【3話】現実世界のモンスターと対峙して経験値をアップせよ!#令和サバイバー
令和サバイバーとは?:2019年5月、新時代「令和」がやってきた!
この企画は令和時代を生き抜くすべてのワカモノに捧げる、
日常に潜む様々な危機へのサーバイブ(生存)方法を科学的/非科学的に探究するコンテンツである。
第1話から読む
第3話 現実世界でも冒険してみない?
またスマホゲームしてんの?授業中もずーーーっとやってたよねそれ!
期間限定イベントなんでねwww
経験値稼ぐためにモンスター倒さないといけないので多忙なのですよデュフフw
はあ。ゲームもいいけどさ、
現実世界での経験値
もあげてきたら?今回のミッションはこれに決定ね!!
現実世界のモンスターと対峙して経験値をアップせよ!
今回のアドバイザー
どうも。ライターの玉置標本です。
腕力や体力は人並み程度で、狩猟免許や特別な道具も持っていません。
そんな私でもできる、モンスターと対決するコツを教えます。
1.ま ず は 装 備 を 揃 え る べ し !
モンスターを倒すために必要なものといえば、やっぱり武器ですね。今回は初心者向けということで、100円ショップで売っている竹製の釣竿をセレクトしてみました。RPGだったら初期装備みたいな頼りない武器ですが、これでも十分戦えます!
この竿を持って、さっそくモンスターの潜む海へ。
海に着いたら、まずは武器のカスタマイズ。竿の先に適当なエサを輪ゴムで縛り付けます。今回はたまたま冷蔵庫にあったメザシを使いましたが、動物性で匂いが強めのエサなら、だいたいなんでも大丈夫だと思います。
そして竿先にある輪っか部分に、竿の長さくらいに切った太い釣り糸をくぐらせ、1センチほどに切ったゴム管を通して、折り返して縛ります。
文章で説明するとわかりにくいですが、下の写真のようにしてください。釣り糸とゴム管は釣具屋さんで買えます。あるいは釣り好きの人からもらうといいでしょう。
この竿先にできた輪っかにモンスターの一部をひっかけて糸を引っ張ることで、カウボーイの投げ縄のように捕獲ができるという寸法です!
2.モ ン ス タ ー を 探 す べ し !
さあ用意ができたら、海でハントするモンスターを探しましょう。岩がゴロゴロと転がっているような場所がベストです。タイミングは潮が引く(水位の下がる)干潮前後がねらい目。
こういった場所の濡れた石はものすごく滑りやすいので、乾いている場所だけを選び、慎重に足を乗せましょう。それでも転ぶことがありますが。ゲームの世界と違って、転ぶと本気で痛いので気を付けて。
足元に気を付けつつ、岩の隙間などを覗いていると、岩と一体化したモンスターを発見。わかりますか、下の写真中央です。
これはショウジンガニというカニで、甲羅部分が5センチ以上にもなる大物です。甲殻類で機動力があるので、甲殻機動蟹と呼んでもいいでしょう。
もちろん大物といってもケガニやタラバガニと比べれば小さいのですが、その姿はモンスターと呼べるだけの迫力があります。あとは捕まえる側の想像力で、これを倒すべき怪物のレベルまで引き上げればいいんです。
ある格闘漫画では、主人公がカマキリと本気で戦っていました。そういうことなのです。
目の前のカニを10倍のサイズだと思い込み、エサのついた竿先をそっと近づけます。
ちなみにこのカニ、近づいてもなかなか逃げません。
そしてここからが一番難しく、最高に面白いところです。エサでカニをおびき寄せつつ、釣り糸の輪を前に出し、カニが伸ばしたハサミをその輪に入れるのです。
最初はうまくタイミングが合わないですが、なかなか逃げないカニなので、何度か捕まえるチャンスはあります。焦ったら負けです。
エサを近づけすぎると、カニがエサに抱き着いてしまうので、ギリギリ届かない距離をキープして、ハサミを延ばさせるのがコツです。
うまいこと輪にカニのハサミが通ったら、竿先をカニに近づけつつ、糸を引っ張ります。
3.竿 先 を 持 ち 上 げ る べ し !
あとはそのまま竿先を持ち上げれば、ショウジンガニのハント成功です。ゲームの世界なら貨幣やお宝がもらえるところですが、現実世界ではカニそのものが手に入ります。どちらも経験値がもらえるは同じですね!
これは伊豆半島などに昔から伝わる「ひっこくり」と呼ばれる磯遊び。使っている武器は私のオリジナルなので、お好きに改良してみてください。
ええと、この楽しさ、伝わっていますでしょうか。
やっぱり実際にやってみないと、カニを探す楽しさや、カニとの距離感の駆け引き、なかなか輪にハサミが入らずイライラする感じは伝わらないと思いますが、獲物を仕留めたときの喜びがすごいのです。目論見通りにカニが持ち上がった瞬間、アドレナリンがブワーって出ますよ!
それにしてもショウジンガニの格好良さたるや。どこを持っても指に甲羅の棘が刺さってくるデザインとか、腕の太さの割には小さいハサミとか、メタルファンが着る革ジャンの鋲みたいなオレンジ色のブツブツとか、最高じゃないですか。このハサミに挟まれると、予想通り痛いです。いや想像以上かな。
4.想 像 力 を 駆 使 す べ し !
このカニが自分と同じ大きさだと想像してください。
ほら、間違いなくモンスターだ!!
こいつを食べない場合はそのまま逃がしてあげればいいんですが(糸を緩めるだけでダメージを与えずに逃がせる)、持ち帰る場合は大きめの洗濯ネットが便利。これに収納して潮だまりなどに入れておけば、生きたままキープできます。
ただ入れるのを失敗すると、すごい力で踏ん張られてしまいます。このグッと踏ん張られる感じ、子供の頃に捕まえたカブトムシに似ていて、懐かしく思う人も多いことでしょう。
ちなみに磯にはショウジンガニ以外にも、様々なモンスターがいて面白いですよ。
これはトゲアシガニという怪物。文句なくかっこいい!!
そんなこんなで自分が食べる分のカニをキープさせてもらいました。
たくさん捕まえてバケツに入れて、死んじゃってからポイ、なんていうのは絶対にやめましょう。
5.食 べ る べ し !
見た目通りに食べるところの少ないカニですが、ぶつ切りにしてみそ汁にすると最高のダシが出て、イセエビにも負けないほどの味がします個人の意見です)。
このヴィジュアルこそ怪物料理。怪物というかカニのぶつ切りで「カニブツ」ですが。
カニみそ部分に殻ごと被り付き、うまいこと口の中で身やエキスだけを吸い出しながら食べると最高。
もちろんカニパスタにしても良し。正直食べづらいですが。
脚を軽く噛んで、甲羅を割ってようやく中から出した身のうまさ。この面倒臭さも味わいの一つ。
6.最後に。
リアルに生き物を捕まえて食べる行為を残酷だと思う人がいるかもしれませんが、自分の手で命をいただくという経験をすることで、普段食べている肉でも魚でも、すべての食べ物には命があるのだということを再認識し、そこから生命や自然のありがたみを学べるのかなという気もします。
ちなみにパスタに殻付きは食べにくいので、下処理したカニを生のまま水とミキサーにかけて、それを絞ったカニジュースをソースに入れて煮込むという調理方法に初チャレンジしたところ、そこに姿こそないものの、カニの味が口いっぱいに広がるパスタができました。これならカニカレーやカニチャーハンも楽しめそうです。
このように、まだ食べ方の確立されていない食材(もちろん毒の危険や採取のルールを把握した上で!)を美味しく食べるというのが、現実世界でのモンスター対決のコツです。
ショウジンガニに限らず、ちょっとがんばれば捕まえて食べられるモンスター的な生き物は、身近なところにも結構いますよ!夏はモンスター対決にピッタリのシーズン!さあみんなで外に行こうぜ!!
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ほらー!現実でのモンスター対決ってめっちゃ楽しそうでしょ?ね?ね?
...やっぱり僕はスマホゲームでモンスター対決するほうがいいかな。
次回、第4話!スマホゲーム依存のイバおを外に連れ出すための最終手段とは...!?
キャラクター紹介
サバ子
大学1年生。ちょっとだけ自意識過剰気味。「令和サバイバー」部の新人。入部理由は「平和ボケした毎日にスリルを感じたかったから。」
イバお
大学1年生。超ビビり。同じく「令和サバイバー」部の新人。入部理由は「自分の身を守る知識をつけたかったから。なぜなら世の中は危険に満ちてるからです。」