あつまれ!_おどおど学生。今回は『青春18きっぷおどおど』を解決(2)#使用編
▼青春18きっぷ記事一覧
・『青春18きっぷおどおど』(1)#購入編
・『青春18きっぷおどおど』(3)#応用・裏ワザ編
「青春18きっぷ」はJR各路線の普通列車・普通列車自由席が乗り放題になるというお得なパス(のようなもの)です。名前から受けるイメージとは違って、18歳以下でなくても使用できます。
しかし、使用期間は学生の皆さんが学校が休みになる春季・夏季・冬季の3回。そのため、春休み・夏休み・冬休みに合わせて旅に出る際に最適なものといえます。
今回は、この「青春18きっぷ」の使い方についてご紹介します。
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使用期間内に使わないといけません!
▼おどおど解決ポイント
1.購入した切符は、使用期間内に使わないと持ち越せないので注意
2.自動改札は通れない、利用毎にスタンプが押されます
3.複数人で使ってもOKなのでグループ旅行でも活躍!
先の記事でご紹介したとおり、「青春18きっぷ」の発売期間は春季・夏季・冬季の3回。同様に、購入した切符も定められた春季・夏季・冬季のうちに使わなければなりません。
2022年「青春18きっぷ」の発売期間
春季用
2022年2月20日(日)から2022年3月31日(木)まで
夏季用
2022年7月1日(金)から2022年8月31日(水)まで
冬季用
2022年12月1日(木)から2022年12月31日(土)まで
2022年「青春18きっぷ」の利用期間
春季用
2022年3月1日(火)から2022年4月10日(日)まで
夏季用
2022年7月20日(水)から2022年9月10日(土)まで
冬季用
2022年12月10日(土)から2023年1月10日(火)まで
春季に購入したきっぷは春季内に、夏季なら夏季内に使います。その期間内に使い残した場合には、次の季以降には持ち越せませんので注意しましょう。
自動改札は通れません! 利用毎にスタンプが押されます
「青春18きっぷ」は1枚で発券され、利用するたびに中央部分にスタンプ(日付印)が押されます。5日(5回)利用できて「1万2,050円」ですので、1日当たりの乗車料金は2,410円。
1日で2,410円。1日のうちに何回乗ってもOKです。往復と考えると片道1,205円超の運賃がかかるところまで出掛けるのでしたら、「青春18きっぷ」を使う方が得です。
ただし、「青春18きっぷ」で乗車できるのは、原則、普通列車・快速列車です※。特急列車・新幹線には乗車できませんので注意してください。
ちなみに、東京・新宿駅から熱海駅まで行くと、JR湘南新宿ライン(快速)-JR東海道本線(普通)と乗り継いで約2時間ですが、片道の運賃は「1,980円」。往復で3,960円ですが、これが2,410円で済むので「1,550円」お得になります。
このように遠出をすると「青春18きっぷ」を使った方がお得になるのです。
注意していただきたいのは、「青春18きっぷ」は自動改札を通れないという点です。駅員さんがいる改札を使い、きっぷを提示してスタンプを押してもらうことになります。
※例外があります。詳しくは本シリーズの第3回でご紹介します。
グループ旅行にも使えます! 改札で駅員さんに確認してもらう
1人で5日(5回)使用してもいいのですが、複数人で使ってもOKです。例えば、2人で泊まりがけの旅行に出かける、といった場合にも使えます。
この場合、2人で片道に2つスタンプが押されて目的地へ。翌日、帰路の際に2つスタンプが押され、4日(4回)分が使われたことになります。残った1日(1回)分はまた次の機会に自分で使えばいいでしょう。もちろん5人で旅行に出かけるということも可能です。
複数人が同一旅程を利用する場合には、改札で駅員さんに確認してもらいます。駅員さんが不在の無人駅から乗る場合には、列車の中で車掌さんにスタンプを押してもらうといいでしょう。
鉄道ライターお勧めの小旅行コース
鉄道に大変詳しい、鉄道ライターの杉山淳一さんに「青春18きっぷ」を使ったオススメの小旅行コースを伺いましたので、ご紹介します。
鉄道ファンにオススメの碓氷峠鉄道文化むら
群馬県の信越線横川駅に隣接して、広大な鉄道車両博物館「碓氷峠鉄道文化むら」があります。国鉄時代の車両を保存展示しているほか、園内のミニ列車や、廃線区間のトロッコ列車に乗れます。
横川駅は有名な駅弁「峠の釜めし」発祥の地です。駅構内および駅前の本店で購入できます。
⇒ルート:東京~(上野東京ライン)~高崎~(信越線)~横川 約2時間半
片道きっぷ2,310円なので、往復4,620円。青春18きっぷだと2,210円おトク。
高崎~横川間は懐かしい旧型客車の「ELぐんま・よこかわ」「DLぐんま・よこかわ」「SLぐんま・よこかわ」があります。快速列車扱いですので、別途指定席料金(おとな330円:通常期)を払えば乗車できます。
海が見えるガラス張りの駅へ
常磐線の日立駅は2011年に橋上駅舎に建て替えられました。ガラス張りの海の駅として人気です。
改札外には海を眺めるカフェ「シーバーズカフェ」があります。
⇒ルート:東京~(上野東京ライン)~水戸~(常磐線)~日立 約3時間
片道きっぷ2,640円なので、往復5,280円。青春18きっぷだと2,870円おトク。
東京~水戸間は2時間以上の乗車になります。通勤タイプのロングシートでは趣がありませんが、「青春18きっぷ」はグリーン券を買うと普通列車のグリーン車に乗れます。料金は乗車前に購入すると平日1,000円、休日800円です。グリーン車に乗っても普通列車片道きっぷよりおトクです。
JR最高地点と八ヶ岳の車窓を楽しもう
1泊2日コースで高原のペンションの旅はいかがでしょうか。中央線の小淵沢から小海線に乗って野辺山駅へ。この駅はJR全線のうち、もっとも標高の高い駅です。ひとつ手前の清里駅周辺にはユースホステルやペンションもあります。高原リゾートを楽しみましょう。中央線、小海線とも山岳車窓を楽しめます。
⇒ルート:東京~(中央線快速)~高尾~(中央線)~小淵沢~小海線~野辺山 約4時間。
片道きっぷ3,410円なので、青春18きっぷだと1,000円おトク。
約4時間の乗車だと日帰りは列車に乗るだけになってしまいます。1泊以上がオススメ。
小淵沢駅は立ち食いそばと駅弁が有名です。「青春18きっぷ」なら途中下車もOK。食事や買い物を楽しみましょう。小海線は星空をテーマとした観光列車「HIGH RAIL 1375」も走っています。車内にプラネタリウムもあり、夜間は野辺山駅で星空観察会も実施します。快速列車扱いのため、別途指定席券(おとな840円:通常期)を購入すれば乗車できます。
解決!!青春18きっぷおどおど
「青春18きっぷ」は小旅行、帰省などの際に使いたい、いわばフリーパスです。もちろん大旅行に使っても構いません。途中下車のたびに切符を買ったりしなくて済むので、行き先を決めずふらっと旅に出たいか! なんて時には最適なものではないでしょうか。大学生の皆さんだからこそ「青春18きっぷ」を使って鉄道旅行をしてみませんか。
教えてくれたのはこの人!
監修:杉山淳一
Profile
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。
年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。
著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。
文:吉田ハンチング@dcp
編集:マイナビ学生の窓口編集部