奨学金の繰り上げ返還はした方がいい? 繰り上げ返還のメリットと方法について解説
経済的な理由で進学を悩む人にとって、奨学金は大きな助けになってくれます。しかし、給付型でなく貸与型の場合、卒業後に返還する必要があり、返還期間は10年以上にもおよぶ場合もあります。収入面で余裕が出てきた場合に、なるべく早く奨学金を返還したいと思っている人のために、今回は繰り上げ返還について解説します。
(監修協力:FP 山本 美紀)
日本学生支援機構・奨学金の種類について
日本学生支援機構(JASSO)という独立行政法人が管理する奨学金には、返還の必要がない「給付型」と、卒業後に返還が必要な「貸与型」があります。さらに、貸与型の奨学金は「第一種」と「第二種」に分かれています。
「第一種」とは、無利息で奨学金を借りられる制度で、第二種よりも厳しい審査基準が設けられています。その代わり、貸与中だけでなく卒業後も無利息ですから、借りた分だけを返せば良いことになります。
一方、「第二種」とは、貸与中(在学中)は無利息ですが、卒業後は年間3%を上限として利息がつきます。その代わり、第一種よりも審査基準が緩やかなため、第一種を借りられなかった人も借りられる可能性があります。
繰り上げ返還のメリットについて
利子のつく第二種奨学金の場合には、繰上げ返還を行なった分、返還期日が来ていない繰り上げ分の利子が減額されます。ですから、余裕があれば、できるだけ早く繰り上げ返還をしたほうが良いでしょう。
第一種、第二種のいずれも繰り上げ返還は可能です。
繰り上げ返還の方法について
繰り上げ返還の申込みは、インターネット上の「スカラネットPS(スカラネット・パーソナル)」から行います。ただし、スカラネットPSから申し込む場合には、返還口座が登録済みである必要があります。登録していない場合は郵送・FAX、電話などで申込むことになります。
申込みの際は、「何回分かをまとめて選んで繰り上げ返還をする」または、「上限額を設定し、その範囲で最大限繰り上げ返還をする」のいずれかを選択できます。希望の内容に応じて算出された金額が返還口座から引き落とされます。
繰り上げ返還の申込みは、貸与終了後いつでも可能です。
まとめ
奨学金の繰り上げ返還は、利子のつく第二種で特に大きな恩恵を受けることができます。無利子の第一種の場合は、返還総額が変わることはありませんが返済期間は短縮できます。
特に第二種奨学金を借りている人で、毎月のやりくりに金銭的余裕があるならば、ぜひ繰り上げ返還をおすすめします。
(学生の窓口編集部)
監修協力:山本 美紀
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。家計整理アドバイザー認定トレーナー。年100件以上の主に子育てファミリーへお金のアドバイスを実施。家計相談、ライフプランシミュレーション作成の他、ママが気軽に参加できるマネーセミナーや家計整理アドバイザー講座を開催している。
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