保険っていったい何者!?入っておくべきなの?~仕組みからやさしく解説します |学校では教えてくれない「お金の授業」

編集部:ろみ

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「保険って大事なのはわかるんだけど、入ったほうがいいのかな?」「そもそも保険って何なんだろう?」そんな疑問を持っている学生さんは多いのではないでしょうか?

まだ若く病気や入院といったことがイメージしにくいこともあり、保険の重要性がつかみづらいですよね。そこでここでは、保険とはそもそも何なのか、加入する必要性などをわかりやすく解説していきます。

保険とは?なぜ必要なの?

保険とは、日常生活におけるさまざまなリスクに備えるために、あらかじめ対策を取っておく方法のひとつです。

急に病気やけがをしてしまう場合はもちろんのこと、自然災害などで損害が発生する可能性は誰にでもあります。こうした状況に備えておくことで、日々の生活を安心して過ごすことができるのです。

「貯金しておけば大丈夫じゃない?」と思う方もいるかもしれませんね。しかし、他人に危害を与えたり、災害に巻き込まれるなど、貯蓄だけでは対処しきれない損害が発生する可能性があります。

保険は多くの人が保険料を出し合い、お互いに補償し合う仕組み(相互扶助)のため、大きな損害が発生した場合でも、補償を受け取ることができます。

保険の種類は「公営」か「民営」で大きく分けて2つ

「保険」には、国が社会保障事業として提供している「公営保険」と、民間の保険会社が提供している「民営保険」があります。

公営保険は、原則として国民はみな加入することが義務付けられているのに対し、民営保険への加入は任意なので、保障期間や保障額を自分で決めることができます。

公営保険

日本では「国民皆保険制度」を採用しており、国民すべてがなんらかの公的医療保険に加入することになっています。

公的医療保険は以下の5つです。


保険の種類

加入者

国民健康保険

自営業、個人事業主、無職の人とその家族

健康保険

会社員とその扶養家族

共済組合

公務員や私学教職員とその扶養家族

船員保険

船舶の船員とその扶養家族

後期高齢者医療制度

75歳以上の人、65歳~74歳の一定の障害がある人

また、公的保険には国民年金もありますが、こちらは「国民皆年金制度」に基づく公的年金で、20歳から60歳のすべての方が加入することになります。

国民健康保険

国民健康保険に加入するのは、自営業や個人事業主、退職者、無職の人とその家族などです。保険料は加入者の収入や自治体独自の制度によって異なります。

また、社会保険のように「扶養」という概念がないので配偶者や子供などにもそれぞれ保険料がかかります。もらえる給付金には、医療費、高額療養費、出産育児一時金などがあります。

健康保険と後期高齢者医療保険制度

国民年金への加入対象は、20歳以上60歳未満のすべての国民であり、自営業者、個人事業主、農業・漁業従事者、学生などが保険料を納付します。

一方、会社員や公務員の方は厚生保険や共済組合に加入するため、国民年金分の保険料はそれに含まれています。従って、国民年金の保険料を直接支払う必要はありません。

健康保険同様「扶養」という概念はなく、家族それぞれが個別に保険料を納付するを納入する必要があります。年金制度には様々な種類があり、老齢年金だけでなく、遺族年金や障害年金など個々の状況に応じて給付されます。 

民営保険

公的な保険ではなく、民間企業が商品として販売しているものを民営保険といいます。

任意加入なので、自分が必要な保険を自由に選ぶことができます。

民営保険には大きく以下の3つの分野があります。


分野

保険名

概要

第1分野

生命保険

人の生死について保険金が支払われる保険

第2分野

損害保険

偶発的な事故による損害を補償する保険

第3分野

医療保険

医療・介護に関する保険

生命保険

生命保険は、人の生死に関する保険金が支払われるタイプの保険で、主に以下の4つに分けられます。


保険名

特徴

定期保険

10年や20年といった保険期間が決まっているが特徴。
低い保険料で大きな保障が得られる。

終身保険

被保険者が死亡や高度障害状態になったときに、
一定の保険金が受け取れる。
遺族の生活を守るために活用される。
最大の特徴は一生涯保障が続くということ。

養老保険

被保険者が死亡や高度障害状態になったときに、
一定の保険金を受け取れる。
満期を迎えられた際は満期金を受け取れる。
保障と貯蓄を兼ねられる。

個人年金保険

公的年金だけでは不安な方向けに、
自分で年金を積み立てておける保険。

損害保険

損害保険は、偶然に起きた事故により損害を受けた場合に保険金を受け取れるもので、身近なものでは主に以下の3つがあります。


保険の種類

特徴

自動車保険

「自動車任意保険」ともいわれており、
自分の意志で加入・非加入を決められる。
相手自身や相手のもの、自分への補償を受けられる。

火災保険

一戸建てやマンションなどの建物と家財家具などを補償。
火災、落雷・水漏れ・破裂・爆発・風・雹・雪災なども補償。

賠償責任保険

誤って他人にけがをさせた、
または他人のものを破損した際に負わなければならない
損害賠償金や弁護士費用を補償。

医療保険

民営の医療保険は、公営の医療保険では足りない部分を補うために任意で加入する保険で、主に以下のような種類があります。


保険の種類

特徴

医療保険

入院給付金や手術給付金がメインの契約。
先進医療などの特約を付けられる。

がん保険

がん治療にかかる医療費を補償。
ただし、がん以外の病気・けがの医療費は対象外。

三大疾病保険

三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になった場合に
一時金を受け取れる。

傷害保険

交通事故のように、突発的な事故に巻き込まれて
けがや死亡した場合に保険金が支払われる。

ここまで、さまざまな種類の保険について簡単にご紹介してきましたが、たくさんありすぎるとどれが必要な保険なのかわからなくなってしまいますよね。そこで次章では、大学生におすすめの保険についてご紹介していきます。

大学生におすすめな保険の種類

保険は、発生しうるリスクにあらかじめ備えるものなので、そのときに必要な補償を受けられる商品に加入することが大切です。大学生が備えておくべきリスクには、主に以下のものが挙げられます。

 ・自分自身の病気やけが
 ・他人を負傷させた・ものを破損した
 ・火災など(一人暮らしの場合)
 ・自動車事故

ではそれぞれのリスクに対応している保険をご紹介します。

医療保険:スポーツをしている方は特に

部活やサークルなどでスポーツをする方は多いと思いますが、活動中にけがをしてしまったときの備えに医療保険がおすすめです。

例えばスノボ・スキーをする際には転倒して骨折に至ることも珍しくありませんよね。

ただし、所属しているサークルや団体で「スポーツ保険」に加入する場合は個人での備えはそれほど心配しなくてもいいでしょう。

賠償責任保険:他人への補償に備える

賠償責任保険は他人にけがをさせたりものを破損したりして、法律上の賠償責任が発生したときに補償してくれる商品です。

自転車に乗る学生の方も多いと思いますが、最近は自転車事故の件数が増えていることもあり、十分な備えが必要です。

ただし、保護者がすでに加入していればその家族も補償されますので、別口で加入する必要はありません。

火災保険:火災や盗難に備える

一人暮らしの方は、アパートの火災や盗難に備えておきたいですよね。

多くの場合、アパートの賃貸契約をする際に加入を勧められることが多いので、すでに加入している可能性があります。契約書類の中を確認してみるといいですね。

火災保険のなかには、盗難も対象になっているタイプがありますので、契約内容をしっかりチェックしましょう。

自動車保険・バイク保険:車やバイクに乗る方は必須

大学生になると運転免許を取得して自動車やバイクに乗る方が増えます。

自動車やバイクでは強制加入の「自賠責保険」がありますが、相手への身体的な補償のみで、相手のものや自分への補償は含まれていません。

そのため、車・バイクの修理費は全額自費になってしまうのです。

自動車保険やバイク保険に加入しておけば、修理費はもちろん自分のけがにも対応できます。任意保険に加入することで、安心して移動できるだけでなく、突発的な事故や損害に対しても適切に備えることができます。

新社会人におすすめな保険の種類

新社会人になると、必要な補償に変化が出てきます。医療だけでなく、収入の補償や将来に備えた補償・貯蓄を考えることが重要です。

ただし、高額な保険料は生活に負担をかける可能性があるため、慎重に選びましょう。

医療保険:入院・手術などへの補償

「若いうちは病気なんてしない」と思っている方もいるかもしれませんが、最近では20代でもがんなどの疾患に罹患するケースが増えています。早期の対策が必要であることを考慮すると、医療保険に加入することが賢明です。

特に若いうちに医療保険に加入すると、保険料が比較的低くなります。一度病気を経験してしまうと、新たに加入することが難しくなることがありますので、健康なうちに加入することが重要であり、早めの検討が望ましいです。

就業不能保険:収入減少に備える

病気やけがによって、長期間仕事ができない状態が続くと、収入が減少してしまいます。公的な補償としては、傷病手当金や障害年金が存在しますが、これらだけでは生活費をカバーできるか不安です。

終身保険:一生涯の補償を若いうちから

終身保険は一生涯の補償を得るためにおすすめです。

終身保険は、加入年齢が早いほど保険料が安くなりますので、20代の早いうちに加入することがベストです。終身保険は保障だけでなく貯蓄性も兼ね備えているので、一石二鳥です。

まとめ

保険は、起こりえるリスクにあらかじめ備えておくもので、毎日を安心して暮らすために必要なものです。大学生には、医療保険、賠償責任保険、火災保険、自動車保険・バイク保険などが必要になることが多いです。

ただし、高すぎる保険料は生活に支障が出るため、自身の状況や収入に見合ったものに加入するようにしましょう。

文:金子 賢司

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。 以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、 年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP、住宅ローンアドバイザー、生命保険協会認定FP、損保プランナー 公式HP

制作:Media Beats
編集:マイナビ学生の窓口編集部

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