エッセイコンテスト「#Z世代の目線から」10月期の結果発表!キーワードは“夜”
→9月のコンテスト、キーワード"勝負服"の結果はこちら。
10月に募集していた「エッセイコンテスト」の選考が終了しました!今回のキーワードは
夜と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?夜の一人時間、夜ふかし、晩ごはん、
暗闇、徹夜、夜景など、さまざまなことが浮かびますよね。
今回も夜にまつわる素敵な作品が集まりました。たくさんのご応募ありがとうございました!
選ばれた優秀作品作品と、入選作品作品をご紹介します。
企画協力:田中青紗(たなか あさ)
テレビ番組制作会社勤務からフリーライターへ転身。現在は、取材・コラム・短編小説を中心に執筆中。過去にマイナビ学生の窓口にて短編小説を掲載。
2021年には、LivingAnywhere Commons×新しい働き方LAB 創作コンテストの企画・運営・審査員を務める。
note:https://note.com/tanakaasa_life
優秀作品:『布団の中にて』/著者:imnao さん
夜というのは、不思議な力を持っている。昼間はどうってことなかったはずのものが、夜になると突然不安になったり、昼間に怖がっていたものが、夜になると全く怖くなくなったりする。...... |
著者:imnao さん |
学校・学年:法政大学 3年 |
Instagram:@_lmnao_ |
著者コメント:夜にだけ生まれる感情や経験に重きを置いて、自分の中の複雑な絡まりを少しずつ言語化しました。不安もあるけど確かに期待や希望が存在するこの時間が、少しでも長く続いてほしいです。 |
【あらすじ】
「夜は不思議だ」と話す筆者。日が落ちて暗くなっただけなのに、昼間になんともなかったことが不安になったり怖くなったりする。いくつもの夜を過ごしながら感じた心情が、丁寧に表現された作品。
【田中青紗からのコメント】
<みんな同じ「夜」なのに、それらは全く違う色と形で私の身体を包んでいく>という表現に大変共感しました。考えれば考えるほど夜は不思議な存在ですよね。朝や昼には得られない感情を簡単に作ってしまう。「夜」そのものに対して改めて考えさせられました。
入選作品(応募順に掲載)
入選作品1:『パワーチャージ‼︎』/著者:ももこ さん
2週間前に免許を取ったばかりの私は、運転をするのが怖い。 教習所に通っていた時は、カーブやグネグネ道でも延々と話しかけてくる教官や、話すこ とがないからと私にフリートークさせようとする教官、路上教習中に居眠りをする教官、 と様々な経験をした。...... |
著者:ももこ さん |
学校・学年:千葉大学 2年 |
著者コメント:帰省した時に免許を取得したので、夏休みが終わるギリギリまで母の車で練習していました。運転は怖いけど嫌いなわけではないんですよね……。毎日見られたら頑張れるのに〜なんて思ったりします笑 |
【あらすじ】
免許を取得したばかりの筆者は、運転に慣れるために、仕事終わりの母を車に乗せて夜道を走る。“鬼教官”だという母の指導の元、日々さまざまな道を運転している。今夜筆者が走るのは、なんと山道!ビビりながら無事に運転を終え、げっそりと帰ってきた後に母から呼ばれて......?
【田中青紗からのコメント】
日中の運転よりも、夜は視覚情報が少ないからこそ、山道への恐怖が想像できます...!(笑)選考時に編集部内でも盛り上がった作品でした。シーンがイメージしやす
く、ラストも素敵でした。夜の一コマが上手に切り取られていると思います。
入選作品2:『1人が好きな寂しがり屋』/著者:具沢山味噌汁 さん
私はとても寂しがり屋だ。夜になるといつも、誰かの声が聴きたくなる。すごく切ない気持ちになる。中学生の頃から、ずっとそんな感覚がある。しかし、大学生になり、ずっと 寂しいと感じている自分がなんとなく、嫌になった。寂しいと感じるたびに誰かに電話をかけて、長電話している自分が嫌になった。...... |
著者:具沢山味噌汁 さん |
学校・学年:桜美林大学 4年 |
Instagram:@dedr___yui |
著者コメント:寂しがり屋な自分でいながらも、一人の時間が好きな私です。この感覚は、多分私だけではないと信じています(笑)夜ご飯の後の空いた時間で好きなことをするのがとても楽しいです。 |
【あらすじ】
昔から寂しさを感じてしまう“私”。だんだんと寂しい感情に振り回されてしまう自分が嫌になり、この気持ちを解消するためにスマホのカメラロールを見返してみる。そこで気がついたのは、たくさんの“好きなこと”だった。
【田中青紗からのコメント】
共感する学生さんも多いのでは?と思った作品です。生きているとどうしても寂しさを感じてしまいます。ましてや夜はなおさらですよね。寂しい感情をそのままにせずに、解消するために何事にもチャレンジしている姿に勇気づけられました。せっかくの夜時間、うんと楽しみたいですね!
入選作品3:『茹でガエル』/著者:チューリップ さん
夜が嫌い。暗い雰囲気に飲まれていろいろなことを考えてしまう。小さいことから大きいことまで。悪夢を見ないか、昔起こした失敗を掘り返されないか...。自分が寝ているときに自分の知らないところで時間が進むことに抵抗を感じる。...... |
著者:チューリップ さん |
学校・学年:目黒日本大学高校 2年 |
著者コメント:高校生ならではの複雑な気持ちを書いてみました。 |
【あらすじ】
「夜が嫌い」と話す高校生の筆者。17 年間生きても気持ちは変わらず、夜の“得体の知れなさ”に恐怖を感じ、眠れぬ日を過ごすことも多い。そんな眠れない夜は、ベランダに出て景色を見る––。
【田中青紗からのコメント】
「夜が嫌いだけど魅力的に見えてしまう」という心境が上手に書かれていると思いました。夜は暗くて、簡単に寂しさを募らせる厄介なものだけれど、夜だからこその良さもあるのかもしれない。17 歳の複雑な気持ちがひしひしと伝わってきました。
入選作品4:『夜の東京散歩』/著者:まと さん
大学の寮のベッドで目が覚めた時、カーテンの隙間から見える空は真っ暗だった。横にあるスマホを確認すると22時。ふと炊き立てのお米の香りがするので顔を横に向けると、同室の友人が好物の白米を食べている。...... |
著者:まと さん |
学校・学年:津田塾大学 4年 |
著者コメント:文章を書くことは好きですが、初めてエッセイを応募するのでドキドキしています。墓地の横を通り抜けた時くらい。たまの息抜きにも良いことがあるかもしれないということが伝われば幸いです。 |
【あらすじ】
クリスマスの夜、寮の同室である友人と急遽、東京へ出かけることにした筆者。深夜の東京の街並みはいつもと違って見えて......?誰かと一緒に夜の散歩に出かけたくなるような作品。
【田中青紗からのコメント】
「ちょっと行ってみる?」と、勢いで行く散歩の楽しさを思い出しました。シーンが目に浮かび、走っている場面では思わず私もハラハラしてしまいました(笑)。夜の散歩は注意が必要ではありますが、人がいない街並みを歩くのは特別な時間になりそうですね。
入選作品5:『ナイトオウル論』/著者:久保獎太朗 さん
最近、夜に散歩をすることが増えた。動脈硬化のリスクを減らそうだなんていう高尚な目的を持ち合わせている訳ではなく、十月も中頃を迎え外気が散歩をするのに適した温度になっていたから、歩かないでおくのは勿体無いような気がして行くのである。...... |
著者:久保獎太朗 さん |
学校・学年:大阪医科薬科大学 3年 |
Blog:http://omcbungei.blog.jp |
著者コメント:散歩の最中、フクロウに出会い、それについて調べているうちに、家で留守をしている課題の存在に気付かされてしまいました。ナイトオウル論を説く前に、現実を見た方がいいかもしれない、そんな夜のお散歩でした。 |
【あらすじ】
夜の散歩で公園のベンチに座っていたとき、「ホーホー」と鳴く“客人”がいた。いい機会なので、客人のことをスマホで調べてみることに。思わずクスッと笑ってしまう素敵な作品。
【田中青紗からのコメント】
表現や展開がお上手で、とても面白かったです。つい現実逃避をしてしまう気持ちに、共感する学生さんも多いのではないでしょうか。他の作品とはまた違った角度から「夜」を表現してくれました。
総評
たくさんのご応募ありがとうございました!
(毎回言っているかもしれませんが...笑)今回も「どの作品を選ぼうか......」と選考が非常に難しかったです。それぞれの作品に新しい発見や共感があり、存分に楽しませていただきました。
コンテストをきっかけに「夜」の見方や感じ方が広がったように思います。これから冬の夜空を見上げるのが楽しみです!。
「新しい挑戦がしたい」や「文章を書くのが好き」という方は、ぜひコンテストにチャレンジしてみてください!
紹介作品
惜しくも選考に漏れた作品たちも一部紹介。入選作以外もぜひ楽しんで見てくださいね。