「おてつたび」で農業を将来の選択肢に。株式会社おてつたび代表・永岡里菜さんが語る、農家が持つ魅力

安藤茉耶

PR 提供:農水省
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2018年7月、「株式会社おてつたび」を設立した永岡さん。大学卒業後、営業などのお仕事を経験した後、会社設立の道を選んだ彼女は、農業の魅力をどう感じているのでしょうか? 学生時代から振り返っていただきました。

プロフィール

PROFILE

永岡里菜さん


1990年生まれ。三重県尾鷲市(おわせ)出身。小学校の先生になるために千葉大学の教育学部に進学。大学卒業後はイベント企画・制作会社に営業職として入社し、官公庁やIT企業のプロモーションやイベントの企画提案・プランニング・運営を担当する。3年後に和食推進事業に携わる企業に転職。その後半年間地域をめぐり、2018年7月に「株式会社おてつたび」を設立した。

農業とも起業とも無縁。“ザ・普通”の大学生時代


人手不足に悩む地域と、地域の魅力に触れたい若者とをマッチングするサービス「おてつたび」。

「受け入れ先の約4割が働き手を求める地方の農家さんです」と話すのは、株式会社おてつたびの代表を務める永岡里菜さん。おてつたびを通して、農業に触れてきた彼女の視点から、その魅力を語っていただきました。

永岡さんが生まれたのは三重県の尾鷲市。幼少期に名古屋に引っ越したため、千葉大学進学を機に関東に来るまでは、名古屋で青春時代を過ごしました

「将来は小学校の先生になりたいと思い、大学では教育学部に進みました。当時農業とは関わりがありませんでしたが、家庭科を専攻していたので、食に関しては学生時代からすごく興味を持っていました」。

永岡さんは学生時代、起業を考えたことすらなかったと話します。

「当時の私は“ザ・普通”の大学生という感じ。起業=すごい人がするものと思っていたので、自分が将来起業家になるとは思いもしませんでした。学生時代の友人にも驚かれています(笑)」。

大学では多くの学生と同様に、サークルやバイトに明け暮れる日々を過ごした永岡さん。所属していた企画サークルでは、新入生へのオリエンテーションや、学園祭など学内イベントの運営に携わったそう。学生生活の中で教育学部以外の人とも多く交流を持つことで、徐々に進路への思いも変わってきたといいます。

「教育を学べば学ぶほど面白いと思う気持ちもあったのですが、同時に大学を卒業しただけの私では、子供たちに伝えられることの幅が少ないのではないかとも不安に思いました。であれば、一度社会を知ってから先生になっても遅くないと考えたのです」。

永岡さんは教職ではなく、民間企業で働くことを決めました。

「地域に人生をかけたい」。会社を辞め、おてつたびを始動

「ゼロから何かを作りあげていく仕事がしたい」と、新卒で企業のプロモーションを手掛ける制作会社に入社した永岡さん。3年間働いたのちに、和食推進事業を通して地域活性化を行う企業に転職をしました。

「私が担当していたのは、学校給食で和食を推進する事業。コストやノウハウ不足などが原因で学校給食に和食が出る機会は減少傾向にあります。この課題を解決するために、ミシュランで星を獲得した和食料理人や、地元の米農家さん、食材メーカーさんなどを学校と繋ぎ、和食推進のためのコミュニティを作るという仕事をしていました。さまざまな地域に直接足を運んで課題を聞いて解決する、いわば“何でも屋さん”のような業務でしたね」。

永岡さんは仕事に熱中する日々を過ごすうちに、自分の人生の方向性がはっきりと見えてきたそうです。

「自分の人生を地域活性化にかけたいと思うようになったのです。私の出身地である三重県尾鷲市のように、日本には魅力的な地域がたくさんあるにもかかわらず、多くの人には知られていない。もっとみんなが知る術があったらいいのにと考えたのです。その機会を作るような仕事に没頭したいと思いました」。

人がなかなか訪れない地域はなぜ生まれるのか、その原因を自分自身で理解しようと決意した永岡さんは、会社を退職。当時住んでいた家も引き払い、夜行バスで地域を巡る日々を過ごしました。

「半年間はいろんな地域に伺いながら、人手の足りない農家さんのお手伝いをしたり、地元の人から地域の美味しいお店を教えてもらったりしていました。その地域で地元の人と一緒に仕事をするというのは、ただの観光では得られない魅力を知ることができる尊い経験だと強く感じたのです。

ですが、こうした働き方に一般的に使われるのは“出稼ぎ”や“季節労働”、“住み込みバイト”など、少しネガティブな印象を受けました。実際とはかなりギャップがあるなと。得られるものは素晴らしいのに、このままでは勿体ない。別の言葉を使うと、リブランディングしたいと思いました」。


永岡さんは、それが同時に地域の人手不足の解消にもつながると考えました。

「人手不足はこれから日本が向き合っていかなければならない大きな社会課題です。ですが見方を変えれば、“人と人が出会うチャンス”が多くなるともいえます。DX化が進んでも、人を介さないといけない仕事はゼロにはなりません。手が足りない時に助けてくれる人が地域外にもいて、お手伝いを通じてその後もファンになって何度も訪れてくれる仕組みができれば問題解決になるのではないか。そう考えて『おてつたび』というサービスを作りました」。

永岡さんは2018年に「株式会社おてつたび」を創立。翌年「おてつたび」のサービスをローンチしました。

地域の魅力を発信するとともに農家の人手不足も解消

人手を求める地域の農家や観光業と、地域に興味のある若者とをマッチングさせる「おてつたび」。スタートから5年目を迎えた現在、登録者数4.8万人まで拡大し、47都道府県、1200箇所にまで受け入れ先を増やしています。

「普通の観光だと美しいところを中心に見ると思いますが、おてつたびでは、それだけではなく地域の課題や大変さなど一歩踏み込んだ世界も知ることができます。だからこそ感じられる気づきもあり、それが旅の面白さでもあると思います」。

現在おてつたびの受け入れ先の4割が農家です。農業は短期的・季節的な人手不足が発生しやすくおてつたびの需要も多くあると話す永岡さん。しかし家族経営など閉鎖的な農家も存在し、おてつたびに参画してもらうためには当初苦労もあったといいます。

「私自身も、会社を立ち上げる前の半年間は、農家でおてつたびのようなことをしていましたから、サービスの立ち上げ時から積極的に地域に行き、地道に一歩ずつ信頼関係を築いて、実績を積み重ねていきました。家族経営の農家さんにはアルバイト文化もなく、外の人に頼ることに慣れていない場合もあります。仕事の切り出しが難しい農家さんには寄り添いながら、どの仕事であれば人にお願いできそうかというのを提案しながら進めていいます」。

こうしたノウハウを溜めていくことで徐々に参画農家も増え、現在は全国各地、果樹や米、葉物野菜など多様な農家がおてつたびの受け入れ先になっています。

「受け入れ先には新しいことに挑戦する気鋭の農家さんもいますし、昔ながらの農家さんもいます。特に60歳以上の方が営む農家さんでは、若者がおてつたびに来てくれたおかげで1週間以上も早く作業が終わったという喜びの声もいただいています」。

おてつたびが移住や新規就農のきっかけに!

ここ数年でおてつたびで農業を経験した、参加者(通称・おてつびと)たちからも多くの反響が届くようになったと永岡さんは語ります。中にはおてつたびによって進路を決めた学生もいるそうです。

「おてつたび先に就職されるケースも最近増えていますね。それだけでなくその地域に定住移住や、就農された方もいます。おてつたびを通して農業に興味を持ち、別の地域で新規就農をされた、農業法人に就職されたなどの声も聞くようになりました」。

つい最近、嬉しい反響もあったといいます。

「先日、幕張メッセで開催されていた農業WEEKで、若い女性に声をかけられたんです。話を聞いたらその方は元・おてつびとで、北海道のイチゴ農家におてつたびに行ったことがきっかけで、農業に携わりたいと考えるようになったと。新卒で大手通信会社に入社後、自ら手をあげて一次産業の部署に配属希望を出し、今では農家を支える仕事をしていると聞きました。農業や地域に興味がある方は増えていると思います。しかし、何も知らずいきなり農業の道に進むとなるとハードルが高いのではないでしょうか。ミスマッチが起きる可能性も高くなると思います。実際におてつたびに行ってみて、『この地域が好きかも』『農業って自分に合うな』というのがわかってから進路を考えてもいいと思います。おてつたびが農業が自分に合うかどうかをライトに試す機会になればうれしいです」。

永岡さんが語る、農家の魅力

おてつたびを通して農業に向き合ってきた永岡さんに、その魅力を教えてもらいました。

「私は農業に携わる農家さんの人間性にとても魅力を感じます。一次産業に従事されている方は、アンコントローラブルな事態に向き合うことが多いですよね。例えば台風が来ても対策をしたら、もう天に祈るのみで何もできない。常にそういう状況でお仕事をされているので達観されていますし、受け入れる力が強い。東京に住んでいると「全て自分の思い通りにいく」気がしてしまいますが、農家さんは毎日全てをコントロールできない自然と向き合っています。
農業という仕事を通じて自然に生かされているということを肌で感じているのです。だからこそ農家さんは人として大事なものを持っている方が多いと思います」。

最後に学生に向けてこう語ります。

「実はおてつたびは自分自身が学生の頃に欲しかったサービスなんです。もし私が大学生の時におてつたびに参加していたら、もっといろんな世界や人たちとの出会いがあったと思うので、今の大学生の方々にもっと利用していただけるようにしていきたいと考えています。おてつたびに参加した方によく、『このサービスを一年生の時に知りたかった』と言われます。よく知らない地域でよく知らない人と一緒に長い時間を共にするというのはハードルが高いと思いますが、少しでも地域に触れたいと思ったら、ぜひおてつたびに行ってみてください。そこで得た経験は誰にも盗まれません。経験は将来自分の大事な糧になるはずです」。

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取材・文/安藤茉耶
編集:学生の窓口編集部

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