行きたい企業や業界を決めるのに必須なのが業界研究。とはいえ、Webや紙の資料を見ても、その仕事についてなかなかイメージできない、という人もいるのではないでしょうか。そんなときは自ら「体験」してみるのもアリ! 今回は人事コンサルタントの楠田祐先生に、希望の職種や業界を知るために有効なことを聞いてみました!
■OB・OG訪問
企業を知るためのスタンダードな方法は、OB・OG訪問。大学のキャリアセンターや就職課に行くのが一般的です。大学のOBやOGがどこに就職したかの記録があるはずなので、それを頼りにすると良いでしょう。また、自分の行きたい企業や業界にOB・OGがいなかった場合は、フェイスブックを利用してみるのも1つの手です。フェイスブックには出身校を記す欄があるので、上手く行けば卒業生が見つかるかもしれません。
また、企業を知る方法として、インターンシップという手段もあります。特に2016年度は、企業側の受け皿も豊富。多くの企業がインターン生を募集しています。社会体験になるのはもちろん、他大学の学生と知り合うことができるのもインターンシップの大きなメリット。倍率の高い企業もありますが、そこで怯まず、まずは応募してみることが大切です。
全く同じ企業でなくてもいいので、似たような業界でアルバイトをしてみるのも有効です。アルバイトの利点はなんと言っても、その業界に詳しくなれるということ。その仕事の勝手や業界用語を知っていると、入社後も即戦力になりやすいので、他の就活生にぐんと差をつけることができます。
「インターンシップでの企業体験は新たな知識や発見を得るだけでなく、後の面接や採用試験でも有効」と、楠田先生。確かに、『御社に入りたくてインターンシップに応募もしました』と言うと、面接官にも熱意が伝わりやすそうですね。「行きたい企業が見つかったものの、どうしたら良いのか分からない」という人も、キャリアセンターに足を運ぶなり、インターンに応募するなりして、まずは何らかのアクションを起こしてみてはどうでしょうか。
文●松原麻依(清談社)
■識者プロフィール
楠田祐(くすだ ゆう)
中央大学大学院戦略経営研究科 客員教授(戦略的人材マネジメント研究所 代表)東証一部エレクトロニクス関連企業3社の社員を経験した後にベンチャー企業社長を10年経験。2009年より年間500社の人事部門を5年連続訪問。人事部門の役割と人事の人たちのキャリアについて研究。多数の企業で顧問も担う。主な著書は『内定力2016 ~就活生が知っておきたい企業の「採用基準」~』(マイナビ/2014年7月31日発売)1400円(税別)。