乙武さんが全力で推したい、ラグビーの見どころ「まるで重戦車のように」
どーも! 学窓編集部のぱいんです!
9月20日からのラグビーワールドカップ開催がだんだんと近づいてきています。ところが、開催を知らない人も多くいるということで、乙武さんに「にわかでOK! こんな楽しみ方したらいいじゃん」という入りの部分を聞いた前回。
今回は、それに続いて、じゃあ実際にプレーでどういう部分が見どころなのかを伺いました。
目次
1.ラグビーは親しみやすい、ずっと動いてるから
2.ラグビーの魅力はやっぱり衝突
3.ラグビーのわかりにくさは、スクラムにあり
4.乙武さん的、ラグビーの推しポイント
5.余談。乙武さんは、なぜスポーツが好き?
ラグビーは親しみやすい、ずっと動いてるから
――ラグビーってやるのも見るのもハードルが高い印象がありますが、誰でも楽しめるスポーツですか?
ラグビーを楽しむうえで、プレーが続きながら進むスポーツなのは親しみやすい点でしょうね。
プレーが止まるか止まらないかは大事で、サッカーのように試合が始まったらCMを挟まずにずっと見ていられて、一瞬を逃せないスポーツのほうが初心者も見ていて飽きにくいのかなと思いますね。
――そのスポーツを知らない人だと、動いてない瞬間はヒマですもんね。
野球だとプレーが1回1回止まりますよね。玄人的には1球1球でどんな球を投げるか、どういう駆け引きをするか考える時間も含めて楽しいですが、野球を良く知らない人が見たらあの間はダレると思うんですよね 。
ラグビーの魅力はやっぱり衝突
――ラグビーの見どころって何ですかね?
接触が許されてないスポーツも多い中で、ラグビーはガッツリぶつかり合うわけじゃないですか。重戦車のようにほかの選手を弾き飛ばして進むところが、テンション上がるポイントじゃないかと思います。
そういう他の競技で見られないところが、やっぱりラグビーならではの魅力かと。
これは思い付きなんですけど、体のぶつかり合いをわかりやすい方法で見せられたら、もっとみんな興味を持ちやすいのかなって。
バラエティ番組は、スポーツの一部分を切り出してうまく見せているなって思うんですよね。ストラックアウトとか、投げるだけですけど、単純に見ていて面白い。
――確かにラグビーはそういうのないですよね。
ラグビーらしい見せ方ができるものは何かなって考えたら、ラグビーはパワーなので何人引きずって走れるのかとかね。そういうコンテンツの切り出し方しても面白いのかなって思いますね。
ラグビーのわかりにくさは、スクラムにあり
――逆にラグビーのわかりにくい点ってなんでしょうね?
わかりにくいところは、スクラム(※)ですね。みんな下向いて固まってるので、何をやってるのか、だれがどんな動きしてるのかわからない。
(※各チーム8人ずつで組み合ってボールを奪い合うセットプレーの一種。)
そのスポーツに馴染みのない人にとって、顔が見えることは興味を持つうえで重要だと思ってるんですよ。
野球のように選手が大写しにされるとわかりやすいですけど、スクラムは本質的なプレーであるパワーを発揮している場面なのに、顔がわからないというのは、ラグビーが初心者を引きつける上での大きな欠点かなと思いますね。
乙武さん的、ラグビーの推しポイント
――乙武さんがラグビーで一番好きなところってどこですか?
ラグビーってチームワークのスポーツなので、個性の違う人たちが各々の特性を生かし補い合いながら、ボールを運んでいく姿こそがラグビーの最大の魅力だと思うんですよね。
『マイナビ学生の窓口』の読者さんだと、これから社会に出て働くことを考え始める人が多いですよね。
それなら、ラグビーが織りなすチームワークの部分はよく見ておくべき部分だと思いますよ。
ラグビーは15人の中で大きくフォワードとバックスで分かれていて、その中でもさらにポジションが細分化されていて、体の大きさや運動能力の違いをうまく配置しながら戦っていくわけじゃないですか。
みんなが同じような能力持っていたらチームって逆に成り立たなくて、ひとりひとりの体格とか足の速さとかを見ながら、「お前はこういうポジションでこういう仕事を頼む」、「繋いでくれたボールをおれはこっちに運ぶから」っていうやりとりは、まさに仕事と同じです。
そこが分かるようになると、ラグビーの面白さも感じられるし、仕事にも生きると思いますよ。
余談。乙武さんは、なぜスポーツが好き?
――乙武さんが「スポーツが好きになったきっかけ」ってあったのでしょうか?
僕は父親といっしょにプロ野球をよく見ていて、その影響からか昔からスポーツは好きでした。当時は阪神タイガースのファンでしたね。
『マイナビ学生の窓口』の読者のみんなは知らないかもしれないけど、伝説の「バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発」をリアルタイムで見ていて、当時の盛り上がりはすごかったですよ。
そんな時代ですから、みんなバース、掛布、岡田とかのクリーンナップの選手が好きでね。その中で、僕だけ守備の上手さでスタメンをずっと死守していた7番の平田選手が好きでした。そのころから、脇役としてチームを支えてる選手が好きだったんですよ。
各自の特性を生かして生まれるチームプレーに魅力を感じるんですよね。
取材・文・撮影/学生の窓口編集部
第3回:W杯後もラグビーが親しまれるように、乙武さんが夢見るスポーツの未来
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