バイクの人身傷害保険と搭乗者傷害保険とは?
バイク事故によってケガを負ってしまった場合、人身傷害保険や搭乗者傷害保険が適用されます。この二つの保険はどのような違いがあるのでしょうか。ここでは補償の違いや、加入における留意点に注目してみましょう。
人身傷害保険について
バイクの人身傷害保険は、運転している本人や同乗していた人が死傷した場合に補償を受けることができます。実際に受けた損害について補償してくれるもので、ケガの治療費をはじめ、ケガによって仕事や休業した場合の補償、精神的な損害などに対しても支払われます。
事故には過失の割合が発生しますが、人身傷害保険は過失割合に関わらず、示談交渉の結果を待たずに保険金を受け取ることができます。そのため相手への損害賠償金が多い場合も、自分の治療費や休業損害に対する補償が受けられるという特徴があります。
搭乗者傷害保険について
一方、搭乗者傷害保険は、バイク事故で死傷した際に搭乗者へ支払われる補償です。
治療に5日以上かかると確定した時点で、医療保険金が支払われます。
長期の治療が必要となった場合でも短時間で保険金が支払われ、契約している金額を定額で支払われるというメリットがあります。保険料は運転をする人の年齢や等級で異なりますが、人身傷害保険より割安なところも特徴です。
しかし、搭乗者損害保険はすべての損害についてカバーできるだけの保険金を受け取ることはできません。そのため人身傷害保険とセットで加入することも可能です。
人身傷害保険のメリットについて
人身傷害保険のメリットは、前述のとおり過失割合に関係なく補償が受けられ、自損事故だけではなく、他人によるもらい事故でも補償を受けることができます。
また、補償範囲の広さという点から、他人のバイクに乗っている場合も対象となります。さらに契約者やその家族は、徒歩や自転車などのバイクに乗っているとき以外での自動車事故でも補償を受けることができる場合があります。
バイクに乗る仕事に就いている人や、家族がいる世帯主の人は、人身傷害保険に加入しておくことはメリットになるでしょう。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険は両方とも加入すべき?
人身傷害保険と搭乗者傷害保険は、一方だけの契約も同時加入も加入です。
双方加入することで、自分に降りかかるリスクをカバーすることが可能になります。しかしその分、保険料も多くかかってしまいます。特に人身傷害保険は手厚い補償が受けられることから、保険料が高額であることも特徴です。趣味や自動車の補助的な役割としてバイクに乗っている場合、また保険料を安く抑えたいという場合は、搭乗者傷害保険のみに加入している人も多いです。
自分の収入状況やバイクの利用機会などを見直し、双方加入するか否かを検討してみるといいかもしれません。
まとめ
人身傷害保険と搭乗者傷害保険は、一見すると同じような補償ですが、特徴や範囲が異なります。加入条件で保険料が大きく変わることもあるので、見積もりなどを取ってじっくり検討することが大切です。
(学生の窓口編集部)
監修協力:鈴木幸子
2010年よりFP活動を始め、子育てファミリーの家計相談、住宅購入相談を実施。フジテレビ「Live News it!」でコメンテーターを務めるなど、地元金融機関、住宅メーカーでの講演実績を持つ。保有資格AFP・証券外務員2種・相続診断士。