【鹿毛康司の就活本音対談】#2 ドミノ・ピザジャパン富永朋信「会社選びは結婚相手を選ぶように」

【鹿毛康司の就活本音対談】#2 ドミノ・ピザジャパン富永朋信「会社選びは結婚相手を選ぶように」

2017/04/06

就活の悩み・疑問

新聞を読むことは社会人の最低限の準備!


●就職活動をする上で、一番こだわった条件はなんですか?(女性/18歳/短大・専門学校生)

鹿毛さん:「お金(給料)にこだわりなさい」「働き方が良いことにこだわりなさい」だね。俺がよく言っていることなんだけど、働き方が良くて給料も良いってことは、ものすごく良い会社ってことだよ。つまりめちゃくちゃ入るのは難しい会社ってことだけど。誰でも入れないけど、こだわるのならそこを目指しなさい。

富永さん:同感ですね。お金にこだわることは大事だと思います。

鹿毛さん:もう一つ加えれば、「売上利益の良い会社に行きなさい」だね。「売上利益」は、世の中の人たちがその会社にどれだけありがとうと言っているのかを表す数値だと俺は思っていて、「売上利益の大きな会社=みんなにありがとうと言われる仕事をしている」ということなんだよ。自分の仕事がありがとうという気持ちを生み、そのありがとうがお金になる、こんな幸せなことはないよ。

富永さん:生活に必要だからお金が欲しい、ぜいたくがしたいからお金が欲しいということで、お金にこだわるということももちろんあると思いますが、お金は「自分への評価」の一つのでもあったりします。私はこれまでに7回仕事を変えていますが、オファーされる金額が私への期待、評価だったりしますから、そうした意味でも、お金にはこだわってほしいですね。

鹿毛さん:うん、たしかに自己評価という面でもお金は大事なことだね。

●就活中に感じた企業のイメージと、実際に働いてみて感じた企業のギャップはありましたか? また、そのギャップを少なくするにはどうすればいいのでしょうか。(女性/23歳/大学院生)

富永さん:また恋愛の話になってしまいますけど、「あなたの態度が変わらない限り付き合えない」という考えでは、恋愛はうまくいきませんよね。ですから自分を変えていくということに尽きると思いますよ。

鹿毛さん:ギャップが埋められないのならもう別れるしかないってことだよね。転職ってこと。あと、あなたが感じているそのギャップは、果たして正しいギャップなのかってのもあるよね。例えば、ビジネススクールで僕が生徒の若い子たちと話していて、新聞さえ読んでいない子が3割もいるんだよ。新聞さえ読んでいないのに、まともな価値判断は作れないんだよ。

富永さん:新入社員はまだ社会を知らないし、世間も知らないし、会社のことも知らないわけですよ。つまり身の程を知らないということです。そうした身の程を知るための最低限のフォーマットが新聞ですから、それを読まないのはちょっといただけませんね。

鹿毛さん:うん、最低限のフォーマット。その最低限さえしていないのに、ギャップを少なくすることなんてできない。

富永さん:そうですね。ギャップを少なくしたいのなら、考える力を付ける、基礎力を鍛えるに尽きると思いますね。質問した人が新聞を読んでいるかどうかはわからないですけど、ギャップを少なくしたいのなら、社会人として最低限準備することは怠らないようにするべきです。

鹿毛さん:それも毎日ちゃんとすること。地道だけどサボると後々大きな差になっていく。分度器でさ、1度なんて本当に微々たる角度じゃない? でもその1度の角度でずーっと線を引いていくと、その差は雲泥になる。それと一緒。

富永さん:準備することは本当に大切なことなので、社会人のみならず常に心掛けてほしいですね。

2回目となる今回は、読者から送られてきた6つの質問に二人が回答しましたが、含蓄のあるお話ばかりになりました。次回はいよいよ鹿毛さんと富永さんの対談の最終回。お楽しみに!

プロフィール


鹿毛康司(カゲ コウジ)
エステー株式会社 執行役 エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。
福岡の田舎町で育ち2浪の末、奇跡的に早稲田大学商学部に合格。下手くそなアマチュアバンドをやりながら大学生活を過ごす。卒業後 なぜか大手の食品会社にはいり営業活動をするも非エリートとして扱われ、人生最大の決意でアメリカのMBAをとりにいく。最大の決意とは「ただひたすら勉学に励む」ということだった。42歳で転職し、何故か勝手にクリエイターになってエステーCMの父となる。震災後に日本を応援したと必要以上に感謝され2012年CMクリエイティブの最大の賞であるACC賞GOLDを受賞した。ミゲルありがとう。

富永朋信(トミナガ トモノブ)
ドミノ・ピザジャパン株式会社執行役員 チーフマーケティングオフィサー。
日本コダック(現コダック)、日本コカ・コーラ、ソラーレホテルズアンドリゾーツ、西友などでマーケティング関連の職務を歴任。ソラーレ以降はCMOとしてマーケティング部門を統括。日本コカ・コーラではiModeでコカ・コーラが買える自販機システム「Cmode」の立ち上げを担当。それ以来、「購買=ブランド選択+チャネル選択」という式の解を模索し続けている。西友では同社のイメージを一変させるキャンペーンを連発した。ブランドの構造はカテゴリによって違うことに気付き、全てのカテゴリのブランド構築に対応できる方法の開拓に頭を悩ませている。座右の銘はたくさんあるが、今のお気に入りは「過ぎたハンサム休むに似たり」「渾身のアイデアは全てを解決する」。

(中田ボンベ@dcp)

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