バレンタイン、結局「何を」「どうあげる」のが効果的?#もやもや解決ゼミ
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2月14日はバレンタインデーですね! 「女子が好きな男子にチョコレートを贈る日」が定番でしたが、最近では仲のいい友達に贈ったり、チョコレート以外のプレゼントをしたりと、「贈る相手」「贈るもの」も多様になっています。
そんなバレンタインデーですが、本命男子のハートをつかむためには、女子は「何を」「どうあげる」のがいいのでしょうか?
早稲田大学 国際教養学部の森川友義教授に回答してもらいました! 森川教授は「恋愛学」の研究者として知られ、各種メディアに恋愛学の大家として登場している方です。
バレンタインデーは「大切な人に気持ちを伝える日」
2月14日はバレンタインデー。日本の場合は、女性から男性にチョコレートを贈る日となっていますが、西欧の場合は男性から女性にチョコレートを贈るのが一般的です。
最近では、友達に贈る「友チョコ」が広がっていますし、「逆チョコ」をする男性もいるなど、バレンタインデーは「大切な人に気持ちを伝える日」になっています。
「ゴディバジャパン」が20代、30代の男女416人に聞いたアンケートでは、以下のような結果が出ています。
・チョコレートをあげる相手は、男女ともに「配偶者」「恋人」が上位で、続いて「家族」。「友人」のカテゴリーでは、男性が「異性の友人」が多いのに対して、女性は「同性の友人」が多い。
・仕事上の同僚や上司にあげるという人はそれぞれ8.2%、7.7%なので、「義理チョコ」は最近少なくなっている。
このような結果からも、バレンタインデーは「自分が大切だと思っている人にチョコレートを贈る日」となっているのがわかりますね。
チョコレートを贈るのは効果的! 「恋の媚薬成分」が入っているから
バレンタインデーにはチョコレートを贈るのがよいでしょう。何を贈ろうかとあれこれ悩むよりは、ストレートにいったほうが気持ちも伝わりやすいですからね。
また、チョコレートには「恋の媚薬」といわれている成分が入っています。
フェニルエチルアミン(=PEA)」という脳内化学物質で、PEAは神経刺激剤として脳を活発にする働きがあります。人を好きになると興奮がもたらされるのは、このPEAが刺激を伝達させる手伝いをしていることによるのです。
本命男子に気持ちを伝えるのであれば、PEAの含まれるチョコレートを贈るのがお薦めです。
贈り方は重要! 必ず「二人きり」の状況を作り「その場」で食べてもらう!
「吊り橋効果」を利用する!
チョコレートを食べるとPEAによって脳の興奮がもたらされますから、それを「(あなたが)好き」という感情と結びつける効果を狙います。
つまり「吊り橋効果」がもたらされるのを狙うわけです。
「吊り橋効果」は有名ですが、1974年にブリティッシュコロンビア大学のダットン博士らが行った実験が基になっています。
ダットンらは、カナダ・バンクーバー郊外のカピラノ川に架かる高さ70メートル、全長135メートルの吊り橋と、コンクリートでできた橋との両方で、女性インタビュアーが男性に話しかけて、インタビュー後、電話番号を渡し、どの程度電話がかかってくるかを比較しました 。
実験の結果、吊り橋の場合は男性の半数が電話をかけ、コンクリートの橋の場合にはほとんどかけてこなかったといいます。人間が吊り橋の上のような場所で興奮状態におかれると、恋したときの興奮状態と錯覚し、好きになってしまうためと説明されています。
PEAが興奮剤としての作用を起こして、心拍数を上げたり、体内のエネルギーを上昇させたりします。そのドキドキが相手のことを好きだからドキドキしているのか、ドキドキしているから好きな証明なのか、脳が混乱してどっちか判断がつかず、その混乱で相手を好きになってしまうというわけです。
「目の前で食べてもらう」のが重要!
したがって、ここで重要なのは「チョコレートは目の前で食べてもらわなければならない」ということ。
女性がチョコレートを渡し、男性が「ありがとう」と言って受け取り、そのまま自宅に持ち帰って食べる――のでは、狙いの吊り橋効果は得られません。目の前で食べてもらい、興奮状態にさせて、恋の錯覚を起こしてもらわなければならないわけですから。
また、せっかくあげたチョコレートを別の女性の前で食べられたら、最悪の場合、その女性を好きと錯覚するなんて事態になるかもしれません。
ですから、必ず「二人きりの状況をつくる」ことです。
チョコレートを渡したら、「開けてみて」「食べてみて」と誘導し、男性に「二人きりで、自分の目の前で食べさせる」ようにしましょう。
もし目の前で食べてもらえない場合には、小さなカードを添えておけばその人のことを思い出すので、それでも同じ効果が期待できます。
男性も誰の前で食べるのかを考えて! 義理チョコの場合は……。
というわけで、本命のチョコレートの場合には「二人きりの状況を作り、男性に目の前で食べてもらう」のが大事です。もらう側の男性も、誰の前で食べるのかが重要なので、しっかりわきまえる必要があります。
逆に、「義理チョコ」の場合は自分の目の前で食べさせてはいけません。望まない恋愛感情を抱かれてしまうかもしれませんからね(笑)。
また、PEAはチョコレートの他には「ココア」にも含まれています。喫茶店に入って、一緒にココアを飲むというのも、恋心を醸成することになるかもしれません。ちなみに、ホワイトチョコにはPEAは含まれていないので注意してください。
バレンタインデーには、恋の媚薬成分といわれる「PEA」が含まれるチョコレートを「二人きりの状況」で贈り、「その場で食べてもらう」のが効果的とのこと。
ぜひ今回の森川先生のアドバイスを参考にして、ハッピーなバレンタイデーにしてください♪
イラスト:小駒冬
文:高橋モータース@dcp
教えてくれた先生
早稲田大学 国際教養学部教授。Ph.D.
1955年群馬県生まれ。1979年、早稲田大学政治経済学部卒。1984年、ボストン大学政治学修士号取得。1993年、オレゴン大学国際関係学修士号取得。1993年、オレゴン大学政治学博士号(Ph.D.)取得。外資系銀行、総合商社、国連専門機関(UNDP、IFAD等)、外務省国連代表部、米国アイダホ州立ルイスクラーク大学助教、オレゴン大学客員准教授、早稲田大学国際教育センター准教授等を経て、2004年より現職。
『改訂版 大学4年間で絶対やっておくべきこと なんとなく卒業しないための50のルール』(KADOKAWA,2019年)、『入社3年目までに絶対に知っておきたいこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン,2018年)、『黄昏流星群学~54歳からの恋愛聖書~』(小学館,2018年/弘兼憲史さんとの共著)など著書多数。