【初めての歌舞伎、何を観ればいい?】『歌舞伎座』に聞いた! はじめての「歌舞伎おどおど」を解決(演目選び編)
「歌舞伎」は、海外にもファンが多い日本を代表する伝統芸能です。「一度見てみたい」と思っている大学生も多いかもしれませんね。しかし、歌舞伎はどこに行けば見られるのか、何を見ればいいのか分からないですよね。本シリーズ記事では、日本を代表する歌舞伎劇場である『歌舞伎座』協力の下、「初めてでも歌舞伎をスムーズに楽しむ方法」をまとめます。今回は「演目の選び方」をご紹介します。
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▼「歌舞伎」おどおど記事一覧
1.はじめての「歌舞伎」#チケット購入編
2.はじめての「歌舞伎」#マナー・楽しみ方編
▼おどおど解決ポイント
1.演目の種類を知ろう
2.初めて見るべき演目は?
演目の種類を覚えよう
歌舞伎の演目は大きく以下の3つに分かれています。
●時代物(じだいもの)
平安や鎌倉、室町など、江戸時代よりも前に起こった出来事を描いている演目で、いわゆる「時代劇」です。主に武家社会での出来事がテーマになっていて、源義経を主人公とする物語や、忠臣蔵をテーマにした演目もあります。
代表演目:『仮名手本忠臣蔵』『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』
●世話物(せわもの)
時代物は庶民から遠い「武家社会」の出来事が描かれていますが、こちらは江戸時代の町人社会・世相風俗がテーマの演目。いうなれば「現代劇」で、町の大工や魚屋、遊女など庶民にとって身近な立場の人物が登場します。
代表演目:『梅雨小袖昔八丈』『青砥稿花紅彩画』
●所作事(しょさごと)
音曲に合わせて舞い踊る舞踊や舞踊劇を所作事といいます(「歌舞伎舞踊」とも呼ばれています)。歌舞伎は踊りから発祥したこともあり、舞踊メインの作品や、演目の「舞踊」の部分を単独作品として上演されることがあります。
代表演目:『藤娘』『京鹿子娘道成寺』『積恋雪関扉』
これらは「古典演目」と呼ばれている、昔から上演されている演目です。その他には、明治時代以降に作られた「新歌舞伎」や、より近年になって作られたスーパー歌舞伎や超歌舞伎があります。
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初めての場合は何を観るべき?
初めての場合は「時代物」と「世話物」のどちらかがお勧めです。時代物は、歴史の授業で名前を覚えた人物や出来事を描いている作品が多く、事前におおまかなストーリーを予習しておくことで、初めてでも理解しやすくなっています。例えば、忠臣蔵がテーマの『仮名手本忠臣蔵』や、源平合戦後の源義経を描く『義経千本桜』は、初めての人にもお薦めです。
世話物は、先述のように江戸の日常を描いた物語で、会話の内容も日常会話が基本。初めてでも会話やストーリーが理解しやすいので、「時代物はちょっと……」という場合は有名な『青砥稿花紅彩画』などの世話物をチョイスするといいでしょう。
「もっととっつきやすい作品がいい」という人には「新作歌舞伎」がお勧めです。最近では、『ワンピース』や『NARUTO』など人気漫画を題材にした新作歌舞伎が上演されるなど、初めての人でも楽しめる作品が次々に登場しています。個性的な衣裳に大がかりな仕掛けなど見どころも多く、初めてでも大いに楽しめるでしょう。舞台公演を撮影して映画館で上映する「シネマ歌舞伎」もあるので、映画館で楽しむのもひとつの方法です。
解決!! 歌舞伎おどおど(演目選び編)
これから初めて歌舞伎を見る、という人に向けて「演目選びのポイント」をご紹介しました。上記を参考に演目を選ぶのもいいですが、例えば好きな役者が出る演目をチョイスするのもいいでしょう。また、現在はコロナ対策のため中止になっていますが、手っ取り早く歌舞伎に触れてみたい人は、一幕だけ見られる「一幕見席」の活用もお勧めです。次回は、こうした一幕見席など、座席の紹介やチケットの購入方法をご紹介します。
文:大西トタン@dcp
編集:学生の窓口編集部
取材協力:歌舞伎座(松竹株式会社)
https://www.kabuki-za.co.jp/