【参院選・18歳】はじめての『参院選おどおど』を解決 (参院選の仕組み編)#あつまれ_おどおど学生
▼「はじめての参院選」記事一覧
・『参院選おどおど』を解決(1)#予備知識編
・『参院選おどおど』を解決(3)#投票編
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2022年7月10日は「第26回 参議院議員選挙」の投開票日です。満18歳以上であれば選挙権があります。大学生読者の皆さんの多くが、来る7月10日には満18歳以上でしょう。ぜひあなたの1票を投じるようにしてください。
本シリーズ記事では、間もなくの参議院議員選挙投票に向けて、実際に投票に行っておどおどしないで済むようなポイントについてご紹介しています。今回は「参議院議員選挙とはそもそもどのような仕組みになっているのか」です。
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参議院議員選挙の特徴とは?
▼おどおど解決ポイント
1.「衆議院」と「参議院」の違いを覚えよう
2.参議院議員選挙は2通りの選挙方法がある
3.比例代表選挙の仕組みをざっくり知っておこう
大学生の皆さんの中には、今回初めて国政選挙に参加するという方もいらっしゃるでしょう。そのために参議院議員選挙の特徴についてご紹介しておきましょう。
日本の国会は二院制で「衆議院」と「参議院」があります。それぞれの院の議員選挙には、以下のような違いがあります。
●衆議院
定数:465人
解散あり
議員の任期:4年
解散によっては任期途中で選挙
選挙では全員入れ替え
●参議院
定数:248人
解散なし
議員の任期:6年
3年に1回の選挙
選挙では半数を入れ替える
衆議院では首相が解散権を持っており、任期途中であっても「解散で総選挙!」というパターンがあり得ます。衆議院議員の場合には任期も4年と短いですが、常に選挙を意識していないといけないのです。
これに対して、参議院議員の場合には任期は6年で、衆議院議員よりも長く、また参議院には解散がありません。ただし、選挙は3年に1回行われ、ここで半数の議員が入れ替わりになります。
今回の選挙では248の半分、すなわち「124」の議席を巡って選挙が行われるわけです。
参議院議員選挙の選挙方法とは?
参議院議員選挙では、以下の2つの方法で投票を行います。
1.選挙区選挙:74議席
2.比例代表選挙:50議席
「1」の「選挙区選挙」では、「全国の都道府県別に分けられた選挙区=45選挙区」それぞれで候補者の中から投票者を選びます。
1都1道2府43県なので47なのですが、鳥取県と島根県、徳島県と高知県は1つの選挙区となるので、全国で45選挙区となります。
それぞれの選挙区で2~12の議席が割り当てられますが、今回の選挙ではその半分である「74議席」の議員が当選となります。当選するのは得票の多い順です。
「2」の「比例代表選挙」では、選挙権を持つ有権者は「候補者名」か「政党等の名称」を記入して投票します。これが全国で集計され、得票数に合わせて各政党に議席が割り振られます。
参議院議員選挙の場合は「非拘束名簿式比例代表制」※1です。
これは「各政党の議席数は政党名と個人名の得票数の合計に応じて配分され、当選者は個人名の得票数が多い順に決まる」というシステムです※2。参議院議員選挙では比例代表で選ばれる議員定数は「100」です。今回の選挙ではその半分の「50」の議員を選ぶことになります。
※1
「非拘束名簿式」ではなく「拘束名簿式」の場合には、議席配分はどの党がどのくらい得票したのかを基にドント式(説明は以下)によって決まります。その上で、あらかじめ各党が作ってあった名簿の上から順番に当選者が決まります。
※2
ただし、今回の選挙では「特定枠」が設けられています(後述)。
比例代表区では「ドント式」で議席配分を行う!
上記「2」の比例代表選挙で、各党に議席を配分するのに「ドント式」という方法を使います。
これはベルギーの法学者ヴィクトール・ドントさんが考えた配分方法です(1878年に考案)。
例えば、A政党からE政党委まで5つの政党があって、得票数が以下のとおりだったとします。
A政党:36万7,530票
B政党:27万6,558票
C政党:11万8,923票
D政党:8万1,111票
E政党:6万1,897票
また、10の議席を割り振るとします。
ドント式では、それぞれの得票数を整数で割って以下のような表組を作ります。
それぞれのセルの数字に着目して大きい順番に議席を割り振るのです。
1.36万7,530:A政党
2.27万6,558:B政党
3.18万3,765:A政党
4.13万8,279:B政党
5.12万2,510:A政党
6.11万8,923:C政党
7. 9万2,186:B政党
8. 9万1,882:A政党
9. 7万3,506:A政党
10. 6万9,139:B政党
となって、比例代表区10の獲得議席数は、
A政党:5
B政党:4
C政党:1
となります。議席数はこのように配分されますが、参議院議員選挙の場合には「非拘束名簿式」なので、投票数の多い候補者の順番に当選が決まります。
ですから、参議院議員選挙の比例代表の場合には全国的に名前の知られた人の方が有利ということになります。
ただし、今回の選挙では比例代表区の選挙に「特定枠」があります。
2018年の公職選挙法の改正によって、比例代表に「特定枠」が設けられました。各政党はあらかじめ候補者の優先順を決めた名簿を作り、特定枠に入れます。特定枠に指定された候補は、得票数に関係なく、選挙の結果割り振られた議席に従って、上から順番に優先的に当選することができるのです。
解決!! はじめての参院選おどおど(仕組み解説編)
今回は参議院議員選挙の仕組みについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。参議院議員選挙の方は衆議院に比べて少し地味なので、「3年に一度、半数の議員が入れ替えになる」といったことを忘れた人もいらっしゃったかもしれません。満18歳以上となり、晴れて有権者となった皆さんはぜひ選挙に参加してみてくださいね。
文:吉田ハンチング@dcp
編集:マイナビ学生の窓口編集部
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