日本では、特定の時期にまとめて新卒者を採用する新卒一括採用が一般的な採用方法でした。毎年、学生が活動し始める就活シーズンに合わせ、企業側は説明会を開き、選考し、内定を出すという流れが繰り返されていました。しかし、近年、時期を限定せずに採用活動を行う企業が増えてきています。通年採用と呼ばれるこの採用方法は、企業側と応募者側にとって、どんなメリットがあるのでしょうか。
今回は、通年採用について詳しく解説いたします。
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通年採用とは、1年を通じて行われる採用活動。企業の採用活動は、年度初めである春から夏の時期に集中的に行われてきましたが、通年採用では、期間に縛られずに採用活動が展開されます。
新卒予定者に限らず、既卒者、留学生といった幅広い人材から募集するため、企業側は卒業の時期が日本と異なる帰国子女や海外の大学卒業者の確保も可能です。
1997年の就職協定廃止以降、より柔軟に欲しい人材を欲しい時期に確保できる通年採用を導入する企業が増加しています。
1. 多様な人材の確保が可能で、欲しい人材を欲しい時期に確保既卒者や留学生などのグローバルな人材を確保でき、また新卒だけでなく中途を交えることで、バランスの取れた採用が可能です。
また、長期間募集していると、さまざまな状況の応募者がいるので、異なる経歴を持った多くの応募者に出会うことができ、欲しい人材を欲しい時期に確保できます。
2. 採用に時間をかけて、念入りに選考できる就職活動のピークを避けられるので、選考にゆとりが生まれます。
また、退職者の代わりの人材についても、求人を出して1ヶ月以内に数名の応募者の中から慌ただしく採用を決めるという状況を回避できます。
■通年採用における就活生のメリット
1.就職の機会が増える就活時期を逃した学生も就職の機会があり、また、就職活動を一括採用の時期に行えない留学生なども応募できます。
2.就職活動にかける時間が増える就活の慌ただしいスケジュールに左右されなくなるため、活動できる選択肢が増え、また新卒一括採用で内定をもらえなかった人も、新たにやり直しができます。
3.業界や企業の研究の時間、応募や面接対策により多く時間をかけられる
4.転職の場合、入社日について相談しやすい通年採用の場合は、応募から半年以内の転職が可能な場合もあります。
新卒一括採用では、将来的に有望になりそうなポテンシャルを期待しての採用であることに対して、通年採用の場合は即戦力かどうかがより重要になってきます。希望する企業が通年採用の場合は、企業側が求める人材になれるように、日頃からスキルと経験を高める努力を惜しまないことが大切といるでしょう。
文・学生の窓口編集部