5Gで社会はどうなる? 総務省が描くwith 5Gの世界
5Gといえば、ドコモやau、ソフトバンクに楽天など携帯電話会社の動きが目立つところですが、5Gを推進している大元をご存じですか? 答えは総務省。国としてもかなり力を入れて5Gを推進しています。
でもなんで? ということで、5Gのキホンをわかりやすく説明いただきつつ、国として考えていることを伺ってきました。私たちの暮らしや仕事がどのように変わるのか、5Gはいつごろ一般化するのかなど色々な疑問を解決していきます。
5Gは人だけではなくセンサーやモノとも繋がる
――5Gは3Gや、4G、LTEとどのように違うのでしょうか?
携帯電話は、3G、4G、5Gと世代が進むごとに高速・大容量化してきています。最大通信速度は30年間で約10万倍も速くなっており、5GはLTEの100倍ぐらい速いと言われています。
実際にどのくらい速いかというと、2時間の映画を3秒くらいでダウンロードできるほど。5Gはこの高速大容量に加えて、「超低遅延」「多数同時接続」という新たな特長を持ったシステムとなっています。
出典:GO! 5Gホームページ
3G、4Gとの大きな違いは、5Gはモノやセンサーなどがネットワークに繋がるためのICT(※1)基盤として期待されている点です。
これまでは、携帯電話は人と人が電話などでコミュニケーションをするためのツールでした。5Gによりモノやセンサーがネットワークと繋がることで、例えば、携帯電話でロボットを遠隔操作する、といったことが可能になります。そのときに重要になるのが超低遅延です。
※1:「Information& Communications Technology」の略称。「情報通信技術」とも訳される。
人同士であれば、多少の遅延時間があってもコミュニケーションは取れますが、例えばロボットを遠隔で操作しているときに停止の操作を行っても、遅延時間の間に動いてしまっては事故が起きてしまう可能性があります。
5Gの超低遅延であれば、このような遅延時間がほとんどなくリアルタイムにロボットを操作することができます。
もうひとつの多数同時接続についてですが、これまでも同時接続はできていました。
ただ、LTEでは同時接続できるのは数個ほど。それが、自宅内だけでも100個ほどのセンサーや端末が同時に接続できるようになり、センサーやカメラなどから同時にデータを集めて、統合的に情報を処理できるようになります。これらが5Gの特長です。
出典:GO! 5Gホームページ
―― 5Gの特徴として「ローカル5G」というものも耳にします。こちらはどのようなものなのでしょうか?
ローカル5Gは特別な技術というわけではなく、システム的には携帯電話で使っている5Gと一緒のものです。
携帯電話は携帯電話事業者が基地局を建てて、携帯電話の利用者が5G対応端末を使うことによって5G通信ができるのですが、そもそも5G基地局がないと使えません。
携帯電話事業者は、人口が多いところや、トラヒックが集中するところから基地局を建てていくことが多く、郊外にある工場などで5Gを使いたい、というニーズがあってもすぐには使えない可能性があります。
そういったときに、企業や自治体が自分たちで5Gの基地局を建てて、工場などの限られた場所で5Gを使えるようにする制度がローカル5Gです。
――工場以外でローカル5Gが活用されることが考えられますか?
テレワーク環境を整備したり、建設現場で建機を遠隔制御できるようにしたり、災害対策として河川などを監視したりなど色々な活用が考えられます。企業が先進的なサービスを展開することも可能です。
出典:GO! 5Gホームページ
ローカル5Gの活用により、もしかしたら都市ごとに新たな特色が出てきて、社会が変わっていく一つのきっかけになるかもしれないと期待しています。