キャッシュレス決済と現金決済、何が違うのか基本の仕組みや制度をもとに理解しよう! |学校では教えてくれない「お金の授業」
「キャッシュレス決済」という新しい支払方法が広まりつつますが、これまで現金決済をしていた方の中には、どちらを利用すればいいのか決められないという方もいるでしょう。
さらに「キャッシュレス決済のことを、今さら聞くのはちょっと恥ずかしいかも。」と感じているかもしれませんね。
しかし、キャッシュレス決済を利用する前に、現金決済とどのような違いがあるのか、どんなことがお得で便利なのかをきちんと理解してからにしたいですよね。
そこでここでは、キャッシュレス決済の基本的な仕組みや種類、現金決済との違いなどについてわかりやすくご紹介していきます。
どちらの決済方法がご自身に合っているか、確認していきましょう。
目次
1.キャッシュレス決済とは?現金決済との違いは?
2.キャッシュレス決済のメリット
3.キャッシュレス決済のデメリット
4.キャッシュレス決済の種類
5.キャッシュレス決済と現金決済どっちがいいの?
6.まとめ
キャッシュレス決済とは?現金決済との違いは?
「キャッシュレス決済」とは、簡単にいうと「現金以外の方法で支払いをする」ことをいいます。
キャッシュレス決済の種類については後ほど詳しくご紹介しますが、クレジットカードなどでの支払いや、nanacoやSuica、WAONなどの電子マネーでの決済があります。
実はこのキャッシュレス決済、国も制度の普及を推しており、2018年に経済産業省が発表した「キャッシュレス・ビジョン」では、「日本におけるキャッシュレス決済比率を2025年までに40%を目指す」としています。
日本のキャッシュレス決済の普及は、「まだまだこれから」という状況なので、今後の広がりが注目されています。
ところで、「キャッシュレス決済と現金決済では、どんな違いがあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。 そこで、主な違いをまとめてみました。
比較項目 |
おすすめの決済方法 |
理由 |
お会計がスピーディー |
キャッシュレス決済 |
お財布からお金を取り出す時間を省ける |
収支のわかりやすさ |
現金決済 |
使った金額や残金が一目でわかる |
ポイントやキャッシュバック |
キャッシュレス決済 |
決済方法によって特典あり |
ムダ遣いしないか |
現金決済 |
キャッシュレス決済は「使っている」感覚がつかみづらい |
手数料など費用がかからないか |
キャッシュレス決済 |
現金を引き出すときATM手数料がかかることがある |
紛失・盗難 |
キャッシュレス決済 |
決済方法によって補償制度あり |
キャッシュレス決済のメリット
ではここで、キャッシュレス決済をするとどのようなメリットがあるのかをご紹介します。お得に賢く使うために要チェックですよ。
決済をスムーズに行える
キャッシュレス決済なら、お会計のときにクレジットカードやスマホを提示するだけでスムーズに支払いができます。
レジの前で、お財布から紙幣と硬貨を取り出してお釣りをもらう、といった一連の流れを省略できます。
また、キャッシュレス決済の利用者が増えると、お会計の待ち時間自体が短縮されるという効果も期待できます。
ポイントが貯まる
現金払いの場合は、どんなに高額な買い物をしてもポイントがもらえたりキャッシュバックされたりといったサービスは受けられません。
しかし、キャッシュレス決済では決済サービスごとにさまざまな特典を提供しているので、現金で支払うよりもお得です。
特典の例として、利用金額に応じてポイントがもらえる、利用回数や金額によって高還元率になる、といったものがあります。
支払い履歴が残る
キャッシュレス決済は、いつ・どこで・いくら支払ったかの履歴が残るので、支払いの都度レシートを保管したり家計簿に転記したりといった手間がかかりません。
また、「今月いくら使ったのか」がわかるので、口座引き落とし日前に入金する金額の目安にもなります。
さらには「ちょっと使いすぎかな?」と思ったときに履歴を振り返ることで、自分のムダ遣いポイントが見えてくるかもしれませんね。
キャッシュレス決済のデメリット
キャッシュレス決済にはご紹介したようなメリットがある一方、気をつけたいデメリットもあります。 支払うときになってあわてないようにしっかりチェックしておきましょう。
使いすぎてしまうことがある
デメリットとして一番に考えられることのひとつに、「使いすぎてしまう」ことがあるでしょう。 実際、キャッシュレス決済に抵抗がある方の中には「使いすぎてしまうわないか心配」という方が多いです。
現金がなくてもサッと支払うことができるので「お金を使っている感覚」が薄れ、いつのまにか利用額が高額になっていたということもあります。
そういう事態を避けるために、先ほど紹介した支払い履歴をまめにチェックしたり、家計簿アプリなどを利用したりしてキャッシュレス決済での支出を管理することが大切です。
対応していないお店もある
キャッシュレス決済が利用できるのは、サービスを導入しているお店のみで、対応していないお店では利用することができません。
地方になるほど対応しているお店が少ない傾向がありますので、お店に行く前にあらかじめ確認しておくと安心です。
また、都市部のお店でもクレジットカードは対応しているけれど電子マネーは非対応といったように、サービスが限定されていることもあるので注意しましょう。
携帯の電源・電波がないと使えない場合がある
キャッシュレス決済の中でも、電子マネーやQRコード決済はスマホを利用するため、電波が届かないところでは利用できません。また、災害などで電気が不通になってしまった場合も利用できません。
キャッシュレス決済をすでに利用している方の中には、「レジ前でスマホが圏外になってしまった!」という経験を持つ方もいます。
運よく近くにフリーWi-Fiがあればいいですが、ないときは決済をすることができず不便な思いをする可能性があります。
キャッシュレス決済の種類
ではここで、キャッシュレス決済にはどのような種類があるのかをご紹介します。
キャッシュレス決済は支払いのタイミングによって「前払い(プリペイド)」「即時払い(リアルペイ)」「後払い(ポストペイ)」の3つに分けられます。
それぞれの特徴を以下にまとめてみました。
支払いタイミング |
決済手段 |
利用限度額 |
備考 |
前払い |
電子マネー |
チャージ残高まで |
・利用金額を事前にチャージする ・nanaco、WAON、Suica、PASMO、楽天Edyなど
|
即時払い |
デビットカード |
紐づけされている銀行口座残高まで |
支払ったときに即時決済される
|
後払い |
クレジットカード |
クレジットカードの利用可能枠内 |
支払日にまとめて決済される
|
また、決済手段には「QRコード」や「バーコード」を読み取る方法もありますが、各サービスによって前払い、即時払い、後払いがあります。
キャッシュレス決済と現金決済どっちがいいの?
キャッシュレス決済の特徴についてご紹介してきましたが、結局のところ、キャッシュレス決済と現金決済ではどちらがいいのでしょうか。
それぞれの決済方法が向いているケーや利用した方がいい方の傾向がありますので、ご自身にあてはめて考えてみてください。
キャッシュレス決済の方がいい場合
キャッシュレス決済は次のようなケースで活用すると便利です。
・支払いをスマートに済ませたい
・現金を持ち歩きたくない
・新型コロナウィルス感染対策をしたい
レジ前で時間をかけずに支払いをしたい、たくさんの現金を持ち歩きたくないなどの場面ではキャッシュレス決済のほうがおすすめです。
また最近は新型コロナウイルス感染対策として、「現金のやり取りを控えたい」と考える方も増えています。
キャッシュレスなら人との接触を最小限に抑えられますね。
このような理由から、以下のような方はキャッシュレス決済がおすすめです。
・支払いに時間をかけたくない方
・現金を持ち歩きたくない方
・ポイントなどの特典をフル活用したい方
・新型コロナウィルスなどの感染予防をしたい方
現金決済の方がいい場合
一方、現金決済を活用した方がいいケースは次のようなときです。
・電波や電気の有無の状況にかかわらずいつでも使いたい
・「使っていい分」を目で確かめながら使いたい
現金決済であれば、お財布に入っているお金がすべてなので、使いすぎを防ぐことができます。
また、スマホ決済の場合、電波や電気状態によっては利用できないことがあるため、現金決済にして心配せずに支払いたいときにも安心です。
以上から、現金決済が向いているのは次のような方です。
・キャッシュレス決済でのムダ遣いが心配な方
・「いつでも使える」という安心感が欲しい方
・お金を目に見えるかたちで管理したい方
まとめ
キャッシュレス決済と現金決済は、それぞれメリットやデメリットがあるため、自分に合った決済方法を選ぶことが大切です。
また、どちらか片方だけを選ぶのではなく、状況に応じた決済方法をチョイスして活用できるようにするのもいいかもしれませんね。
キャッシュレス決済の普及はこれからも拡大していくことが予想されますので、「サービスを取り入れているお店はどこか」「どんな特典があるのか」などをチェックしながら賢く利用していきましょう。
文:金子 賢司
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。 以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、 年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP、住宅ローンアドバイザー、生命保険協会認定FP、損保プランナー 公式HP
制作:Media Beats
編集:マイナビ学生の窓口編集部
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