地方公務員の職種一覧をご紹介!その仕事内容や平均年収もチェック
地方公務員というと市役所などの窓口にいる行政職の職員というイメージがありますが、実際の仕事内容はそれだけではありません。
「公務員は不況に強く安定している」と人気の職業ですが、応募するならどんな職種があるのか調べてからにしましょう。
地方公務員の募集は各自治体に任せられているので、職種の呼称も採用日程もまちまちです。地方公務員試験は日程さえ重ならなければ、併願が可能です。
浪人しないためにも下調べをしっかりしておきましょう。
地方公務員は3種類に分けられる
地方公務員は、試験別に3種類に分けられています。
- ・地方上級公務員:大卒程度
- ・地方中級公務員:短大卒程度
- ・地方初級公務員:高卒程度
それぞれの違いは目安となる最終学歴の違いと年齢制限です。
例えば、地方上級公務員試験は大卒程度の学力が目安です。受験可能年齢に上限が設けられており、20代後半から35歳程度までが上限になっていることが多いですね。
目安となる学力だけ見れば地方上級公務員試験が最も難しく、地方初級公務員試験が最も簡単という印象になりますが、試験内容や競走倍率が各自治体によって異なるので一概にどの試験の難易度が高いとはいえません。
▶地方公務員になるには?必要な勉強内容や資格、スケジュールについて解説
地方公務員は地方の公務に従事する職業
地方公務員は地方の公務に従事する職業です。
国家公務員が中央官庁やその出先機関で働くのに対して、地方公務員は都道府県や市町村などで働きます。
国家公務員よりも身近な存在にある公務員が地方公務員なのです。
地方公務員の職種は大きく分けて6種類
地方公務員の職種は大きく分けて6種類になります。
- ・行政系
- ・心理系
- ・福祉系
- ・技術系
- ・公安系
- ・資格免許職
各自治体が職種別に採用を行うため、年度や自治体によっては採用がないこともあります。
特に、専門職系や技術系といった専門分野に関する職種に関しては、欠員が出たときにのみ募集がある自治体も多く、採用試験があっても募集人員自体が少なく狭き門となることが多いです。
地方公務員の職種別仕事内容と給与について
職種別の地方公務員の仕事内容と給与について紹介します。
給与については、総務省の「平成31年地方公務員給与実態調査結果等の概要」を参考にしました。
専門職など、給与について詳細なデータがないものについては割愛しています。
行政職の仕事内容とは
地方公務員の行政職は、市役所職員や県庁職員などの一般的な「公務員」のイメージの仕事です。
インフラ整備や教育・文化振興、都市計画業務など、地域に関する仕事の大半を任せられるのが行政職です。
地方上級公務員の行政職は、都道府県や政令指定都市などの幹部候補とイメージしておけばいいでしょう。
行政職の平均給与と平均年齢について
行政職の平均給与と平均年齢は、
- ・平均年齢:42.1歳
- ・平均給料月額:317,775円
- ・諸手当月額:88,426円
となっていました。
残業手当などを除いた平均給与は362,047円です。
心理系の仕事内容とは
心理系の地方公務員は、心理学の専門知識を活かした職務に就くことが多いです。
心理系の地方公務員は募集時に、4年生大学の心理学科の卒業が条件になっている場合が多く、採用後は「児童心理司」や「心理判定員」として働くケースが多いようです。
心理系の平均給与と平均年齢について
心理系の地方公務員の平均給与と平均年齢は、総務省の資料にありませんでした。各自治体の条件の差が大きいせいもありますし、採用人数自体が少ないせいもあるのかもしれません。
マイナビ転職で募集がかかっていた児童カウンセラーの求人を参考にすると
- ・月給:30万円前後
- ・初年度年収:300万円から500万円程度
- ・固定残業代:7万円程度
となっていました。
民間企業でも似た内容の募集がある職種なので、自分が応募する自治体の給与の高低や仕事内容の比較は民間向けの就職サイトを利用するといいでしょう。
福祉系の仕事内容とは
福祉系の地方公務員は、児童相談所や社会福祉施設での仕事に従事します。
募集自体が少なく、市町村ではなく都道府県の地方上級公務員試験で募集がかかります。全ての自治体で募集がかかるわけではないので、地元の自治体で公務員になりたくても募集がかかっていない可能性があります。注意しましょう。
福祉系の平均給与と平均年齢について
福祉系の地方公務員の平均給与と平均年齢は、総務省の資料にありませんでした。
マイナビ転職で募集がかかっていた求人を参考にすると
- ・初任給:月給188,500円〜
- ・初任給4大卒:月給202,200円〜
- ・福祉系資格もしくは実務経験二年以上の人
- ・夜間勤務ありのシフト制
となっていました。
同じ地方公務員で福祉系の仕事でも勤務先によって勤務条件がかなり左右されそうです。求人票には勤務先や条件が必ず書いてありますので、チェックしましょう。
技術系の仕事内容とは
技術系の地方公務員は、必要とされている技術内容によって採用段階から分かれています。
- ・土木
- ・化学
- ・建築
- ・電気
- ・機械
- ・農業
といった分野があり、どの分野で採用があるかは自治体によって異なります。
技術系の平均給与と平均年齢について
技術系の平均給与と平均年齢は、
- ・平均年齢:50.8歳
- ・平均給料月額:316,274円
- ・諸手当月額:68,654円
となっていました。
残業手当などを除いた平均給与は355,122円です。
マイナビ転職で募集がかかっていた民間企業の技術系総合職の募集内容によると
- ・月給:17万3,000円~25万円
- ・モデル年収(34歳):年収470万円
- ・電気工事士などの資格を持っていること
となっていました。
公安系の仕事内容とは
公安系の地方公務員は、地域社会の安全と平和を守ることが仕事内容です。
- ・警察官
- ・消防士
が地方公務員になります。
公安系の平均給与と平均年齢について
公安系の平均給与と平均年齢については、総務省の「平成31年地方公務員給与実態調査結果等の概要」に警察職のものが掲載されていました。
- ・平均年齢:38.4歳
- ・平均給料月額:321,712円
- ・諸手当月額:140,249円
残業手当などを除いた平均給与は370,144円です。
危険を伴う任務に就く仕事なので、諸手当が他の職種に比べて充実しています。
資格免許職の仕事内容とは
資格免許職とは、司書や獣医師、看護師などその資格を取得していないとなれない職業の地方公務員です。
例えば、
- ・幼稚園教諭
- ・保育士
- ・管理栄養士
- ・司書
- ・獣医師
- ・看護師
などがあります。
資格免許職の平均給与と平均年齢について
資格免許色の平均給与や平均年齢は、総務省の資料にありませんでした。
必要資格によってかなり給与に幅があり、全ての自治体で募集があるわけでもないので、民間企業と比較しながら検討した方がいいでしょう。
地方公務員は目的の職種を見定めて応募しよう
地方公務員の職種や名称は、各自治体によってまちまちです。
仕事内容や必要資格についても自治体ごとに差があるので、どの職種を目指すのかを決めてから応募する自治体を絞り込みましょう。
採用試験に関しても自治体ごとに特色があるので、無駄の内容に勉強を進めておきたいですね。
(マイナビ学生の窓口)