夜が嫌い。 暗い雰囲気に飲まれていろいろなことを考えてしまう。小さいことから大きいことまで。悪夢を見ないか、昔起こした失敗を…|エッセイ企画「#Z世代の目線から」キーワード:夜
エッセイキーワード:夜
エッセイタイトル:『茹でガエル』/著者:チューリップ さん
641文字/2分かからないくらいで読み終わります。
夜が嫌い。
暗い雰囲気に飲まれていろいろなことを考えてしまう。小さいことから大きいことまで。悪夢を見ないか、昔起こした失敗を掘り返されないか…。自分が寝ているときに自分の知らないところで時間が進むことに抵抗を感じる。
暖かく安心しているときや暑すぎて汗が噴き出す日ほど夜は短く、寒くなり人肌恋しい季節になればなるほど夜が長くなっていく。
夜と朝は繋がっている。
「蛙はいきなり熱湯に入れられると危険を察知し飛び跳ねるけれど、ぬるま湯から段々温かくしていくと熱くなったことに気付かず死んでしまう」というたとえ。
夜から段々明るくなり気づかないうちに朝になり
1日が始まってしまう恐怖。
17年生きていて未だに夜に怯える情けない私は眠れず苦しむ夜に、サンダルを履いてベランダに出て、夜の怖さを癒やすように特別綺麗でもない景色を見る。
この街が大嫌いだしさっさと出て行きたい。だけどこの大嫌いな街の景色を見る。
他人から見たら嫌いな街の景色を見る私の気持ちなんてなにもわからないだろう。私が普段考えていることだって何もわかっていないのだから当然だ。わかってほしくもない。大嫌いな街の景色を見る私の気持ちは私だけがわかっていれば良い。
「夜景」という言葉は日頃から馴染みのある言葉なのに「朝景」という言葉はあまり馴染みがないように、人間は昔から夜に惹かれるものがあるのかもしれない。
例え夜が嫌いだとしても、どこまでも吸い込んでくれて終わりがないような景色「夜景」は不安も感じるけれどそれ以上に魅力的。
夜が大嫌い。
著者: チューリップ さん |
学校・学年:目黒日本大学高校 2年 |
著者コメント:高校生ならではの複雑な気持ちを書いてみました。 |
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