「博士」「修士」「学士」ってどう違うの? 各学位取得までに必要な学費目安や初任給の変化は?
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「博士」「修士」「学士」など耳にしたことはあっても「違いがよくわからない……」と感じている人もいるのではないでしょうか。
学位は一定の学問を修めた人に与えられる称号ですが、学びたい分野によっては、大学ではない道もあるかもしれません。今回は、意外と知らない「学位」について網羅的にご紹介します。
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学位とは?
学位とは、主に以下の場合に授与されるひとつの「称号」を指します。
・教育課程を履修、または試験に合格するなどして学業を修める
・学術的価値のある研究を修め、論文などを公刊する
・学術・教育の分野において功績を修める
現代では一般的に大学や短期大学・専門学校などのように高校卒業後以降に教育機関に入学・卒業した人に与えらえるものが「学位」というような使われ方で浸透しています。
専攻分野によってさらに細かく分類!
学位は、専門分野によって細かく分類されます。理学や工学・医学・文学などという言葉を聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
上記で挙げたようなものが、分野の分類です。高校卒業以降に学ぼうと思った分野によって、卒業後に与えられる学位が異なります。
日本の主な学位4つ
学位は国によってさまざまですが、日本における学位は主に4つです。
いずれも国際的に通用するため、留学を希望する場合は覚えておくと役立ちます。
学士 | 大学を卒業すると与えられる |
修士(専門職学位) | 大学院の修士課程を修めると与えられる |
博士(専門職学位) | 大学院の博士課程を修めると与えられる |
短期大学士 | 短期大学を卒業すると与えられる |
もし進路に困っている場合の参考にしてみてください。
1)学士
最も一般的なのが「学士」という学位です。学士は大学に入学し、定められた単位や課程を経て卒業すると与えられるため、大学を卒業すれば学士と認められます。
また、大学を卒業していなくても「独立法人 大学改革支援・学位授与機構」が定める審査に合格したり「通信教育や夜間コースを採用する大学」に入学・卒業すれば、通常の大学卒業者と同等以上の学力があると認められ学士の称号が授与されます。
修了要件 | 1)通常の4年制大学を124単位以上で卒業 2)独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構の定める審査に合格 3)通信制や夜間コースを採用する大学に通う ※大学により異なるため必ず確認してください |
取得までの必要期間 | 1)4年が一般的(医学部や薬学部は6年以上など、学部や専門により異なる) 2)3年~12年 3)4年が一般的 ※大学により異なるため必ず確認してください |
メリット | ・就職活動時に「大卒以上」の求人に応募できる ・収入アップ可能性が高まる ・昇進に期待ができる ・国家試験を受ける際に受験資格が緩和される場合がある |
2)修士
大学院修士は、大学院の修士課程を修めることで得られる学位です。修士の中には、論文を提出して審査に合格して得られる専門的な「修士」もあるようです。
修了要件 | ・大学院の修士課程に2年以上在籍 ・在籍する大学院の修士課程で定める論文または課題の研究成果の審査および試験の合格 ※大学院により異なるため必ず確認してください |
取得までの必要期間 | ・2年が一般的(博士課程における前期2年にあたる) |
メリット | ・高い専門性が身につく ・就職先が学士よりも幅広くなる ・プレゼンテーション能力が高くなる ・成績優秀だと奨学金が免除になったり減額になったりする場合もある ・初任給が学士よりも高くなる |
専門職学位というものもある
「専門職大学院」で学び、修了した場合に授与されるのが「専門職学位」です。
学位規則で3つに区分されており、法科大学院を修了した者には「法務博士」、教職大学院を修了した者は「教職修士」の称号が与えられます。
法科大学院および教職大学院以外の専門職大学院を卒業した場合は、専門分野を冠した「○○修士」とされる場合もあります。
3)博士
「博士」は学位の中で最上位の称号です。授与されるのは以下の2つのケースがあります。
・大学院の博士課程を修めた「課程博士」
・大学院に論文を提出し、内容が認められた「論文博士」
ちなみに、博士の通し番号には「課程博士」の場合は「甲」が、「論文博士」の場合は「乙」の文字が付されます。
修了要件 | ・5年以上の在学
・30単位以上の修得 ・必要な研究指導を受けた上、 当該大学院の行う博士論文 の審査及び試験の合格 ※大学院により異なるため必ず確認してください |
取得までの必要期間 | ・5年の一貫的なタイプ ・博士課程の前期2年を修士とみなし、後期3年を博士課程に区分するタイプ |
メリット | ・高い専門性が身につく ・研究職や教授職への就職に有利 ・プレゼンテーション能力が高くなる ・成績優秀だと奨学金が免除になったり減額になったりする場合もあ ・初任給が学士よりも高い |
海外で博士や修士を取る人も
「博士」や前述の「修士」といった学位は海外の大学院でも取得することができますが、海外の大学院の博士号は非常に難しいようです。
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4)短期大学士
学士には「短期大学士」という短期大学を卒業した者に授与される学位があり、「短大士号」と略して表記されることもあります。
「短期大学士」の学位を持っている場合、大学への編入が可能となる場合があるため、短期大学卒業見込みの方は進路選択に活用できるかもしれません。
また、独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構の認定試験により学士への学位変更も可能であるため、何かと有利になりがちです。
修了要件 | 1)一般的に62単位以上(3年制の場合は93単位以上) 2)通信制や夜間コースを採用する大学に通う ※大学により異なるため必ず確認してください |
取得までの必要期間 | ・2~3年が一般的(課程や修了要件による) |
メリット | ・短期間で学位が取得できる ・専門的な技術や資格が取得しやすいため就職に有利 ・地域に根差した短期大学が多いため地元での進学や就職に有利 ・4年制大学への編入により進路の幅が広がる ・独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構の定める試験で大学卒に値する学士も取得可能 |
専門士および高度専門士について
専門学校を卒業した人に与えられるのが「専門士」で、短期大学を卒業した「短期大学士」と同じ程度の証明になります。
ただし、専門士および高度専門士はあくまで称号であり学位ではないことを考慮しなければなりません。
短期大学士と同じく大学への編入も可能であるため、学びの幅が広がるでしょう。
一方の「高度専門士」は4年以上の専門学校を卒業した人に与えられる称号で、日本においては大学卒業と同じ程度の証明になります。
修了要件 | 専門士:1)総授業時数が1,700 時間( 62 単位)以上
試験等により成績評価を行 い、評価に基づいて課程修了の認定を行っていること 高度専門士:1)総授業時数が3,400 時間(124 単位)以上 2)体系的に教育課程が編成されていること 3)試験等により成績評価を行い、評価に 基づいて課程修了の認定を行っていること |
取得までの必要期間 | 専門士:2年が一般的(学校による) 高度専門士:4年が一般的(学校による) |
メリット | ・短期間で学位が取得できる ・専門的な技術や資格が取得しやすいため就職に有利 ・高度専門士は学士と同じくらいの給料がもらえる場合もある ・高度専門士でも大学院への進学が可能 ・専門士は4年制大学への編入により進路の幅が広がる |