ゼビオグループの社長が語る、スポーツビジネスのセミナーに潜入! 詳細にレポートしてみた【学生記者】 2ページ目
そんな中で、ゼビオグループはどんな立ち位置なのかというと、一番前を走っているフロントランナーの位置にいます。売り上げ規模時価総額、直近の業績などがそれを物語っています。昨年は暖冬だったので、なかなかスポーツ製品が売れませんでした。その中で、各社厳しい中でも、ゼビオグループは増収増益でした。もちろん数字だけが大事なわけではありません。どの企業が日本のスポーツビジネスを引っ張っていくのかというのも大事で、ゼビオグループには先見性や将来性も評価されています。例えば、リオオリンピックのスポンサーのナイキが世界中の取引先をリオに招待したのですが、日本の小売業から、リオに招待されたスポーツショップはゼビオグループだけなんです。それが何を示しているのかはわかりますよね。
他にもゼビオグループは「心動かすスポーツ」という価値観を社会に対して発信しています。インターネットを見れば、よりわかると思いますが、新聞広告などでもスポーツについて大々的に発信しています。真剣にスポーツを伝えていくのがゼビオグループなのです。
実は経営体制も刷新されています。ゼビオグループは昨年の10月から純粋持株会社にして、事業をせずに会社を束ねる会社を作って、その下に6つの中核事業企業を据えて、事業を経営していくという形に変更しています。グループ全体として、一人のカリスマの経営からチームで経営していくという経営スタイルに変更したのです。スポーツ業界ではこのスタイルは珍しいのですが、国内の他の産業では一般的な経営スタイルです。スポーツ業界の枠を超えて、どういう経営が今後も成長していける企業経営なのかを考えてやっている、それがゼビオグループなのです。ここまでが、グループ全体の話でした。ここからが加藤社長の会社の話に移ります。
■ゼビオ株式会社とは
ゼビオ株式会社は小売業の会社です。お店があって、商品があり、人がいる。そういうシンプルな商売です。方針としては全店舗地域No1になること。実は全国にスーパーゼビオというお店は1700店舗ほどあります。そこで大事にしているのは、ゼビオというブランドがどうなのかとか、ゼビオの名前を知っているのかというよりも、各地域ごとにNo1の店舗になることです。地域No1の店舗になって、そういった強い店舗が集まって、ゼビオグループになっているのが理想の状態で、それを目指して経営しているそうです。例えるなら鎖一個一個が強いチェーンにしていきたいということですね。一つひとつの店舗という単位を大事にしており、「また来よう!」と思えるかどうか、そこを目指して取り組まれているそうです。
■お店作りに力を入れている
ゼビオ株式会社では、お店をどう進化させるかに特に力を入れています。先日、北九州で新しいお店がオープンしたのですが、そこは今までのものとは少し毛色が違うものになっていました。加藤社長いわく発展途上らしいですが。
その店舗のオープニングイベントにケンブリッジ飛鳥選手にも来てもらってメッセージももらったのだとか。
ここで会場に店舗のオープニングイベントの映像が流れました。店舗の様子や実際に店舗に来た子供達の声、ケンブリッジ選手からのメッセージが流れました。アスリートがドキドキワクワクする店舗作りが特徴なのだそう。映像をみていても、たしかに行ってみたくなる空間作りだと思いました。(私も一応、もとアスリートなので)ちなみにここでいうアスリートとはオリンピックに出場しているような一流のアスリートだけではなく、未来に向かって努力している未来のアスリートや第一線ではなくともスポーツに親しんでいるひと達も含まれています。
北九州の店舗のように新しい店舗を出して、よい部分は他の店舗でもどんどん取り入れてやっていこうと考えているそうです。もうひとつ加藤社長の話にあったのが、「小売業は、最後は人」だという話です。だからこそ、ゼビオ株式会社は人で差別化することに力をいれています。物自体はどこでも買えるかもしれないけど、「◯◯さんから買った」ということが実はとても大事で、スポーツや競技に詳しい人や、今もスポーツをやっているアスリートから買うという機会をどんどん提供していきたいという方針なのです。それなので、数多くのアスリートやアスリートだった人に店舗にはいってもらえるようにしているのだそうです。
続いて、クロススポーツマーケティング株式会社の中村考明代表取締役社長からクロススポーツマーケティング株式会社についての話がされました。