシキをヒントに現在の形にたどり着いたとのこと。

『デンマークブロート』は、現在は『デンマークベーカリー』という名前となっていますが、同店も考案された味を受け継ぎ、カレーパンを製造・販売しています。

⇒参照・引用元:『カトレア』公式サイト

⇒参照・引用元:『デンマークベーカリー』SNS

●「ソース焼きそば」発祥のお店

ソース焼きそばは、一般の家庭で広く食べられているだけではなく、鉄板焼きのお店、お祭りの屋台などでも食べることができる人気の麺食メニューです。では、このソース焼きそばはどのお店で初めて作られたものなのでしょうか。

全国1,000店以上を食べ歩いた経験をお持ちの、『焼きそば名店探訪録』の管理人・塩崎省吾さんによると、東京都台東区浅草の『デンキヤホール』なのではないか? とのこと。

『デンキヤホール』は1903年(明治36年)創業という筋金入りのレトロ喫茶店ですが、同店の名物に「オム巻」というメニューがあります。ソース焼きそばを薄焼き卵で包んで、その上にケチャップをかけたもので、見た目はオムライスにそっくりです。

ただ、中はケチャップライスではなく「ソース焼きそば」なのです。塩崎さんは、


「オム巻」を提供開始したのは、大正時代の初期のこと。三代目夫人の杉平淑江さんは、初代の創業者からそのように伝えられているそうです。大正時代初期といえば、今から100年も昔のこと。実はこの「オム巻」が、私が知る限りで最古のソース焼きそばなんです。また、他のいろいろな資料や証言から、ソース焼きそばは浅草で生まれたと私は考えています。


と書いていらっしゃいます。


塩崎さんの考察が正しいのであれば、ソース焼きそばの発祥の地は浅草であり、現存する最古のソース焼きそばを提供するお店は『デンキヤホール』ということになりそうです。

⇒参照:『焼きそば名店探訪録』
https://yakitan.info/aboutus

⇒参照・引用元:『ニッポンごはん旅』「浅草『デンキヤホール』ソース焼きそば発祥の地で味わう!名物オム巻とゆであずき」
https://gohantabi.jp/article/17277

⇒参照:『デンキヤホール』公式サイト
https://www.denkiya-hall.jp/

解決!!「人気定番メニュー」発祥のお店5選

5つのメニュー発祥のお店をご紹介してみました。残念なことに「トンカツ」は、有力な説はあるものの「ここだ」と特定することはできません。ただし、前記のとおり『煉瓦亭』は日本の洋食の震源地です。同店に行けば、もうすでに120年以上になる歴史ある数々の料理を食すことができます。『煉瓦亭』を訪問したら、往時のことを思って、ぜひ元祖ポークカツレツにも挑戦してみてください。

⇒【大盛りの学生メシ名店5選】大学生におススメの「大盛り」名店5選

文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部

※この記事は、以前掲載された連載「#あつまれ!_おどおど学生。」の中から人気記事を再編集して掲載しています。詳しくは各お店にお問い合わせください。

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