ほんとに五輪ボランティアやりたいの? 参加予定の大学生に聞いてきた | 「結局どうなの? 五輪ボランティア」第3回

編集部:ぱいん
2018/11/20
将来を考える
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世界最大級のお祭り「オリンピック・パラリンピック」。多くのアスリートがしのぎを削るアスリートの祭典であり、同時に平和を願う思いが込められた大イベントが2020年の東京を中心に開催されます。

“オリンピック・パラリンピックの成功は、 まさに「大会の顔」となるボランティアの皆さんの活躍にかかっています!

こうした謳い文句で募集されているボランティアですが、世間では冷ややかな反応も目につき、参加に不安を感じている人も多いのではないでしょうか?

そこで、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアとどう向き合っているのか、疑問を持つ人や前向きに参加したいと思っている人、運営に関わっている人など、さまざまな立場の人にお話しを伺いました。「結局どうなの? 五輪ボランティア」と題し、5回の連載でお送りします。

第1回、第2回の記事では、東京オリンピックのボランティアに疑問を投げかける大学生と、リオオリンピックでボランティアを経験した大学生、それぞれが感じる価値に焦点を当てました。

第3回では日頃からボランティア活動に親しみ、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアにも参加予定という、順天堂大学(以降、順大)スポーツ健康科学部の学生で、障がい者スポーツ同好会の3名にお話しを伺います。 

右)順天堂大学1年 上保 かのこさん
ボランティアへの参加は、高校時代にケガでスポーツを引退し、余った時間になにかしたいと思っていたところ、すでに大学に進学していた先輩から子供の学習支援ボランティアに誘われたことがきっかけ。

中)順天堂大学3年 馬詰 俊亮さん
ボランティアには、大学の講義の一環で障がい者スポーツに競技者側で参加してから、サポート側にも興味を持ち活動を開始。自分たちがパラスポーツを楽しみながら普及を目指す、障がい者スポーツ同好会を立ち上げる。

左)順天堂大学1年 内山 あみ さん
ボランティアへの参加は、大学に入学してから。障がい者の兄を持ち、スポーツを通して障がい者への見方を変えたいと思っていたところ、順大のオープンキャンパスで障がい者や老若の区別なくできるスポーツのボッチャ(※)に出会い、入学後に障がい者スポーツ同好会に入会。

※ボッチャとは、パラリンピックの競技種目の一つ。地面に配置された白いボール(目標球)に向かって赤・青6球ずつのボールを投げる、転がすなどしていかに近づけるかを競う。

 

――みなさん同じ同好会ということですが、障がい者スポーツ同好会は普段どういう活動をしているんですか?

主な活動内容としては、近隣自治体や学校、企業などから体験会やイベントの依頼が大学に届くので、その運営スタッフとしてボランティア活動を行っています。

パラスポーツに関わる人を増やすための活動も大きな活動のひとつで、大学内で週に2回、障がい者スポーツを体験する場を設けています。大学としてもパラスポーツの普及を目指していて、オープンキャンパスで体験会を開かせてもらったりしています。 

――日頃からボランティアに親しんでいるんですね。東京オリンピック・パラリンピックの募集要項のどちらかで10日間、両方やると20日間というのは、あまり気にしていない感じですか?


パラリンピックは夏休みに重なっているので特に気にしてないですね。

 


日程については大丈夫ですけれど、ここから10日も通うと大変だなって思います。

※順大スポーツ健康科学部のキャンパス最寄り駅からは、国立競技場前駅まで片道約1時間半、運賃約1,000円がかかる。

 

――ボランティアの募集に関して、加熱した批判が展開されていますが、そういったことについてどう感じています?

ボランティアを希望している側としてそのあたりはあまり気にしないのですが、実際にボランティアに関わっている人や、ボランティアをやりたいと思っている人の声が少ないなって、声をもうちょっと上げたほうがいいのかなって思います。

 


批判的な声ばかりが記事になっているのが気になります。

 

大学が授業日程を考慮するように求められていることについては、少しやりすぎかなって思います。自分自身もそうですが、ボランティアをやりたいと思っている学生は、きっと自分で時間を調整することも考えていると思います。

ボランティアで授業に来られない学生にどう対処するのかは、先生方の配慮によって分かれるかもしれませんが、そういうものかなと。

 

ーー無給でやるならアルバイトしたほうがいいという意見についてはどう思いますか? 10日間分の時給のほうが惜しいとか、感覚としてはないですか?

個人の優先順位の問題だと思っています。時間の作り方が大変な人もいるかもしれませんが、自分自身は参加したいと思っているので、うまく調整できればと思います。

 

私はアルバイトも大切だなって思いますけど、それよりはボランティアに参加しましたっていう誇りがほしいかな。バイトを10日間しましたっていうよりは、そういう誇りを感じられればって思います。

 

誇りっていうのもあるけど、10日間のバイトで得られたお金よりも、オリンピック・パラリンピックでボランティアをした経験のほうが今後のために生きていくかなと思っています。 

――東京オリンピック・パラリンピックの経験をして、それを今後に活かしていくイメージはありますか?

私は特別支援学校の先生になりたいと思っています。特別支援学校の子供たちって本当に運動する機会がなく、運動不足が問題になっているんです。オリンピックを通して、もっと自分が競技の知識を得て、子供たちができるようなスポーツをのびのび体験させてあげられるような、そういう教員になりたいと思っています。

 

ボランティアは大学生のうちしかできない、社会人になってしまうと忙しくてやれないかなって思っているので、大学の4年間で東京オリンピック・パラリンピックだけでなくいろいろなボランティアに関わっていきたいと思っています。将来のために自分の知っていることを増やしておきたいなって。

私も教師になりたくて、子供たちに教えるときにいろいろな活動に参加しているのと参加していないのでは、話せる内容も変わってくると思うから、いろいろな経験をしておくのが大事だなって思います。

――東京オリンピック・パラリンピックのボランティアでこういう活動したいってことはある?

パラリンピックではボランティア活動で関わったことのある競技を担当したいと思っています。せっかくなら今までのボランティア経験を活かして、選手に近い距離で活動したいです。

 

体験会もそうですし、大会の審判もやったことがあるので、選手の近くで関われるかなって期待しています。今まで体験会でボッチャを初めて見た人や、知らなかった人に教える活動をしてきて、そういう活動もオリンピックの期間でもっとやってみたい、できたらいいなって思います。   

 

これまで大学と連携しながら経験を積んできているので、今までずっとやってきた順大生だからこそ任せられるというようなことがあるのであれば、そういうところで携われればと思っています。

 

――ボランティアで楽しみにしていることってありますか?


楽しみにしていることっていうか、ボランティアは普通に楽しいです。

ボランティアは参加すればするほど知っている人が増えます。遠くにいそうな金メダリストや元チャンピオンの選手も、関わることでどんどん話してくれるようになるので、友達みたいになっちゃいます。スポーツボランティアならではの部分かなとも思っていて。それが一番の楽しさですね。

 

大会に自分が関わったってことを感じたいし、選手に近いところでコミュニケーションがとれるといいなと思っています。ボッチャは日本がメダルを狙える位置にいますので、そういう瞬間を一緒に共有できたらいいなって思います。

 

ボランティアをやっていなかったら、パラスポーツやってみようとは思っていなかったと思います。ボッチャは球を投げて目標に近づけるだけだから簡単そうだな、自分でもできそうだなって思っちゃいますけど、意外とできなくって面白い。ボランティアを通して、そういう楽しさが増えています

――楽しいからやっているっていいですね。ボランティアは楽しいからやっていることをわかってもらうには、どんな風に伝えたらいいと思いますか?


参加してもらえばいいのでは?参加してもらわないと伝えにくいですね。

 

パラスポーツの体験会は、ボッチャだけじゃなくて4、5種類の競技を集めてやっています。私はボッチャの活動に携わっていますが、活動の合間にほかの競技を体験させてもらって、その競技を理解することができたり、パラリンピックに出場しているような方たちと話ができることが楽しいです。

 

最初からボランティアに参加するのって難しいと思うんですよね。例えば僕たちがやっている障がい者スポーツのボランティアだと、競技を知っていないとサポートもできないんじゃないかって思う人もいるかもしれません。

そういう人は東京や千葉で、体験会をやっているので、まずは参加者として遊びに来てもらって、興味を持ったらボランティアに挑戦してみる感じでいいのではないかなって思います。それで楽しいと思えたら、ボランティア側で関わってみたらどうかなって思います。

 

周りの友達で参加したいって言っている子も多かったので、私はみんな参加したいのかなって思っていました。オリンピックってだれもが知っている大きなイベントだから、そこに関われるという意味でも、参加したいと思う人は多いのではないでしょうか。

一人だと不安かもしれないので、友達と一緒に申し込めることができてもいいのかなって思います。

 

ボランティアへのきっかけとか機会が少ないのは事実で、順大でも同好会がなかったら関わっていない人も多いと思います。体験会やボランティア活動を自分たちで見つけてくることもできるとは思うのですが、やっぱり友達や仲間がいるからやりやすいのは少なくともあると思います。

 

あと友達の間では、ボランティアをしたいと思っても、する方法や期限がわからないという声も多いです。順大のこのキャンパスはスポーツ健康科学部ということもあって情報も多いですが、目に触れる機会が少ない大学もあるかもしれません。ボランティアに関心を持っている学生に、もっと情報が届きやすくなるといいのかなって思います。

――ありがとうございました。

 

 

「ボランティアは楽しいからやるもの」というお話に、大変さや辛さをイメージしていた人からすると、驚くようなこともあったかもしれませんね。

徐々にボランティアを強制的にやらせる場面も増えてきているような最近ですが、無理やりやらせて、価値に気づかせるやり方ではなく、主体的に参加してみたいと思える教育や、身近でやっている人と触れ合うような場づくりが大切なのではないでしょうか。

次回は、これまでの学生インタビューとは趣向を変え、ボランティアそのもののあり方について考えている、国際ボランティア学会会長の中村安秀先生からのお話をお届けします。

取材・文/学生の窓口編集部
撮影/順天堂大学広報
イラスト/オカヤマ(@okayama1002

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