【探す】自転車ライター松田然さんに聞く、初心者にもおすすめの自転車旅3選!

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コロナ禍の影響で、いつもとは過ごし方が変わる今年の夏。それでもせっかくの夏休み、「無理のない範囲で旅行に行きたい!」と考えている人も多いのでは?電車や飛行機に乗ってのんびり……も良いけれど、アクティブ&アウトドアで楽しめる自転車旅に挑戦するのもおすすめ。普段の旅行とはまた違った思い出ができるかも。 全国47都道府県を走破している自転車旅ライター松田然さんがおすすめする、初心者にもOKな国内自転車旅スポットをご紹介します。

教えてくれるのはこの人!

松田然さん(まつだ・もゆる)

ライターカンパニー合同会社スゴモン代表。自分の旗を立てる、働き方のサードプレイス「SoloPro」編集長。自転車旅ライター。自転車旅をしながらリモートワークをして、日本全国47都道府県全てを走破。現在まで、主に働き方分野で4000人以上を取材し、自らも働き方の実験を続けている。

自転車旅おすすめスポット 第3位「富士山麓」

▶小山町から見える富士山と夕陽の美しい共演!

電車に乗り、小田急小田原線の新松田駅、JR駿河小山駅・足柄駅・御殿場駅などで下車。自転車に乗って富士山麓に向かって出発するルート。アップダウンはあるものの、日本一の山・富士山を眺めながら開放的なサイクリングが楽しめる。

「都心からのアクセスの良さから、個人的におすすめなのは静岡県の小山町。東京オリンピックの自転車競技のゴール地点である富士スピードウェイがある街で、漫画『弱虫ペダル』の中でもインターハイコースとして登場します。東京から約90分というアクセスの良さと、やはり富士山の真下なので絶景が見られるのが大きな魅力です。また温泉もたくさんあるので、旅の最後に汗を流して東京に帰る、といった楽しみ方ができます。僕がよく走るのは<小田急小田原線の足柄駅下車→自転車を組み立てて小山町エリアを走行→富士浅間神社→『道の駅 すばしり』の足湯で休憩→『あしがら温泉』→足柄駅>といったコース。今はまだ知名度が低い小山町ですが、オリンピックのコースとしてこれから聖地になっていくのではないでしょうか。 注意点として、やはりアップダウンが激しい場所なので、事前に自分に合ったコースを考えてから行った方が良いですね。どのスポットにもいえますが、自転車旅の場合はコースなどの事前の情報収集がとても大事です」

自転車旅おすすめスポット 第2位「しまなみ海道」

▶サイクリストなら一度は訪れたい”自転車の聖地”

広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約70kmの道のり。瀬戸内海に浮かぶ島々と、それらを結ぶ7つの橋、絶景を楽しみながら自転車で駆け抜ける爽快感は最高!日本はもちろん海外のサイクリストからも“自転車の聖地”として知られている。

「自転車の聖地というだけあってレンタサイクルも充実していますし、空気入れなどのメンテスポットも多いので、より気軽に自転車旅が楽しめます。橋をたくさん渡るので旅気分が味わえますし、道路や橋の上には自転車専用レーンのブルーラインが引かれているので、初心者でも迷いません。それぞれの島にたくさんのグルメスポット・絶景スポットがあるので、『瀬戸内グルメ巡り』などテーマを決めて走るのもおすすめ。自転車乗りにとって定番、殿堂入りの場所なので、ぜひ一度チャレンジしてみてほしいですね。 注意したいのがスタート地点。電車ならJR尾道駅、飛行機なら広島空港からのアクセスになると思いますが、初心者の場合広島空港からは迷いやすく、少しハードルが上がります。また、見どころがたくさんあるので、寄り道しているうちに日が暮れてしまう可能性も。無理して日帰りせず、宿泊を想定して予定を立てるのがおすすめです」

自転車旅おすすめスポット 第1位「伊豆七島」

▶伊豆大島で見られる地層切断面。大迫力の自然を間近で楽しめるのも自転車旅ならでは!

太平洋に100あまりの島々が連なる伊豆諸島のうち、7つの主な有人島(伊豆大島・利島・新島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島)のこと。東京竹芝港や横浜港から発着するフェリーに乗って気軽に訪問できるため、身近なリゾートアイランドとして観光客・サイクリストから人気のスポット。

「島を巡るのは自転車旅の定番の一つ。その中でも伊豆七島を1位に選んだのは、東京発着のフェリーが運航しているという点が大きいです。初心者の人にとって、家から自転車に乗ってスタートし、交通機関を利用するときは輪行(自転車を持って移動)、というのは少しハードルが高いですよね。東京・竹芝から伊豆諸島に向けて出ているフェリーは、乗船料金にプラス1000円払えば自転車ごと乗ることができますし、自分で組み立てができる人は普通の荷物と一緒に自転車を持ち込むこともできます。スタートのハードルが低いので、初心者の方におすすめです。フェリーは大体夜に出発するので、寝て起きたら翌朝島に着いている、というのも旅気分が高まります。特におすすめなのは、八丈島、新島、大島。八丈島は海と山の両方が楽しめますし、大島は火山の付近まで自転車で登れます。東京とは思えない豊かな自然を満喫できて、とても気持ちがいいです。 注意点としては、島はアップダウンが多いのと、島一周の途中ではリタイアすることが難しいので、体調を万全に整えて適度に休憩をはさむようにすること。あと、病床数が限られているなどの理由で、新型コロナウイルス感染予防対策の徹底をより意識する必要があります」

番外編:上級者向け「北海道」/定番スポット「湖」

「スポットの選び方として、“車で走って気持ちいい場所は自転車で走っても気持ちいい”というのは一つの基準になります。すでに自転車旅に慣れている上級者の方には、北海道の美瑛や富良野をおすすめしたいです。丘の町なのでアップダウンが多いのでちょっと大変ですが、雄大な自然の中を走るのは本当に気持ちがいい。また、関東なら茨城県の霞ケ浦、関西なら滋賀県の琵琶湖など『湖』も自転車旅の定番。どちらもレンタサイクルが充実しているので、近くに住んでいる方なら日帰り旅行もおすすめです」

出発の前にチェック! 自転車旅で気をつけること

どんなにきっちり計画を立てても、旅にはトラブルがつきもの。特に自転車旅は体力の消耗が激しいので、身体的なトラブルにつながる可能性も高まります。楽しい旅にするために、事前に注意しておくことは何でしょう?

「荷物は軽量・コンパクトで最低限のものを、というのが基本です。地図はスマホでチェックできますし、旅先で読書を楽しみたいという人は電子書籍を使うなど、便利なITデバイスをフル活用しましょう。また、持って行った方がいいのが自転車を収納する輪行バッグ。輪行の予定がなくても、途中でリタイアすることになったときに自転車を収納して電車に乗って帰ることができます。リタイアは全然悪いことではないので、『また挑戦すればいい』という気持ちで、決して無理はしないようにしてください。 また、仲間同士で行くのも楽しいですが、メンバー全員の体力レベルが同じぐらいであることが理想的。誰か一人が速すぎたり、追いつけない人がいると、全員がその人のペースに合わせることを意識しすぎるあまり、人間関係が悪化しかけたという話も聞きます。同じぐらいの体力レベル同士で行くか、走りやすいなだらかなコースを選ぶようにしたいですね。そして、自分がどれぐらいのレベルで走れるのかを事前に把握しておくためにも、家の近くを自転車で20~30km走ってみることをおすすめします。夏は暑さでやられてしまう人も多いので、夏場に長距離を走るとどうなるかは一度経験してみた方がいいと思います」

非日常体験が味わえる自転車旅の魅力

楽しいばかりではない自転車旅。それでも「車で走っているときは気づけない発見や、自転車だからこその楽しさがある」と松田さん。自転車旅初心者の学生さんに向けてメッセージをいただきました。

「自転車旅の醍醐味は、やっぱり自分の足で目的地に行ける、知らない場所を開拓していけるということ。汗を流してたどり着いた先の景色はすべて絶景に見えるし、ご飯も何倍もおいしい。日常では味わえない達成感や冒険心が満たされます。社会人になるとなかなか非日常的な体験をする機会がなくなるので、学生のうちにたくさん経験しておくと、社会人になってからもふとしたときに良い思い出としてよみがえってきます。大変だった経験、頑張った経験がきっと糧になるので、ぜひ無理のない範囲で挑戦してみてくださいね」

一方、新型コロナウイルスの影響が長引く中、「“今年は旅に行かない”という選択肢もある」と松田さんは教えてくれました。

「今年は例年と事情が異なるので、この記事を読んで『行きたい』と思った人も、今は想像を膨らませながら気持ちを高めつつ、来年の夏に挑戦するというのでもまったく問題ないと思います。『ここに行ってみたい』と思う気持ちだけでも価値があることですから。行くと決めた場合は、しっかり感染対策・熱中症対策をして旅を楽しんでください」

まとめ

自分の足を使って長い距離を走破する自転車旅。絶景の中を駆け抜ける心地よさを一度知ったら、やみつきになってしまうかも! まずは各スポットの情報を集めつつ、家の近所を自転車で散策するところから始めてみては。じっくり時間をかけて計画を立てることで、自転車旅のワクワク感がさらに高まっていきそう。

文・取材:芳賀直美
制作:Mo-Green
編集:マイナビ学生の窓口編集部
イラスト:福井海東

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編集部:ろみ

編集部:ろみ

学生時代はスペイン語専攻。南米アルゼンチンに留学していたラテン系関西人。好きなものは海外の音楽・映像鑑賞とお酒です。ママになり、最近は子供が寝た後に海外ドラマや韓流ドラマを見るのが息抜きです。素敵な言葉や音楽、映像などのコンテンツは、自分自身を助け、励まし、成長させてくれるものだと思います。読者のみなさんに素敵なコンテンツに出会える機会をたくさんお届けしたいという想いで仕事をしています。

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