エクセルの資料を別の新しいエクセルファイルに持ってきて作業したいのに、コピーするとなぜか元の書式を保持できないーーレイアウトが崩れてしまうと困ってしまいますよね。
今回は、Microsoft Developer Networkの公式情報をもとに、レイアウトが崩れる原因と対処方法についてかみ砕いて解説。それからレイアウトが変わってしまった時に上手に調整するテクニックもご紹介します。
エクセルでシートをまるまる別のブックにコピーすると、
といった現象が起きることがあります。
これは、エクセルのバージョンによって書式の初期設定が異なることが原因となっているケースが多いようです。具体的には「既定のフォント」と呼ばれるものが以前とは変わっています。「既定のフォント」とは、エクセルで新規ブックを開いた時に使う、「あらかじめ決めておくフォント」のことを指します。
このように、以前はおなじみだった「MS Pゴシック」から「游ゴシック」へと変更になっています。そしてこの2つのフォントは文字の高さが異なるため、レイアウトに不具合が出やすくなっているのです。
Office 2013 以前の環境と同じ設定で Office 2016 以上 (Office 365 ProPlus 含む) の環境で Excel / Word / PowerPoint ファイルを作成したときに、行の高さが変わったり、ページ数にずれが生じたり、また、レイアウトが崩れたりすることがあります。
(引用:Microsoft Developer Network)
つまり昔のバージョンで作った資料をそのままコピーして、新しいバージョンのファイルに持ってくると、行の高さが変わるなどレイアウトが崩れてしまうことがあるのです。
ですが、フォントに特にこだわりがなければそのまま「MS Pゴシック」を使って、書式を固定して貼り付けたいものですよね。次からは、書式を固定してコピーする方法をご紹介します。
エクセルのシートを書式そのままでコピーするには「既定のフォント」を統一することがカギとなります。これから作成するエクセルファイルの「既定のフォント」を「MS Pゴシック」にする方法は次のとおりです。
【1】Excelメニューの「ファイル」→「オプション」を選択
【2】「全般」→「次を既定フォントとして使用」のところを「MS Pゴシック」に変更。
(初期設定は「本文のフォント」となっています)
【3】Excelを一旦閉じてから再起動する。
これで既定のフォントが元のファイルと統一されましたので、うまくコピーできるのではないでしょうか。
上記の「既定のフォント」の変更は、これから新しいブックを作成する際に反映されます。そのため、すでに作業中のブックにシートをコピーしたい場合など、上手くいかないケースもあるでしょう。
そんな時は、コピー元のシートのフォントに手を加えてみましょう。
【1】コピー元のシートを開き、シート左上をクリックしてシート全体を選択。
【2】左上部に表示されているフォントを「MS Pゴシック」にあえて変更。
このように、既定のフォントにかかわらず手作業でフォントを設定してあげることで、シートコピーしてもそのフォントを保持できるようになります。ただし、この方法だと複数のフォントを使っていた場合に全てが「MS Pゴシック」に統一されてしまうので注意が必要です。
「フォントの問題は解決して形は整っているが、色が変わってしまった…」
こんなケースもあるかもしれません。例えば次のような旧バージョンで作成した住所録を新しいファイルにコピーすると、
コピー後は見出しの色が変わってしまいました!
これは、テーマの配色設定を変更することで解決できます。
【1】「ページ レイアウト」→「配色(または色)」
【2】「Office 2007-2010」を選択
これで、元の色に戻すことができました。
そのほか、シートごとコピーしたらグラフや表のレイアウトがどうしてもズレてしまう、そんな時に役立つ調整テクニックを何点かご紹介しましょう。
次のようなケースを実例として解説します。
<実例1>
(コピー元のシート)
(別ブックへコピー後のシート)
<実例2>
(コピー元のシート)
(別ブックへコピー後のシート)
上記のようなケースの調整テクニックをご紹介します。
以下のような印刷設定の画面で設定できます。
【1】ページ設定で印刷の仕方を変える。
Excelメニューの「ファイル」→「印刷」→「設定」→「シートを1ページに印刷」を選択
【2】結果
セル内に表示されていたはずの文字が表示しきれず「####」となってしまうとき、「セルのスタイル」を設定し直すことで解決することがあります。
【1】範囲を選択してから「ホーム」→「スタイル」の「セルのスタイル」→「標準」を選択
【2】結果
他の人がExcelで作成した資料を使い回すために、ブック間でシートのコピーをするなどした場合に、作成環境の違いから今回のようなトラブルが起きることがあります。
地道に手直しすることも可能ですが、やはり手間はかかってしまうもの。できれば書式を固定して貼り付けができた方が助かりますよね。そんな時、まずは「既定のフォント」に注目しつつ、今回ご紹介したような対処法を試してみてください。
文:マイナビ学生の窓口編集部
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