地方公務員試験の内容とは?試験の種類、合格率、難易度などを解説
地方公務員試験は、日程が重なっていなければ複数の自治体への併願が可能です。
試験日程や試験内容は自治体によって異なるので、受験時期をうまく分けつつ効率よく学習して採用を勝ち取りたいですね。
地方公務員試験の種類とその内容、合格率について紹介します。
地方公務員試験の種類は大きく分けて3つ
地方公務員試験の種類は大きく分けて3つあります。
- ・地方上級公務員試験
- ・地方中級公務員試験
- ・地方初級公務員試験
この3つの違いは、
- ・求められる学力の程度
- ・受験できる年齢の制限
- ・採用後に期待される職務
です。
初級・中級・上級となるほどに難易度も上がります。それぞれに受験にあたっての年齢制限があるため、年齢制限に引っかかる場合は受験できません。
国家公務員試験より地方公務員試験の方が簡単?
国家公務員試験よりも地方公務員試験の方が簡単という噂がありますが、実際は逆です。
地方公務員は自治体別に試験が行われるため人気の自治体の試験には受験者が殺到し、倍率も高くなります。
また、規模が小さい自治体の場合は役職に空きが出てから採用枠ができるというところもあり、希望する自治体の職種につくには狭き門を通る必要があります。
地方上級公務員試験について
地方上級公務員試験とは、政令指定都市と都道府県に勤務したい大卒程度の学力を持つ人を対象にした地方公務員試験です。
「上級」という呼び方に統一されているわけではなく、「大卒程度」「1種」といった名称になっている自治体もあるので、希望する自治体の採用情報をチェックしましょう。
地方上級公務員試験の種類
地方上級公務員試験には種類があります。
- ・地方上級(行政系)
- ・地方上級(福祉系)
- ・地方上級(技術系)
- ・地方上級(心理系)
- ・その他 自治体独自のもの
受験に必要な資格があったり、採用試験にも違いがあるので注意してください。
地方上級公務員試験の年齢制限
地方上級公務員試験の年齢制限は、30歳程度までとしている自治体が多いです。
35歳まで受験可能という自治体もありますが、少数です。20代後半で締め切られる自治体もありますので、自分の年齢が受験可能か確認しましょう。
地方上級公務員試験の合格率
総務省の「平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると地方上級公務員試験の競争率は、6.0倍でした。
- ・受験者数:273,885人
- ・合格者数:45,451人
- ・倍率:6.0倍
地方上級公務員試験の勉強方法
地方上級公務員試験の勉強方法は、目指す区分によって異なります。
採用試験は
- ・筆記試験(適性検査など)
- ・一次面接(集団討論など)
- ・二次面接(個別面接)
という流れになる場合が多いです。
地方上級(行政)の区分では、筆記試験として「行政系」「法律系」「経済系」の教養試験と専門試験が実施されます。
書店で販売されている過去問題集や公務員試験の専門学校、通信教育などで勉強を進める人が多いようです。大学3年生の夏休み前には受験する自治体を決め、対策を取ります。
地方中級公務員試験
地方中級公務員試験は、短大卒業程度の学力を持つ人を対象にした地方公務員試験です。
高卒程度の初級や大卒程度の上級に比べて実施される頻度が少なくなっているようですね。
地方中級公務員試験の年齢制限
地方中級公務員試験の年齢制限は、19歳から25歳程度が上限となっていることが多いです。
地方中級公務員試験の合格率
総務省の「平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると地方中級公務員試験の競争率は、3.8倍でした。
- ・受験者数:45,937人
- ・合格者数:12,185人
- ・倍率:3.8倍
地方中級公務員試験の勉強方法
地方中級公務員試験は、
- ・筆記試験(適性検査など)
- ・一次面接(集団討論など)
- ・二次面接(個別面接)
という流れになる場合が多いです。
筆記試験として「行政系」「法律系」「経済系」の教養試験と専門試験があるのは地方上級試験と同じなので、過去問題集などで対策を練りましょう。
地方初級公務員試験
地方初級公務員試験は、高校卒業程度の学力を持つ人を対象にした地方公務員試験です。
「高卒者」「3級」など、自治体によって名称が異なります。
地方初級公務員試験の年齢制限
地方初級公務員試験の年齢制限は、17歳から25歳程度が上限になっている場合が多いです。
地方初級公務員試験の合格率
総務省の「平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると地方初級公務員試験の競争率は、6.7倍でした。
- ・受験者数:139,352人
- ・合格者数:20,672人
- ・倍率:6.7倍
地方初級公務員試験の勉強方法
地方初級公務員試験は、
- ・筆記試験(適性検査など)
- ・一次面接(集団討論など)
- ・二次面接(個別面接)
という流れになる場合が多いです。
筆記試験の際に作文の提出を求められることもあり、数的推理や判断推理といった一般的な教養科目の他に作文の対策もしておいた方がいいでしょう。
地方公務員の試験日程は年度ごとにズレる
(画像引用:マイナビ2023公務員の就活スケジュールと進め方)
地方公務員の試験日程は、年度ごとにズレがあります。昨年の日程と今年の日程が同じとは限らないので、必ず事前に調べましょう。
どの自治体が採用試験を実施しているのかについては、総務省の「地方公共団体における職員採用試験の実施状況」からチェック可能です。
地方公務員試験は複数の自治体を併願可能
地方公務員試験は、複数の自治体を併願可能です。
決まった自治体に就職したいというのでなければ、日程違いの自治体をいくつも受験し採用されたところに就職するという手もあります。
地方公務員試験の教養試験・専門試験とは
地方公務員試験の筆記試験の内容について紹介します。
筆記試験では、教養試験と専門試験が実施されます。
教養試験はマークシート式と記述式がある
教養試験は、選択肢の中から正解をマークするマークシート式の「教養択一」とテーマについて文章を書く「教養記述」があります。
教養択一で出題される内容
教養択一で出題される内容は、
- ・数的処理
- ・文章理解
- ・人文科学
- ・自然科学
- ・社会科学
- ・時事
です。
事務処理能力や基礎知識を試す問題が出題されます。
教養記述で出題される内容
教養記述で出題される内容は、
- ・論文(小論文)
- ・作文
です。
日本語で考え文章で表現する力が問われます。
専門試験は職種によって問われる内容が大きく異なる
専門試験は受ける職種によって問われる内容が大きく異なります。
- ・行政職:法律・経済・行政系の問題
- ・心理職:心理学・社会学など
- ・福祉職:社会福祉・教育学など
- ・技術職:建築・土木など
といったイメージです。
自分が受験する職種によって学習すべき内容が異なりますので、注意しましょう。
地方公務員試験は受ける自治体を決めてから学習を始めて
地方公務員試験は、自治体によっては国家公務員試験よりも競争率が高く、試験内容も各自治体によってまちまちです。
学習しておいた方がいい科目はありますが、併願先の自治体同士の試験内容があまりにもかけ離れていると全体的に浅い学習しかできない可能性があるのです。
どの自治体がどういった試験内容なのかといった情報収集を行い無駄のない学習計画を立てて挑みましょう。
(マイナビ学生の窓口)